下痢の原因としての白砂糖

慢性的な下痢の方の多くは、病院で検査してもどこも異常がなく、原因不明とされるのがほとんどです。ですから、処方される薬は気休め程度でしかなく、回復の兆しが見いだせないまま、大変な思いをして日常生活を送っている方も多くいらっしゃいます。

実は下痢の原因は非常に多く、それぞれの体質や免疫力、食習慣などによって異なります。  例えば、食習慣が下痢の原因となる場合、私たちが毎日利用している調味料が下痢の原因となる可能性もあるのです。

砂糖の恐怖

みなさん、甘いものは好きですか? 疲れた時や口が寂しいとき、ついつい手が伸びてしまう、という方も多いのではないでしょうか。これがまず、砂糖の怖さです。砂糖には麻薬並みの中毒性があると言われています。しかも、これが下痢の原因になるとしたら、こんなに怖いことはないと思いませんか?

また、下痢の原因だけではなく、最近世代を問わず増えている原因不明の疲れ・だるさ・貧血・便秘・肩凝りの隠れた原因の一つに「砂糖の摂取」が考えられます。

 

精製された白い食べ物に要注意

砂糖に限らず、白い食べ物というのは精製されたものである場合が多いです。白米や薄力粉などがその代表です。 精製されると、皮や胚芽などに含まれる大事なビタミン、ミネラルも一緒に削ぎ落とされてしまいます。

砂糖は別名「空のカロリー食品」とも言われています。 カロリーはあるため、空腹感は和らぎますが、その実、栄養はほとんどありませんから、砂糖をとればとるほど、体は栄養失調になっていきます。 食生活の乱れが著しい現代では、三食に加えて菓子パンなどの間食をする人が大人も子供も多くなっています。家庭によっては朝食を菓子パンだけで済ませるところもあるようです。 チョコレートやアイスクリーム、菓子パンには大量の砂糖が使用されています。

このような食べ物に慣れている人は、野菜や豆類を好まない傾向にあり、栄養の偏りがそうでない人と比べるとより一層大きくなっていきます。

特に繊維質は便の元であるといっても過言ではありません。食物繊維が不足すると、排便が不規則になったり、形を作ることが出来ずに下痢になったり、逆に量が少なすぎると便秘になったりします。

 

現代人は白砂糖を摂り過ぎている

白砂糖を過剰に摂取しているとどうなるのでしょう。実は砂糖を分解する過程で、消化吸収に必要なビタミン・ミネラルがどんどん使われていきます。これらの栄養素が足りていればいいのですが、不足している場合、体内の他で必要な栄養素までも消耗していきます。

例としてこんな話があります。砂糖は血液を酸性に傾けるという性質があるのですが、 血液が酸性に傾くと、体はそれを元に戻そうとしてカルシウムを消費します。もし血液中に十分なカルシウムがなければ、体は骨や歯を溶かしてまでカルシウムを利用しようとします

 

砂糖の摂り過ぎで崩れる腸内環境

砂糖の過剰摂取は腸内でガスが発生しやすくなり、おなかに「張った感じ」や「膨満感」を引き起こすことがあります。また腸内で有害物質と必要物質を選り分けているパイエル板という層がうまく機能しなくなっていきます。

そうなるとどういうことが起こるでしょう? 体内に入ってほしくないアレルギー物質や有害な物質が体内に入り込み、免疫が脅かされます。さらに砂糖の過剰摂取により体が必要な栄養素を失っていると、細胞は些細な衝撃でも壊れてしまうくらい脆くなっていきます。

ここで細胞が壊れると「ヒスタミン」と呼ばれる物質ができます。 これは腫れやかゆみを引き起こす物質で、腸内はさらに炎症を起こしやすい状態になります。腸内で炎症が起きれば、さらに腸内環境は悪化し、結果として下痢になるのです。

 

そうは言ってもなかなか甘い物をやめられない、という中毒の方。まずは週に1日だけ、甘い物を摂らない日を作ってみてはいかがでしょう? 一日我慢することができたら、次は徐々に摂取する砂糖の量を減らしていくように努めましょう。

はじめは慣れるまで大変かもしれませんが、一ヶ月をすぎると体が軽くなったと実感される方も多いようです。 それと同時にお腹の調子や便の色、匂いなども変わってきます。

砂糖が原因で下痢を患っていらっしゃる方であれば、その効果はてき面です。

下痢改善の近道は腸内環境を整えること

私たちは食べた物で健康を維持し様々な活動できています。毎日様々な食材を口にするわけですから、体に摂って良いものはしっかり吸収し、毒となるものはしっかり排出することがとても重要となります。

腸内が正常であれば、こうしたことは問題なく行われ、元気な毎日を過ごすことが出来ます。多少体に害があるものを食べてしまったとしても、腸内でしっかり見極め、有害物質を体内に入れることはありません。

ですから、慢性的な下痢で悩まされている方はまず、腸内環境をしっかり整えることが、下痢改善への近道です。そのためには、腸内善玉菌を増やす必要があります。

腸内善玉菌を増やすには、善玉菌のエサとなる食物せんいやオリゴ糖をしっかりとり、良質な善玉菌をおなかに届ける必要があります。納豆菌は善玉菌ではありませんが、過酷な環境であっても生き延びられる、素晴らしい生命力を持っています。悪玉菌を排除し、腸内を善玉菌が住みやすい環境へと作り変え、善玉菌を増やしてくれる納豆菌は、積極的に摂り入れたい腸内細菌のひとつです。最近では様々な種類の乳酸菌、納豆菌が、食品やサプリメントの形で販売されています。

まずはとにかく、手に取って始めてみましょう。千里の道も一歩からです。一日も早く腸内環境改善の一歩を踏み出しましょう!