下痢が続く原因は様々ありますが、他の病気の原因にもなる一番やっかいな症状は冷えです。そして冷えからくる下痢でお悩みの方で、腰痛という悩みも併せて抱えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?
下痢と冷えと腰痛
実は下痢、特に過敏性腸症候群の方は腰痛を併発される方が多いのです。下痢で何度もトイレへ行っているとお腹に力が入らなくなり、脱力感を感じてしまいますね。
これを繰り返しているとお腹を支える筋力が弱くなってしまうのです。そのため、負担が腰へと集中し、腰痛を発症してしまいます。
そのうち、腹筋が弱いから腸が弱くなる、また腹筋が弱くて身体を支えきれないから腰も痛めるという、いわば悪循環に陥ってしまうことも……
また、この下痢と腹痛を悪化させるのが冷えです。腰は冷えると血流が悪くなり、お腹を支える筋肉をさらに衰えさせてしまいます。
下痢が先か、腰痛が先かは人によって様々ありますが、常日頃から内臓が冷え切っている方は特に注意が必要です。
こうした症状を改善するには、やはり単純ですが体を温めることが肝心です。最近の若い方を中心として、入浴をシャワーで済ませる方が増えていますが、しっかりと湯船につかり、体を芯から温めましょう。
おすすめは半身浴です。38℃から40℃くらいのぬるめのお湯にみぞおちまでつかります。20分を過ぎた頃から汗がで始めますので、最低でも20分は入浴してみましょう。汗をかきますので、半身浴前と後はコップ一杯のお水を忘れずに。
長く続く下痢にも冷えは悪化の原因ですから、温めることをおすすめします。また消化に良いので下痢の方に比較的よくすすめられている豆腐、納豆などの大豆製品は体を中から冷やしますので食べすぎに注意しましょう。
特に豆腐は「にがり」に便通を促進させる働きがあります。生野菜も冷たいものは体を冷やしますので、温野菜にするなど調理法に気をつけながら食べると良いですね。
下痢が続くときは腸内の消化機能も非常に弱っています。消化のいいものや水溶性の食物せんいをしっかり摂りましょう。水溶性食物せんいを多く含む食品は、ヌルヌル、ネバネバしているのが特徴です。
ワカメなどに含まれているアルギン酸、ラミナリン、こんにゃく、山芋、里芋に含まれているマンナン、果実類のリンゴやオレンジイチゴなどをジャムにする時固める成分であるペクチン等が代表的なものです。
その他、果物、抹茶粉末、ピュアココア、納豆などがあります。納豆は不溶性食物繊維もたっぷり含んでいますので食べ過ぎには注意しましょう。
消化を助け善玉菌を増やすサプリメントもあります。腸内に有効に働き下痢改善の近道になりますので上手に利用したいものです。
豆知識!腸内環境を整えよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。
腸内では食べた物を消化吸収する働きがあります。また腸内では免疫力の活性、消化吸収、ホルモンや酵素の産出、体温調整、毒素排出など様々な基礎的な代謝が行われています。
それに加え、腸の状態は脳に影響を与えます。
過敏性腸症候群と診断される方のほとんどは、緊張する場面で、急にお腹が痛くなったり、下痢を模様したり、お腹にガスが貯まる等の症状が続いたりします。
これらの方は腸内細菌のバランスが乱れている事が多い事でも知られています。
また、腸内細菌の状態は、うつ病にも関係する可能性があると言われています。
元気な腸が糖尿病、認知症を防ぐ
また、腸内環境は下痢が続く原因に起因するだけでなく、糖尿病や認知症とも深い関係があります。【(良くわかる生化学)生田哲著より】
腸内環境を整え健康を保つことは、免疫細胞を活発にすることにもつながり、その結、果糖尿病、認知症などをはじめとした脳に関係する症状の予防や改善につながると言われています。
続く下痢を改善するだけでなく、これらの病気を治療するには、病院での治療や他の手段も必要ですが、腸の状態も併せて改善していく事が非常に大事な事なのです。
まさに腸は【第一の脳】と言えます。【(寝たきりにならない腸づくり)阿部一理著 参照】
腸内環境を良好にすれば、下痢をはじめ様々な問題は解決されやすくなります。まずは少しずつ食生活を改善すると同時に、腸内環境を良好にするサプリメント等を上手に利用して腸内環境の改善に取り組んでいきましょう。