下痢が続く原因の一つに風邪によるものも考えられます。
風邪をひくと、その症状はのどが痛くなったり、咳や鼻水が出たりするのが一般的です。これはウイルスがのどや鼻の粘膜について炎症を起こすからです。
ところが風邪といっても原因も症状も様々で、正確に言うと“風邪症候群”といいます。この“風邪症候群”のウイルスはたくさんあり、インフルエンザ・ウィルスはその一つです。
下痢の原因菌その①
例えばアデノウィルスは、風邪の症状の他に、目に感染して流行性角膜炎を起こしたり、赤ちゃんの下痢になったりします。
またインフルエンザは呼吸器全般の他に、全身の倦怠感、関節の痛み、時には下痢、腹痛などが見られることがあります。
また風邪で抗生物質を服用すると、風邪のウイルス退治と共に、腸内細菌も退治されてしまいます。
あまり耳にしたことがないかもしれないアストロウイルスというものもあります。
実はこのアストロウイルスの感染経路はノロウイルスやロタウイルスと一緒で、カキやアオヤギなどの二枚貝や飲料水からの感染が原因と考えられています。また人から人への感染も一緒で、下痢便や嘔吐物から感染します。
潜伏期間は1~4日位と言われており、乳幼児は急性胃腸炎を起こし、嘔吐や下痢が続くなどの症状が現れますが、ノロウイルスやロタウイルスに比べると、軽症であることが多く、発熱は少ないと言われています。
腸内細菌の特に善玉菌が減少すると、悪玉菌が優勢になり、腸内環境が悪化して、下痢を起こします。この場合の下痢は抗生物質を止めれば、自然と治っていきます。
ウイルスや細菌性の下痢の時、自己判断で下痢止めを飲むのは大変危険ですので、頻繁に風邪による下痢を繰り返す方も、念のため病院の診察は受けるようにしましょう。
嘔吐や下痢はウイルスが胃や腸で炎症を起こさせているために発生してしまうのですが、体の外にウイルスを出すために必要なことでもあるからです。
また、ウイルス性の場合、周りに感染しないよう注意しなければなりません。嘔吐物や便からの感染が考えられますので、それらの処理には気をつけましょう。
嘔吐物や便が乾燥するとウイルスが空気中を飛び、空気感染する可能性が高まります。
ロタウイルスは便が白っぽくなるのでわかりやすく警戒もしやすいのですが、他のウイルスの場合特に色が変化しない場合もあります。小さいお子様で、特に風邪の症状がない場合でも、下痢便の場合にはおむつの処理などに注意してください。
下痢の原因菌その②
【ウイルスと細菌の違いは?】
「細菌」は細胞を持った微生物です。細胞分裂によって増えます。「菌」の仲間として、きのこやカビなどを考えるとわかりやすいでしょう。「大腸菌O-157」は細菌で、非常に恐ろしい毒素を発生します。
「ウイルス」は細胞よりさらに小さなもので、細胞を持ちません。そのため、それ独自では増殖できず、他の生物の細胞に入り込んで増えます。お薬の代表である「抗生物質」は、細胞のしくみを利用して効くものなのでウイルスには効きません。
下痢を改善する腸内環境
バランスのとれた食事や充分な休養などで腸内環境が良くなると、免疫力も上がり、腸の粘膜が回復してくると下痢も自然と治っていきます。
よく風邪をひいて下痢をする人は自分の生活が赤信号だと思って下さい。あなたの腸は下痢を通じて、あなたに警告のメッセージを送っているのです。
腸内善玉菌が善玉菌が多い腸内環境にしよう!
安定した良い腸内環境を作るには、食生活にも注意しましょう。
腸内環境は食べ物に大きく影響されます。おなかの弱い方、下痢が続く方は、何をどの様に食べるかが重要になってきます。
まずは、冷たいものを飲むのを避けましょう。
レトルト食品やコンビニ食品、ファーストフード、カップメンなど、添加物がたくさん含まれている様な便利な食べ物は有害な物質が多く、当然腸内の環境を悪くしてしまいます。消化力、免疫力も低下します。
腸内が弱くなると正常な働きが行なわれにくくなり、水分調整も正常に出来ず、水分の多い、つまり下痢状態の便となってしまうのです。
まずは冷凍食品や添加物、加工食品を避け、食生活を見治すと同時に、腸内環境を良くして腸内を正常な状態に戻すことが下痢改善のためには一番の近道です。
食生活を見直すとは?
旬の野菜を使った手作りの食事、が基本の食事メニューです。また乳酸菌や納豆菌に代表されるような善玉菌を加えると最高です。
日本人は昔から漬物、味噌や醤油といった発酵食品で、植物由来の乳酸菌を体に摂りいれていました。
現代では、腸内環境を整えるサプリメントなどを上手に利用すると強いおなか作りに役立ちます。