年齢と関係あり⁈ 高齢者が下痢になるのは何故?

若い時は快便で、おなかのトラブルとは一切無縁だったという人でも、年を経る毎に便秘や下痢といったトラブルに見舞われる機会は増えていきます。

人は多くの場合、老いを見た目で判断しますが、外からは見えない内臓筋肉着実に老いていきます。この記事では加齢による体内機能の老化と下痢の関係についてみていきましょう。

 

高齢者の下痢の原因

下痢の原因は様々ありますが、主な原因として細菌やウイルスによる感染症、日常生活で発生する冷たい物の摂りすぎ、寝冷え暴飲暴食、人によっては牛乳・乳製品が体に合わないこともあります。 飲酒、ストレスなどをきっかけにして始まることもあります。また加齢が進むにつれて消化機能が衰え、自然な流れで軟便になってしまった、というパターンもあります。

 

高齢者の下痢が続く時の注意点

水様性の便(水下痢)の場合

水様便は急性の感染症の症状として現れます。細菌やウイルスの感染症によるもので、数日内に止まる一過性の下痢です。水様性の便が出はじめてから、長くても2週間程度を経過すると治まるのが普通です。 しかし、水様便の下痢は重要なミネラル成分が排出され、激しい場合には脱水症状にもなりやすいため、水分補給を適度に行い、症状が落ち着くのを待ちましょう。感染症が原因の場合、薬で無理に下痢を止めると体内の原因菌やウイルスが排出されず、かえってよくありません。

水様便でも特に出血のある便は要注意です。出血多量の場合は、痔や大腸がんの可能性もあり、異変を感じたらすぐ専門医へ行きましょう。

 

軟便の場合

軟便の下痢は、急性疾患の症状としてだけでなく、ほかに体の異常がないときにも見られる現象です。急性の下痢が「病原菌の侵入」に起因するのに対し、軟便は腸内細菌叢の善玉菌たちが増えすぎた時にも起こります。

軟便は水様便と比べるとそれほどの危険性がないため、さほど気にせずに放置して習慣化している人も多く見られます。 健康時の便は水分量が約60%、軟便は約70%と言われており、意外とわずかな水分量の違いです。そのため、軟便は食事に気をつけるだけで改善する可能性があります。

 

便秘と下痢の繰り返し

高齢になると腸の機能が低下すると同時に、腹筋のような内側の筋肉も衰えてきます。そのため若い頃は快便だった人でも、便秘がちになったりします。便秘がひどくなっていくと、仕方なく下剤を服用しなければならなくなり、今度は薬の効き過ぎで下痢気味になります。

こうしたことを繰り返していると、腸内環境を正常に保ってくれていた善玉菌が腸内からいなくなり、かわりに悪玉菌が増加してしまうことも。すると腸内環境が悪化し、慢性的な下痢になる場合があります。

あるいは精神的なストレスが原因で、下痢と便秘を繰り返す人もいます。いわゆる過敏性腸症候群で、下痢と便秘が交互に現れ、腹痛・腹部の違和感を伴うこともあります。 過敏性腸症候群の下痢の直接的原因は大腸の機能異常によるものですが、その異常は不安・緊張などの精神的ストレスや過労、不規則な生活、暴飲暴食などによる自律神経の異常に起因するとされています。

 

下痢の際の食事と水分摂取法

下痢の時は急性、慢性に限らず、水分はまめに補給するようにしましょう。急性の場合は、いつも通りの食事は控えておき、様子が落ち着いてきたら消化の良いものを食べるようにしましょう。 問題がなければ、卵などのタンパク質もとるように。ただし、量は少なめに。熱すぎるのも冷たすぎるのもおなかに良くありません

 

下痢を未然に防ぐには

生活習慣による病気のほとんどには、「腸内環境が悪化したこと」が原因のひとつとして考えられます。そのため腸内環境を整えると、腸内で行われる活動が正常化され、健康増進、免疫強化に繋がっていきます。

逆に腸内環境が乱れている限り、便の臭いはひどく、色もこげ茶や黒っぽい色となり、健康的なバナナうんちとは異なる様相となります。

そんな時にはまず、食生活を見直すことから始めましょう。便の色やにおいの変化は、物言えぬおなかからの便りなのです。今の食事では問題がありますよ、と言われているのです。

便の臭いがひどい時は肉類や脂肪を摂り過ぎているサインですので、それらの量を減らしてみましょう。また、健康的とされるバナナのようなうんちになるためには、適度な食物せんい腸内善玉菌が欠かせません。

食物せんいは現代の食事では不足しがちなものとしてあげられます。これは私たちが昔の人々とは違って、欧米的な食事が多くなったこと、また昔ほど野菜や果物を摂らなくなったことが理由として考えられます。

意識的に大根やごぼう、ニンジンといった根菜類を多く摂るように心がけましょう。それらをふんだんに使う和食などがおすすめです。

腸内善玉菌は、味噌や漬物といった発酵食品から摂ることができていましたが、これらも現代では摂ることが減っている食品です。また、すでに悪化している腸内環境の中では、少しの善玉菌ではあまり活躍できず簡単にやられてしまいます。善玉菌を増やそうと思ったら、一度にある程度大量の菌を入れて、環境を強制的に変えていなければなりません。

そのために有効なのがサプリメントです。善玉菌が配合されたサプリメントは各メーカーから様々出ていますが、配合されている菌の種類や量はメーカーによって大きく異なります。

人の腸内環境は千差万別。まずは少量から試してみるとよいでしょう。きっとあなたのおなかにぴったりの善玉菌がみつかるはずです。