下痢の原因はカビ毒に?

下痢の原因はカビが発生する毒素
炬燵を囲んでみかんを食べる季節になりました。そのみかんも日にちがたつとカビが生えてくるのを経験された方は多いことと思います。

カビの胞子は微細で肉眼では認識できませんが、私達が生活するいたるところに存在しています。

こうしたカビの一部には毒素(カビ毒)を作るものがあります。カビ毒の多くは喫食後直ちに嘔吐や下痢を起こすような急性の中毒は少なく、長期間連続して摂取すると下痢をはじめ大きな障害を起こします。ではどんなカビ毒があるのでしょうか。


目次
・下痢の原因になるカビ毒とは  ・カビ毒の中でも最も危険な3種  ・下痢になる防カビ剤に注意  ・腸内環境を強くしよう 

下痢の原因となるカビ毒とは

カビは何万種類もいます。そしてカビが作るカビ毒は約300種類くらいあります。ただし、すべてのカビ毒が危害を及ぼす可能性が高いわけではありません。

例えば、お正月のお供え餅はよくカビが生えます。正月の餅だからということでカビの部分を削って食べている、あるいは食べていたという方も多いのではないでしょうか。

しかし、長期間カビの生えた餅を食べ続けると、健康被害を及ぼし、肝障害、腎障害、消化器系障害による下痢などを起こしかねません。決して安全とは言えないのです。

カビ自体は加熱により死滅しますが、カビ毒は熱に強く、食品が汚染されてしまうと、通常の加工・調理では完全に除くことができないものもあります。

また、カビ毒に汚染された農産物や食品を食べることで直接摂取する場合のほか、カビ毒に汚染された飼料を食べた家畜を経由して摂取する場合もあります。
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カビ毒の中でも危険な3種類

カビ毒の中で特に食品を汚染する頻度が高く、その中でも危険性が高い3つを日本では規制の対象となっています。日本で規制されているカビ毒(食品中)は以下の通りです。
①総アフラトキシン
②パツリン
③デオキシニバレノール
この3つが日本で規制されています。

①最も危険な総アフラトキシン
アフラトキシンは天然物質の中で最も発ガン性が強いことと、世界的に農産物への汚染が広く発生していることから最も注意が必要なカビ毒です。

大量にアフラトキシンを摂取すると急性毒性を起こしますが、カビが生えているものを大量に摂取することはほとんど無いと思います。

●2004年にアフリカのケニアで振るい、多くの人を死に至らしめた脅威的なカビ毒であり、カビが生えたトウモロコシを食べて125名が肝障害により死亡しました。

●2008年、米が食用として転売された事件で、カビ毒が大きな問題となりました。また同年(独)国民生活センターが調査した輸入の高カカオチョコレートから極微量のアフラトキシンが検出されました。

●2011年宮崎大学農学部が生産した食用米からアフラトキシンが検出され、関係者を驚かせました。

汚染されやすい食べ物は、ピーナッツ・落花生・アーモンド・ヘーゼルナッツ・ピスタチオなどのナッツ類の他、穀物類、乾燥果実等を汚染します。

一度食品に付着してしまうと完全に取り除くのは不可能だと言われており、アフラトキシンは熱に強く、熱処理しても効果はあまりありません。

怖いのが少量摂取しただけでもこれらの病気を発症してしまうため、まさに猛毒だと言えます。
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②胞子が常に飛んでいるパツリン
パツリンは青カビが作る毒性のある化学物質です。カビ毒とは、カビがつくり出す化学物質の中で、人や家畜の健康に悪影響を及ぼすものの総称です。

反対に、人や家畜に有益なものは、抗生物質や酵素製剤などの医薬品として利用され、ペニシリンや消化酵素などが有名です。

パツリンも、発見された当初は人の役に立つ抗生物質として注目されていました。しかし、人に対する毒性が強いことが明らかとなったため、抗生物質としての利用は断念されました。

パツリンは傷んだ果実に付着して増え、収穫や選果、運搬時に傷ついた部分などからカビが侵入・増殖し、そのうちの一部がカビ毒であるパツリンをつくり出し、果実を汚染します。

例えば、台風などで落果したリンゴは、加工用の原材料として使用されることがありますが、土に触れた果実はパツリンに汚染される可能性が高くなります。

パツリンは熱に強いため、加熱して作るジャムなどの加工品でも分解されることは期待できません。

ですから2019年での台風19号で長野県のリンゴ畑が被害に遭い、泥流に汚染されたリンゴはすべて廃棄処分されています。

現在では、リンゴ果汁を汚染するカビ毒として、国内だけでなく国際的にも規制の対象となっており、欧米では、特に子供の健康保護の観点から重要視されています。

これは、子供が、大人と比較して体重に対するリンゴ果汁の摂取量が多いということが背景にあります。

パツリンをつくる主なカビは、胞子が空気中を常に飛んでいるような一般的なカビです。

パツリンの毒性を動物で実験したところ、短期毒性として消化管の充血、出血、潰瘍などの症状が、長期毒性として体重増加抑制などの症状が認められています。消化管の充血により下痢が発生しやすくなります。
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③デオキシニバレノール
デオキシニバレノールとは、主にフザリウム属(青カビ)の一部のカビが生産するカビ毒で、とうもろこしや麦類のデオキシニバレノール汚染は世界的に問題となっています。

人や家畜に対する中毒症状としては、食欲減退、嘔吐、胃腸炎、下痢など消化器系への症状や、免疫機能の抑制等が知られており、発がん性を有するとの報告もあります。
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下痢にもなる防カビ剤に注意

日本では出荷された作物に防カビ剤が含まれているので、カビ毒になる確率は低いのですが、しかし、防カビ剤に含まれる添加物により人体に何らかの影響が及ぼす可能性もあり、下痢にもガンにもなりやすいリスクを持っています。

特に、中国産のピーナッツは防カビ剤を塗りだくっているようですから出来るだけ避けましょう。
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腸内善玉菌多い腸内環境にしよう!

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。私達が口にする食べ物はすべて身体に良いものではありません。

加工食品の添加物や間違って有害なものを食べたる時もあります。身体はそうした有害なものを排除できる仕組みを備えています。

ですから健康でいられるのです。しかし、腸内が健康でなければ正常な働きをすることが出来ません。

腸内環境が悪く、お腹が弱いと、少しの刺激でも下痢になるなど、辛い症状に悩まされます。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう