長く下痢が続く、原因不明の下痢、突発性の下痢など、原因は様々ですが、今日は砂糖が原因で起こる下痢についてご紹介いたします。
砂糖が及ぼす下痢
食べた物は胃腸で消化・吸収されますが、その過程では様々な反応や運動が数多くあります。下痢になる、下痢が続くなどの方は少なからず何らかの胃腸の不調を感じておられます。
そうした下痢をはじめとする胃腸の不調に悩まされている方の中には、下痢と同時に逆流食道炎を患ってある方も、少なくありません。
また逆に、逆流性食道炎の治療過程で、薬の副作用による下痢、消化不良に悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食道、胃、腸は一つながりであるため、どこかの不調をどこかがカバーするものですが、その負担が重過ぎるとやがて全体が悪くなっていく負のスパイラルにはまってしまいます。
中でも、食べ物の消化の要である胃に関して、糖反射という現象があるのをご存知でしょうか?
砂糖と胃腸不調の密接に関わる糖反射とは
砂糖と胃腸の不調の密接にかかわる糖反射
糖反射とは東京大学の実験で実証されたものです。被験者に砂糖水を飲ませると、数十秒間、胃腸の働きはピタリと止まりました。 実際は、止まるではなく一時的に徐行という言葉の方が適切かもしれません。
人間の胃は通常、1分間に約3回ほどのペースで動いており、その運動を蠕動運動と呼びます。通常であれば胃はこの蠕動運動を繰り返して食べ物を胃液と混ぜたり、腸に送り込んだりしています。
しかし、砂糖が胃の中に入ると胃腸の働きがストップしてしまうのです。胃腸の働きが止まる砂糖の量は、角砂糖の1/4~1/5個くらいでも起こる為、ちょっとした甘いものを食べるだけでも糖反射が起こると考えられます。
更には、角砂糖の1/4~1/5個を超える大量の砂糖を摂取すれば、1時間以上の蠕動運動の停滞が起こります。反対に塩水を飲ませた場合は、胃腸の働きは急に活発化します。
この実験から、細胞の働きが緩慢になる生体反応を東大では、糖反射と名付けました。
砂糖を摂ると胃腸の働きが止まる理由
なぜ砂糖を摂ると胃腸の働きが止まるのか、確定的な根拠には至っておりませんが、多すぎる糖分は、細胞を取囲むと、絶縁物質となり、神経信号の伝達を阻害していると考えられています。
胃に入った糖分は、その後唾液や胃液で薄められ、濃度が5.4%以下に下がってから初めて消化吸収活動に乗せられます。その間この現象は、30~1時間以上に渡り続きます。
ですので、食事の前に甘いものを食べてしまった場合は、この糖反射が解けないうちは消化されずに胃に滞在する事になります。この実験過程から、砂糖が含まれた食べ物や飲み物は、食事の前に摂らないほうが良いといえます。
食事前に甘いものを食べているとどうなるか?
例えば、朝飯前に甘いパンを食べる癖がある方は、糖反射により胃に食べ物が長く残ることになりますから、必然的に膨満感、食欲不振、腸内で他の栄養を十分に吸収できなくなる、胃酸過多による胃炎や胃潰瘍、胃下垂などの危険性が高まります。
勿論、食前に甘いものを食べる生活を短期間送ったくらいでは、これらの危険性は少ないですが、それを1年や2年と長期間に わたって繰り返してきた場合は、胃の不調が顕著に出やすくなってきます。
もちろん、たまにであれば影響は薄いでしょう。
食事の後に甘いものは?
食事の後すぐに甘いものも勿論ダメです。食べた後に消化が始まるのに、糖分を入れて胃腸の働きを停滞させてしまったら、当然良くない事は簡単に予想がつきます。
朝・昼・晩と1日中砂糖を摂取するのは、もってのほかです。朝飯前に甘いパンを食べて、昼食後のデザートにケーキを食べて、晩飯後にアイスクリームを食べるなどしていると胃腸の動きは1日中停滞してしまい、 消化・吸収という仕事ができず、胃腸が不調を訴えてしまいます。
常に食事とセットで甘いものを摂る悪い癖を直さないと、 胃腸は徐々に弱ってしまいます。
糖反射を理解して下痢の改善に
食事前や食事後に甘いものが辞められないと、いくらお腹に優しい食事を心がけてもなかなか改善しないということもあるでしょう。また、白砂糖は身体を冷やす一因でもあります。 甘いものを断ってみた中で、劇的に胃腸が元気になり辛い症状から解放されたのならば、 甘いものが大いに影響していたという事になります。
腸内環境を強化しよう
こうした胃腸の働きは素晴らしいものです。私達は食べた物で健康になり、活力を得ることが出来ます。胃腸に悪いものを避けることで、胃腸の働きが良くなり、下痢も改善されるとしたら、こんな簡単なことはありません。
胃腸に悪いものを避けても下痢が改善されないとしたら腸内善玉菌が少なくて腸内環境が悪化しているのかもしれません。腸内環境を良くするサプリメントがありますのですので、上手に利用しましょう。