下痢の原因・内臓の冷えから

下痢の原因となる一番の大敵はおなかが冷えることです。

下痢の原因・冬の内蔵型冷え性

めっきり寒くなってきて、朝、ベッドや布団から出るのがつらい季節となりました。季節柄、気になる症状はやはり「冷え」でしょう。下痢の原因となる一番の大敵はおなかが冷えることです。

そもそも「冷え性」とは、他の人が冷えを感じないのに、自分だけ、手足の先や、体全体が冷たく感じることです。従来は、手足の先だけの冷えを「冷え性」と呼んでいましたが、最近は、内臓が冷えることによって、さまざまな症状が起こる「内臓型冷え性」が注目されています。

下痢の原因となる内蔵型冷え性とは

「内臓型冷え性」で起こる症状は、大きく2つに分けられます。

①血行が悪くなって起こる

体内の血液の流れが悪くなることで、骨格では肩凝りや腰痛が生じます。内臓では、頻尿や、胃腸のトラブル、脳においての不眠や集中力低下などが起こります。特に冷えが胃腸に与えるダメージは大きく、お腹を触るとひんやりしている人は内臓が冷えていると考えた方がいいでしょう。冷えは下痢の原因の代表格です。

②免疫力の低下による感染症(風邪やインフルエンザ)、アレルギーなどで起こる

体が冷えると、ばい菌と戦う白血球の機能が衰えると考えられています。この免疫力の低下によって、ノロウイルスなどにも感染しやすくなるため、総じて下痢になるリスクが高まります。

血液循環が悪いと冷える

人間の体中で、酸素・栄養・体温を体の隅々まで運ぶ役割を担っているのは、血液です。その血液の流れが悪いと、心臓から遠い手足へ温かい血液が行き届かず、冷えを自覚します。これが、これまで言われてきた手足の冷え性です。


しかし、ひどくなると手足だけでなく、さまざまな内臓への血液の巡りも悪くなってしまい、いろいろな症状が出てくるのです。ある衣料販売会社の「下半身の冷えに対する実態調査」によると、女性の9割、男性の7割が、下半身の冷えを感じていることがわかりました。

体が冷えているかチェックして見よう

冷えは自覚できない時もありますので、ご自分でチェックしてみましょう。

□【1】朝起きた時、おなかや太腿が冷えている

手足だけでなく、おなか(胃腸)や太腿(筋肉)が冷えるということです。朝起きた時、まず脇の下に手を挟み、体温を感じてください。そのあとにおなか、太腿を触って比較して、脇の下よりも冷たければ、内臓型冷え性の疑いがあります。

□【2】体全体が冷える

 体が冷えて眠れない

□【3】腸が冷えている

 胃腸が弱く、腹痛や下痢を起こしやすい

□【4】下っ腹にある膀胱が冷えている

 トイレが近い

□【5】背骨や肩の周りの筋肉が冷えている

 腰痛や肩こりが治りにくいので、痛みに敏感になることがわかっています。

□【6】運動不足、不規則な食生活、精神的ストレスが多い、のどれかに当てはまる

 運動不足で血液の循環が悪くなる、食生活の乱れ、ストレスがあるとで血液の質が悪くなり、体温が上がらないのです。

以下は、冷えという症状で、重い病気が見つかることもあるという例です。

□【7】心臓の衰えによる心不全

 動悸息切れがすることがある

□【8】貧血

 クラクラと立ちくらみを起こしやすい。血液の中の赤血球が少ないと、脳に十分な血液が運ばれなくなる

□【9】甲状腺機能低下症

 甲状腺ホルモンが低下して、代謝が悪くなり、体が冷えることにより、顔が異常に白い、疲れやすいなどの症状を伴います。

□【10】閉塞性動脈硬化症

 主に片側の足の動脈が動脈硬化によって細くなり、血流が悪くなることで起こります。

ではなぜ内臓型冷え性が起こるのか、なぜ血液の巡りが悪くなるのかというと、次の3つが考えられます。

(1)体で熱を作ることができない。体内の熱の大半は筋肉によって作られます。運動量が少なくなることで、筋肉から作られる熱が少なくなり、冷え性になるのです。その他、食事の量が不足していたり、胃腸の働きが悪くなったりしても、熱が作られにくくなり、冷え性になります。

(2)自律神経の乱れ。自律神経は、交感神経と副交感神経が巧みに働く仕組みになっています。例えば、寒い⇒交感神経が働く⇒血管が収縮する、逆に、暖かい⇒副交感神経が働く⇒血管が広がる、となりますが、この温度調整の仕組みが乱れると、冷え性となるわけです。特に内臓型冷え性の背景には、この自律神経の乱れがあると考えられています。

(3)ホルモンバランスの乱れ。更年期障害などのホルモンバランスの乱れも冷え性の原因となります。

ちなみに、冷え性は女性に多いですが、男性でも女性の4分の1で起こると言われています。男性の冷え性は、仕事の重圧や精神的ストレスが関係していることが多いのが特徴です。ストレスが多いと、交感神経が高ぶった状態になり、血管が縮まって冷え性になります。

冷え性対策の第一は、“保温”です。衣類による保温に気をつけましょう。手袋、靴下による手足の保温は誰もが行っていることですが、それ以外に2つのポイントがあります。

1つ目のポイント
太腿、おなか、首なども冷やさないようにする。特に内臓型冷え性では、おなか、首の保温が大切です。ズボン下、腹巻、マフラーなどを利用しましょう。体の中で、皮膚に近いところに太い血管が走っているのは、鼠径部(腿の付け根)と首なのです。

2つ目のポイント
これは女性に多いのですが、体を締めつけすぎないこと。体を締めつけすぎる衣類は、血流を悪くして冷え性を起こすので注意が必要です。

また、冷え性の人は、熱いお風呂はやめたほうがいいでしょう。熱いと長時間入っていられず、体の表面しか温まりません。ですから、38~39度前後のややぬるいお風呂に15~20分ほど、ゆっくり入ると、体が芯から温まります。半身浴もいいですね。高齢者では、心臓への負担も少ないのでおススメです。

そして大切なのは、冷え性解消のため、入浴中に足や手の関節をストレッチすることです。足や手の関節を伸ばしたり、縮めたりするのです。同時に、股関節や肩関節もストレッチできるようなら、行ってください。ストレッチまではできなくても、入浴中に膝の裏や足を手で揉むだけでも効果が期待できます。

しっかりと冷え対策を行って、これから迎える冬本番に備えましょう。

腸内環境を整えよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。おなかの健康は体全体の健康に影響します。食べた物を正しく消化し、栄養を運び、排泄この基本的な事がおろそかになると、様々な弊害が出てくるのです。腸内環境をしっかり整えて腸内活動を正常な状態にするサプリメントがありますので、上手に利用し、下痢の改善につなげましょう。