下痢の原因は細菌とウイルスによる食中毒
下痢の原因は非常に多く、精神的なものから生活習慣、あるいは薬、細菌やウイルスなど、原因は様々です。
ジメジメしたむし暑い季節は、細菌が増え、サルモネラ、カンピロバクター、ブドウ球菌などを細菌性の病原菌とする食中毒を起こしやすい時期です。
冬になるとノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルスななどのウイルスが原因で起こります。
下記の食中毒の原因物質は厚生労働省(平成18年~平成22年平均数値)の統計から出したものですが、細菌性の食中毒は約6割を占め、その他にはウイルス、化学物質、自然毒が原因となります。
それでは、細菌とウイルスとの違いとはどういったところなのでしょうか?
下痢の原因となるウィルスの違い
下痢の原因となる細菌とウイルスの違いをご説明します!
●細菌性食中毒
「細菌」は一つの細胞を持った単細胞微生物です。小さくて肉眼では見ることはできません。糖などの栄養と水があり、適切な環境のもとでは、生きた細胞がなくても自分自身で増殖できます。
「菌」の仲間として、きのこやカビなどを考えるとわかりやすいです。
細菌性による下痢の中で代表的なものが大腸菌O-157(腸管出血性大腸菌)です。非常に恐ろしい毒力の強いベロ毒素を産生し、抵抗力の弱い乳幼児や小児、高齢者が感染すると、腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性のある溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発するなど重症となる場合もあります。
細菌性の下痢は、食物とともに摂取された病原性の細菌が腸管内で増殖し、腸管上皮細胞などに菌が侵入したり、腸管内で菌がつくった毒素によって起こる場合と、食物についた病原性の細菌が一定数以上に増えた状態で摂取して起こる場合に起こります。
飲食後3時間~24時間で発症し、下痢や腹痛、時には発熱や血便が出る場合もあります。
●ウイルス性食中毒
ウイルスは、インフルエンザやエイズに代表されるような様々な感染症を引き起こす存在であり、コレラ菌とかペスト菌とかと同じような微生物の一種と思われがちですが、ウイルスは細胞よりさらに小さなもので、細胞を持ちません。 そのため、細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。 それ独自では増殖できず、他の生物の細胞に入り込んで増えます。薬の代表である「抗生物質」は、細胞のしくみを利用して効くものなのでウイルスには効きません。 ウイルスは抗生物質は効力はありませんので、一部インフルエンザウイルスなどに有効な抗ウイルス剤(ウイルスの増殖を抑制する薬)があります。 ですので、感染症に対する基本的予防策は、まず清潔を保つことのほか、免疫力を低下させないことが大切です。そのため、栄養バランスの良い食事、基礎体力をつけること、規則正しい生活を過ごすことが基本となります。
幼児の胃腸炎で多いのは?
幼児の胃腸炎で多いのはウイルス性
「まず、胃腸炎には細菌性とウイルス性の2種類が大半を占めます。サルモネラやO-157などが原因の細菌性は、細菌が繁殖しやすい夏場に多いのが特徴。一方、ウイルス性はノロやロタなどのウイルスが原因。空気が乾燥する冬に流行します」(荒木先生 以下同)
夏には細菌性、冬にはウイルス性と、感染性胃腸炎は季節によって発症しやすさが違います。また、発症年齢については細菌性胃腸炎は成人に多く、ウイルス性胃腸炎は乳幼児に多いようです。
下痢や嘔吐、腹痛、発熱といった胃腸炎ならではの症状は、細菌性もウイルス性もほぼ同じです。
●感染しても発症しない人がいるのはなぜ?
ウイルスや細菌が体内に入ったからといって、すべての人が等しく発症するわけではありません。例えば、保育園や幼稚園で集団感染しやすいロタウイルスは、一度かかると免疫力がつくので、二度目にはかかりにくくなります。
抗体を持っている場合や免疫力が高い人は、発症しても軽い症状で済み、そのまま治ってしまう場合もあります。免疫能が正常に働いた場合には感染しても発症に至らないのです。
ただし、症状は軽く済んでも、ウイルスを持っている“保菌状態”であることに変わりはない。そのため、無自覚のうちに他者へウイルスを感染させてしまう危険性もある。た、幼児の感染は重篤になる可能性が高いので、普段から次のことを心がけましょう。
腸内環境を強化しよう
よく風邪をひいて下痢をする人は自分の生活が赤信号だと思って下さい。あなたの腸は下痢を通じて、あなたに警告のメッセージを送っているのです。
安定した良い腸内環境を作るには、食べ物に大きく影響されます。おなかの弱い方、下痢が続く方は、バランスの良い食生活や腸内環境を整えるサプリメントを上手に利用しましょう。下痢改善の近道となります。