下痢が続く原因は色々ありますが、漢方では、梅雨の時期に起こるトラブルは「湿邪」(しつじゃ)のせいだといわれています。
梅雨の下痢
梅雨時の下痢の原因は主に食中毒による下痢>が多いものですが、実は食ではなくて、梅雨つまり湿気が原因で下痢が続くことがあるのす。
*ご注意:下痢が3日以上続く場合や嘔吐・発熱などの症状もともなう場合、水のような激しい下痢の場合は受診が必要です。 お医者さんに相談しましょう。
この湿邪とは、簡単に言うと「余分な水分」が引き起こす様々なトラブルで、梅雨時の下痢は、この水分が原因である場合があります。
この余分な水分である「湿邪」の原因は大きく分けて二つあります。
下痢の原因となる湿邪の原因
■ 環境や気候など、外からの影響
じめじめした湿地に住んでいたり、日本なら高温多湿の梅雨の時期がまさにそうですね。
■ 体質や飲食の不摂生など、内からの影響
もともと湿をためやすい体質だったり、冷たいもの、生もの、甘い物などの食べすぎにより起こります。
これらの原因が重なり合って、からだの重だるさや下痢、食欲不振などを引き起こしますが、北海道のような梅雨のない場所で、なおかつ飲食の不摂生などをしなければ、湿邪の影響を受けにくいということがわかります。
この時期に体調が悪くなる、あるいは下痢が続く、下痢が酷くなる、そんな場合はどうすればいいのでしょうか?
梅雨対策の養生法は、次のようなものがあります。
■下痢を改善するための 環境や気候など、外からの影響の場合の対策として
湿気は汗腺をおおい、汗を出にくくすることがあるのです。軽い運動で汗を流すのもいいですし、食材なら湿をとり、発散作用のあるしょうが、ネギ、花椒(さんしょう)などがオススメです。
香り成分のあるシソ、らっきょう、ゆず、みかんの皮なども気のめぐりをよくし、痰をとったり、食欲を増進させてくれます。
■下痢を改善するための 体質や飲食の不摂生など、内からの影響の対策として
水分代謝の悪い人は湿を溜め込みやすく、この時期に頭痛や吐き気、食欲不振や頭が重だるくなったりしていませんか?
こういうタイプにオススメなのはお米、長芋、かぼちゃ、ナツメなどの胃腸の機能を補うものや、利尿作用のある小豆、大豆、そら豆、ハトムギ、トウモロコシなどがよいです。
飲食の不摂生では、とくに冷たいもの、生もの、甘い物などが好きな人は、「寒湿」(かんしつ)といって手足の冷えや下痢、お腹の痛みなどを引き起こしやすいです。カラダを温めるしょうが、ネギ、唐辛子、シナモン、にんにく、ニラ、海老などを上手に食卓に取り入れましょう。
日本の気候は主に湿気の多い所です。特に夏は暑さと湿気で体が衰弱してしまいます。また食べ物も痛みやすくなります。
家族で同じものを食べた時、あるいはみんなとレストランで同じものを食べた時に、下痢になる人、下痢にならない人、あるいは下痢がひどい人、軽い人等様々です。
免疫力が高い人はつまり腸内環境が良好であれば、悪いものをおなかの中で上手に処理をしてくれますが、おなかの弱い人は処理が上手くできなくて、下痢となってしまいます。ひどい時にはいのちの危険にさらされることもあります。
この梅雨時期に自分はおなかが弱い、今下痢が続くなどの症状があれば、おなかのメンテナンスをしっかりしてください。腸内環境を整えるのに必要なサプリメントなどを上手に利用すると、下痢の改善が速くなります。
腸内環境を整える食事
腸内環境を整えるには出来るだけ手作りの、添加物のない発酵食品を選びましょう。もしできるのであれば、自分でぬか漬けを作ったりするのもいいですね。
動物性発酵食品や植物性発酵食品(漬物など)には添加物がたくさん入っているものもありますので、食品の裏に記載されている成分をしっかり見ましょう。
出来るだけ添加物の少ない食品を心掛けて食べましょう。
また、レトルト食品やコンビニ食品、ファーストフードなど、添加物がたくさん含まれている様な食べ物は有害な物質が多く、当然腸内の環境を悪くしてしまいます。消化力、免疫力も低下します。
腸内が弱くなると正常な働きが行なわれにくくなり、水分調整も正常に出来ず、水分の多い、つまり下痢状態の便となってしまうのです。
まずは腸内環境を良くして腸内を正常な状態に戻すことが下痢改善のためには一番の近道です。