腰の痛みとおなかの痛み、ダブルの痛みの原因は?-腰痛を伴う下痢について-

下痢の原因は様々ありますが、時には下痢だけでなく、下痢と共に腰が痛くなることがあるようです。こうした腰痛を伴う下痢の原因としてどんなものがあるのでしょうか。

 

腰が冷えている

腰痛と下痢は、どちらも非常に近い場所で起こる症状です。そのような時、実は腰が冷えていることがその原因として考えられます。

人間の体は冷えることで、血の流れが悪くなり、内臓の機能が低下します。内臓の機能が低下すると下痢などが起こりやすくなります。また、冷えると筋肉が硬くなり、おなか周りの筋肉が緊張します。すると、腰から足にかけての筋肉も緊張するため、腰に負担がかかって腰痛が起ります。

 

腰も腸も、周りの筋肉、同じ場所の神経の影響を受ける場所です。そのために腰痛と下痢が同時に起こることはよくあります。 腰痛と下痢を予防するには、冷え対策をすることが一番大切です。冬は腰を冷やさないようにカイロを貼ったり、適度な運動をすることで体温を上げ、筋肉を動かすことで基礎代謝を上げるのがもっとも効果的です。

また、血液はおなかで作られているという話もあります。腸内環境が整うことで、おなかを中心に血液がきれいになり、血液の流れが改善することで、それによって冷えが解消され、長年の腰痛、下痢や便秘が治った、という話もあります。

また、腰の周りの筋肉を意識したストレッチなどを行うことで、手で解すことのできない腰の内部の筋肉をほぐし、温めることができます。ヨガ、ピラティスといった運動がおすすめです。

筋肉・腹膜の癒着が原因の下痢

下痢は腸の回盲部という部位が関係し、その部分が硬く緊張したり、筋肉や筋膜、隣接している内臓との癒着などで機能が低下し、下痢になることがあります。

腰痛との関係性は、回盲部の筋肉・筋膜との癒着にあります。 回盲部は骨盤の中にある大腰筋や腸骨筋といった筋肉に近いところに位置しているので、癒着が起こると筋肉が緊張してしまいます。

特に大腰筋は腰椎の前面に付着していますので、腰に負担がかかってしまいます。

心理的ストレスによるもの

心理的ストレスは睡眠障害や疲労感、頭痛、下痢・便秘・吐き気など胃腸の不調、息苦しさ・動悸なの症状が現れます。

また時として、肩こりや腰痛として現れることもあります。

息苦しさや動悸の症状は、心理的ストレスにより冠動脈が一時的な痙攣を起こすことでもあるといわれています。

腰痛や肩こりにも、心理的ストレスで筋肉の血流不足が強まって引き起こされることもあるのです。

背後に深刻な病気がある場合も

腰痛を伴って下痢症状が続く場合、他の病気を併発している場合があります。病院を受診する目安として、腰痛も下痢も5日以上続く、熱や食欲低下がある場合は病院を受診しましょう。

腰痛を伴う下痢には、主に下記のような病気が潜んでいることがあります。

 

①炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎、クローン病といった病名に代表されるもので、消化管炎症、潰瘍を生じ、出血、下痢、体重減少、発熱などの症状をいいます。 年々有病率は増加傾向にあり、厚労省からは特定疾患に指定されています。

②感染症による下痢

腸に炎症がある感染性胃腸炎は、細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。

特にウイルス感染による胃腸炎は、毎年秋から冬にかけて流行します。原因となる病原体には、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスのほか、細菌寄生虫もあります。  病原体により異なりますが、潜伏期間は1~3日程度です。ノロウイルスによる胃腸炎では、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児ではおう吐、成人では下痢が多いです。 腹痛とともに、痛みが右下腹部に移動し、歩くと響く場合には、虫垂炎も考えられます。また、腰痛とともに、頻尿残尿感がある場合には腎盂腎炎発熱を繰り返し、関節の痛みもある場合には膠原病が疑われます。

③大腸ガンの骨転移

大腸ガンは、男女ともに発生率が高いガンです。初期の段階では自覚症状がほとんど出ないため、発見時には他部位へ転移した進行がんである場合も多く、特に肺や肝臓、骨に転移することが多いガンです。

 

流れを整えて、冷えを防ぐ

生活習慣による殆どの病気は、冷え腸内環境の悪化が原因と言われています。腸内環境を整えることで、様々な不調が改善します。また、腸内環境が整うと、下痢や冷えといった症状の改善だけでなく、栄養をきちんと吸収できるようになるため、体力、免疫力も向上することが期待できます。

腸内環境を整えるのに欠かせないのは腸内善玉菌です。腸内善玉菌を増やすには、なんといってもサプリメントがおすすめです。最近は腸活ブームということもあり、良質な乳酸菌や善玉菌はもちろんのこと、そのエサとなるオリゴ糖なども配合されたものがたくさん販売されています。各社独自の菌種を用いている場合が多いですので、自分のおなかに合う菌を見極めるのも大切です。

自分の腸内環境に合っているかどうかは試してみないことにはわかりませんので、最低でも一週間、できれば最長で3か月ほど、続けて体調の変化を感じてみてください。