注意しよう夏の下痢

下痢の原因・暑い季節には要注意! 食中毒のことを知ろう!

下痢の原因は広範囲にわたります。下痢の原因がつかめない場合もあり、そのため、慢性的な下痢で悩む人も多くいます。しかし。急な下痢は別です。

夏の突然の下痢は食中毒が原因であることが多いようです。ふだんであれば、大丈夫な食品であっても、夏場は暑さで体が弱っており、通常では当たらないような食べ物に当たって下痢になってしまうこともあります。

食中毒とは、細菌などに汚染された食べ物や、有毒物質を含んだ食べ物を食べたあと、腹痛や下痢、嘔吐といった急性胃腸炎の症状があらわれる病気のことをいいます。

夏の下痢の原因として一番に考えられる食中毒ですが、その原因の9割以上を占めるのが「細菌」で、目に見えず、匂いもしないので、その危険に気づくことが出来ないのが問題です。

他には毒キノコやフグに代表される「自然毒」や、メタノールなどの「化学物質」、生ガキなどについた「ウイルス」などがあげられます。

食中毒の原因と症状、予防法  食中毒を防ぐために 腸内環境を強化して食中毒を予防しよう


・食中毒の原因と症状 ・食中毒を防ぐために ・腸内環境を整えよう

食中毒の原因と症状、予防法

① O157などの腸管出血性大腸菌
汚染された食品や水から感染します。特に生レバー・生野菜・井戸水には注意しましょう。

3~5日の潜伏期間の後、下腹部痛・水っぽい下痢から始まり、真っ赤な血便・吐き気・嘔吐・発熱が起こります。重症化すると容血性尿毒症症候群や脳症をおこすこともあるので注意が必要です。

肉類は十分な加熱をおこない、生野菜は良く洗い、調理器具は分けて使用しましょう。使用した調理器具はよく洗浄し、熱湯をかけて消毒すると良いです。焼肉時は肉を焼く箸と食べる箸を分け、生レバーなどの生食はできるだけ控えましょう。

②腸炎ビブリオ 海産の魚介類(海水温のあがる夏に大量に繁殖)
食後5~20時間の潜伏期間を経た後、激しい腹痛・下痢・発熱・嘔吐など急性胃腸炎の症状がおこります。2~3日で症状は治まるが、悪化すると1日10回以上の水下痢が出ることもありますので、脱水に注意しましょう。

真水・酸・熱に弱いので、購入したらすぐに冷蔵庫へ入れること、刺身にするときは真水でよく洗い、下味に酢や梅干を使用するとよいでしょう。調理の際は十分過熱し、調理器具は真水でよく洗うこと。

③サルモネラ
卵の殻に付着・卵料理からの感染があります。食後6~72時間の潜伏期間を経た後、40度近くの急な発熱・吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの激しい胃腸炎の症状をおこします。4~5日で回復するものの、まれに重症化することも。
十分な加熱を行い、ひび割れた卵の使用はさけます。卵を触ったら十分手を洗う習慣をつけましょう。

④カンピロバクター
鶏肉や牛レバーの加熱不足が主な原因です。2~5日の潜伏期間を経て、発熱・倦怠感・頭痛・めまいなどからはじまり、吐き気・腹痛をおこします。症状は約1週間続きます。

高齢者や乳幼児などが感染すると重症化することもありますので注意が必要です。
熱や乾燥に弱いので、調理器具は洗浄した後、熱湯消毒をし、よく乾燥させましょう。食肉は十分過熱することが大切です。

⑤セレウス菌
河川や土の中など自然界に広く分布している細菌で、土がつきやすい穀類や豆類、香辛料などが主な感染源となり、チャーハンやスパゲティ、スープなどが原因です。

おう吐型は食後1~5時間後、下痢型は食後8~16時間後に症状が現われます。 熱に強く、加熱による殺菌が難しいのが特徴です。ただし、少量では発症しないため、菌を増やさないことが予防のポイントになります。

⑥ノロウイルス
感染者の嘔吐物や糞便からの接触感染・飛沫感染、カキなどの2枚貝からの感染もみられます。1~2日の潜伏期間を経た後、吐き気・嘔吐・下痢・発熱や風邪様症状が現れ、おおよそ1~3日で治まります。
カキなどの食材を扱った後は石鹸で十分手洗いし、食材も十分加熱するようにしましょう。

⑦黄色ブドウ球菌
傷やおでき・にきびなどに付着し、傷口などから感染。食後30分~6時間後、激しい嘔吐や腹痛・下痢・発熱などが起こり、1~3日で回復します。

熱に強く加熱しても無毒化しないので、繁殖を抑え、感染を避けることが大切です。傷口のある手指での調理は避け、手袋をつけるようにしましょう。料理後はなるべく早く食すようにします。

⑧その他(ウェルシュ菌・自然毒など)
大量に調理され、保存されたカレーやシチューなどに潜むウェルシュ菌や、キノコ・山菜・フグなどに潜む自然毒があります。 ウェルシュ菌は、食後6~8時間後に下痢・腹痛・吐き気などがおこるが1~2日で回復します。

自然毒は死に至る事もありますので、細心の注意が必要です。

加熱した食品は室温で放置せず、速やかに冷却し、食べるときは再加熱するようにしましょう。自然毒に関しては、見知らぬキノコや山菜を安易に食べないことが大切です。最近ではニラと間違えて庭に生えていたスイセンを食べて中毒に陥るなど、家庭菜園での事故も多くなっています。
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食中毒を防ぐために

1 菌を付けない・・・手洗いのポイント
見た目はきれいでも、手指には多くの菌がついています。指の間まで丁寧に洗いましょう。
手洗いのあと、除菌スプレーなどを使用すると、さらに良いでしょう。

2 菌を増やさない・・・冷蔵庫に保存するときのポイント
冷蔵庫や冷凍庫は保存に便利ですが、過信は禁物です。早めに食べきるようにし、食品の長期保存は避けましょう。また、肉や魚を保存する際は、密閉し、他の食材と触れないようにしましょう。

3 菌を殺す調理方法を・・・調理のポイント
食材はできるだけしっかり加熱しましょう。
食品の中心部が85度以上、1分以上の加熱が目安。厚い肉や魚の姿焼き等は切れ目をいれ、中まで火を通しましょう。

4 調理器具は安全に使用する
包丁やまな板は肉魚用・野菜用に使い分ける。生ものを扱ったときは、洗剤でよく洗い、その後熱いお湯をかけた熱湯消毒を行います。
肉魚を調理するときは、専用のお箸を使用し、食べる時のお箸とは別にします。

★三角コーナーの生ゴミは、すぐに始末する。

どれも基本的なことで、よく目にすることですが、実践できていない人がほとんどではないでしょうか?
下痢が一週間以上続く場合には、何かより深刻な健康上の問題があるかもしれません。医師の診察を受けるようにしましょう。
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腸内環境を整えて食中毒を予防しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。都市の下水道システムが壊れたら深刻な衛生問題が発生し、病気が蔓延します。人の腸も同様なのです。

腸内細菌達が活躍できる良い腸内環境は病気を予防し、下痢は速やかに改善されます。腸内善玉菌を増やし、食中毒になりにくい強い腸内環境を手に入れましょう。おなかの弱い方は腸内環境を整えるのに必要なサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。