下痢の原因は多々ありますが、今、日本人の小腸が危ないとされています。今や日本人の14%、1700万人以上がおなかの悩みを抱えると言われています。
最近は「腸内環境を意識して毎日ヨーグルトや納豆などを食べたりしているのに「お腹の調子が一向に良くならない」と言う人が増えています。
下痢の原因は小腸で細菌が増える
長年悩まされているおなかの張り、下痢や便秘、腹痛などの不調の原因は、最新の腸の医学で、本来、細菌が少ないはずの小腸で細菌が爆発的に増えてしまう小腸細菌増殖症(SIBO、シーボ)かもしれないと指摘されています。どうしてそうなるのかご一緒に考えてみましょう。
小腸細菌増殖症(SIBO、シーボ)とは
SIBOは小腸内で細菌が爆発的に増え、下過剰なガスが発生する病気です。主に発生するのは水素とメタンガスです。水素は発酵によって発生し、おなかの張りや下痢を招きます。メタンガスは異常増殖の単細胞生物が「古細胞(アーキア)、どこにでもいる細胞」が水素を食べた副産物として発生します。メタボの人に多く便秘の原因となります。
小腸細菌増殖症(SIBO)の原因は
SIBOを引き起こす要因の一つは小腸の運動力の低下です。 小腸のぜん動運動は小腸の壁に微生物がとりつくのを防いでいますが、運動量が低下すると食べ物の残りかすが排泄されずに、小腸に留まってしまいます。その残りかすを養分にして、腸内細菌が繁殖するのです。
小腸細菌増殖症(SIBO)になりやすい人は
①糖尿病やパーキンソン病の人
この病気の人は小腸や大腸の動きが悪く、SIBOになりやすいので注意しましょう。
②胆のう切除や虫垂炎の手術をした人
これらの手術をした人もリスクが高いので要注意です。
③大きなストレス
非常に大きなストレスが加わると小腸の動きを悪くします。精神的なものは即効胃腸に響きます。
④間食をする人
ぜん動運動中に間食などで食べ物が入るとぜん動運動が止まってしまうため、食後4時間は何も食べないようにしましょう。
⑤加齢
健康な高齢者でも35%がSIBOという結果が出ています。
⑥過敏性腸症候群
過敏性腸症候群の人の8割はSIBOを合併しています。
小腸細菌増殖症(SIBO)の症状
①慢性的な下痢や便秘、もしくは下痢や便秘を繰り返す
②腹痛
③おなかがゴロゴロする、おなかにガスが溜まる
④食事をした後、おなかがパンパンに張る
⑤げっぷや胸やけがする、食べ物が食道に戻る
⑥その他に、肥満やうつ、免疫力低下、心筋梗塞、パーキンソン病など、全身の様々な病につながる
症状の強さは、個人の腸内細菌の種類や腸の伸びやすさなどの体質で決まると言われているそうです。
小腸細菌増殖症(SIBO)の改善方法
SIBOを改善するには小腸で増えて細菌の餌となる食品を避けるのが効果的です。ガスを発生させやすい発酵性の糖質(FODMAP、フォドマップ)を控える食事療法「低FODMAP食」を勧めます。FODMAPは「オリゴ糖類」「二糖類」「単糖類」「ポリオール」の頭文字を集めた造語です。 いずれも小腸で消化吸収されにくいため、摂取し過ぎると濃度を下げようとして血管から小腸内に水分が引き込まれ腸を刺激すると考えられています。SIBO かなと思ったら、ご自分の食事を見直してみましょう。下記の表はFODMAP食です。参考にして下さい。 高FODMAP食には牛乳、ヨーグルトも含まれます。過敏性腸症候群の患者が対象の試験では、7割の人がこの食事法で症状が大きく改善したと国際的な医学論文で報告されています。 ガスが気になる人は、まずは3週間、これらの糖質が多い食品を控えます。すると症状が改善される可能性が高くなります。その後は食品を1品ずつ試し、どれを取ると症状が出るか見極め、自分に合わない食品がわかれば、それだけを避けましょう。
腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。何はともあれ胃腸が丈夫であれば健やかに過せます。まずは腸内環境を整える食事を目指しましょう。下痢の改善は一段と早くなります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。