下痢の原因・・・落下腸
下痢の原因は多種多様です。単なる一過性の下痢から慢性的な下痢に至るまで下痢になる人は近年驚くほど増えています。
一過性の下痢ならば、下痢の原因となるものが排除されるか、下痢の原因となるものを食べなくなる、あるいは体から出てしまえば下痢はおさまります。
しかし慢性的な下痢となると、下痢の原因が分からず、医師の診断も非常に難しくなっています。例えば、慢性的な下痢の原因が体質の機能的なことが原因、つまり腸の形が不自然になっていることで起こる場合があります。
下痢の原因は落下腸から
2013年ごろ、テレビの放送で、落下腸(らっかちょう)」というテーマで放送されたことがあります。落下腸とは腸が下垂(内臓下垂)して、正常な位置よりも下がってしまっていることと表現されています。こうした落下腸が慢性下痢の原因になることがあります。
落下腸とは本来、左胸から固定されている腸が、全く固定されていないで、大腸全体が骨盤の内側にまで垂れ下がり、腸が折れ曲がって積み重なっている状態です。大腸の形は生まれつき落下している人もいます。
落下腸はこうした腸のねじれの部分に、便が溜まってしまう現象のことを指します。腸は前腸、中腸、後腸と分けられていて、ねじれが発生するのは、左腹部に位置する後腸になります。
まっすぐな腸と比べ、折れ曲がって積み重なっている腸では排便の差が全く異なってきます。もしこの状態で固い便であれば、スムーズに出ていかなくて、腸の中でつまってしまいます。また後から来る便がたまり、腸が伸びて、さらに折れ曲がる、という悪循環が起こります。
便秘になると、誰もが腸に不快感を覚え、そうなると今度はストレスが溜まり、慢性下痢へと繋がってしまいます。こうしたことから便秘と下痢を繰り返すようです。
何をやっても下痢や便秘が改善しない人は、落下腸を疑った方がいいかもしれません。幸いなことに落下腸による下痢は、自分で解決できるので安心です。
落下腸の症状
落下腸の人は便秘と下痢を繰り返します。人によっては便秘の症状が強く出る人と、便秘よりもそのあとの下痢症状に苦しむ人など個人差があります。大腸で便が詰まると、消化したものの流れが妨げられて、食欲がわかない、胃が持たれる、胸やけがする、おなかが張った感じ(腹部膨満感)、逆流性食道炎などの症状が出ることもあります。
落下腸の原因
運動は下痢や便秘と深く関わっています。まず、今と昔では運動量が全く違い、昔は食事や洗濯、掃除も全てが手作業でしたが、現代では日常生活の総てに、運動の質と量が違っています。移動する際も、車や電車ですぐに目的地まで行けてしまいますし、家庭も非常に楽な仕事量になっています。
こうした近年の運動不足によって、実に8割の方が落下腸(腸管形態異常)になっているとも言われています。更に現代の食生活にも原因があるようです。水分の多い食べ物や甘い食べ物の摂り過ぎ、不自然な長時間の姿勢からくる筋肉の歪み(猫背など)、精神的にクヨクヨするなども原因に挙げられています。
落下腸の改善策
落下腸の方は、ウォーキングやジョギングをするのは大腸を揺らすどころか上下運動なので腸が更に落下してしまう可能性があります。それで腹筋運動をするのが良いと言われています。腹筋がつくと、筋肉の支えで腸が骨盤にまで落ちることを防いでくれます。
体調がよくないからと言って安静にしていると、便が通りにくくなり益々具合が悪くなりますので、体をできるだけ動かしましょう。腸がねじれて通りにくいところに下剤で無理に腸を動かすと腸閉塞の様な状態になって大変な事になりかねませんので、下剤は使わないようにしましょう。
更に腸マッサージすると、落下してしまった腸を正常の位置に戻すことができます。また、ぜん動運動(便を押し出す力)が鍛えられます。上半身を左右にひねったり、前屈ストレッチをしましょう。ちょっとした運動を日常生活にとりいれていくのが良いと思います。毎日の習慣にすれば徐々に効果が出てきますので、諦めないで続けましょう。
腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われているように、腸を元気にすることが健康の秘訣です。内臓下垂で落下腸になっておられる方もまずは腸内の環境を良くしましょう。腸内環境が良くなれば、腸は丈夫になり、落下腸が治る可能性は大きくなります。腸内環境を良くするプロバイオティクスのサプリメントがありますので上手に利用しましょう。