春がだんだんと近づいてきましたが、まだまだ寒い日が続いています。こうした寒さは代謝が低下します。すると免疫細胞の働きも悪くなり、風邪などひきやすくなります。
また、冬は副交感神経の働きが低下して、腸の蠕動運動も低調になったり、気が付かないうちに体内の水分が失われたりして、便秘や脳梗塞にもなりがちです。
なぜ、脳梗塞は冬に起こりやすい
冬は水分の摂取量が少なく脱水傾向になるので、血液の粘度が増し、血栓が出来やすくなります。更に気温が低くなると血管が収縮して、出来た血栓が詰まりやすくなるのです。
血栓によって脳の血管が詰まってしまうと、脳の細胞が壊死し、脳梗塞が起こります。脳梗塞は、四肢の麻痺や言語障害、嚥下障害などの後遺症が残るだけでなく、死に至る可能性も高い病気です。
脳梗塞を含む脳卒中の発症は冬が多く、平成24年の脳卒中による死亡者数は、12万人(死亡原因の4位)にも及びます。
冬の脳梗塞は納豆と水分補給で予防
脳梗塞予防に効果的な食材といえば、納豆です。納豆は安価で身近な食材ですが、タンパク質や食物せんい、ビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれていて、健康に良い食材です。
この納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」が、脳梗塞予防に効果的なのです。
なぜならこのナットウキナーゼは、血栓溶解作用が非常に高く、血液をサラサラにする効果があるからです。
脳梗塞は、深夜から早朝の時間帯に発症しやすいため、夕食時に納豆を食べると、予防効果はさらに高まります。ナットウキナーゼの推奨摂取量は1日2000FUと言われていますので、納豆1パック(50g前後)を毎日食べれば補えるようです。
しかし、納豆を食べるだけでなく、日常生活でも気をつける必要があります。それは水分補給です。「冬脱水」という言葉もあるほど、冬は脱水症状になりやすいのです。
特に老齢の方はのどの渇きをあまり感じませんので、こまめに水分補給をするように心がけましょう。飲料だけでは飽きてしまうという場合には、ゼリーや果物で摂取する方法もあります。
脳梗塞には血圧も関係する
血圧が急激に上昇すると、脳梗塞だけでなく、脳出血や心筋梗塞のリスクを高めます。血圧は、気温差が大きいと変動しやすくなりますので、暖かい室内から屋外へ出るときは、しっかり防寒対策をすることが重要です。
脱衣所やトイレは暖房がなく、寒さのため血圧が急上昇しやすいことがわかっていますので、脱衣所やトイレの室温にも注意しましょう。
更に寒くなると、熱が逃げないよう、すぐに交感神経が働き始めて血管を締めます。細くなった血管は様々なリスクを齎しますので、寒さ対策には充分注意しましょう。
納豆を毎日食べるのが難しい方、臭いが気になる方は納豆菌のサプリメントがりますので、必要な方は利用してください。