免疫システムの完成度を高めるなら亜鉛

桜が開花し始めました。これから日ごとに桜前線が北上していきます。暖かな陽射しにつられて、咲誇る花見は、今年も楽しく、ゆっくりとめでることがなかなか難しいようです。

さて、3回目の日本のワクチン接種もはじまりましたが、油断は禁物です。しっかり自己防衛だけはしておきましょう。
そのためには自己の免疫力を高めることです。食は命と昔から言われています。中でもミネラルの重要性は免疫力と深い関係があります。

例えば、ミネラルの中の一つ、亜鉛の場合を考えてみましょう。
亜鉛は身体に必須な微量金属の一つで、欠乏すると成長障害や免疫不全、味覚障害などの異常が生じることが知られています。また、亜鉛が存在しなければ機能しないタンパク質は体内に 300 種類も存在し、亜鉛は体を構成する必須な成分です。

免疫力アップには亜鉛は欠かせない

更に、新型コロナウイルスのような、人類が初めて出会う病原体から身を護るためにも、なくてはならないミネラルです。

ワクチンがあれば予防接種で獲得できる「獲得免疫」も、亜鉛がなければできません。
未知の病原体でも排除できる「自然免疫」は、「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」が主役ですが、この主役となるNK細胞は、亜鉛がなければ活躍できないのです。

亜鉛がないと免疫システムが完成しないのです。または、できたとしても不良品で、まともに働いてくれないのです。

免疫力アップに働く亜鉛の主な役割

実際、亜鉛は左記の免疫系に働いています。

①糖尿病や心臓病等予防し自然免疫力を維持
②インターフェロンαを合成して、NK細胞を増やす
③抗炎症性のタンパク質を増やして免疫反応の
効率を高める
④気道の線毛運動を亢進して肺に侵入してくる病原体を排除する
⑤新型コロナウイルス遺伝子の複製を阻害する
⑥新型コロナウイルスの気道細胞への侵入口に蓋をする

など、免疫の維持に深く関わっています。
しかし、加齢による吸収率の低下や、リン酸塩などの食品添加物による吸収率の低下、多剤内服やアルコールの過剰摂取により消費される等といった理由から亜鉛は欠乏しやすい栄養素となっています。

食生活で亜鉛不足になり易い

亜鉛はかなり偏った食べ物にしか入っていないのです。ちょっと偏食すると亜鉛は不足します。

また、年を取ると食べる量も減り、亜鉛不足が当たり前になってしまい、年配の方は免疫力の低下が早まってしまいます。
このように亜鉛は実に多彩な働きで、初めて接触する病原体の感染を防いでいる重要なミネラルです。食事を摂っていても不足しがちな亜鉛です。

多く含む食べものを選んで食べることが基本ですが、それがなかなか難しいという人には、亜鉛を含むサプリメントを摂ることを勧めします。

まだまだコロナは油断できません。くれぐれも自己防衛に励み、ご自愛ください。