下痢の原因の多くは食べ物によることが多いようです。
最近では健康志向の高まりに応じて、いろいろな国から様々な食品が輸入されるようになりました。また、オーガニックティーは手軽に始められる「お茶以上、サプリメント未満の商品」として人気です。
中でも「ごぼう茶」は、ノンカフェインで豊富な食物繊維が魅力的だとして、人気を博しています。ですが、人によっては下痢の原因になることがあるようです。その理由について考えてみましょう。
食中毒など明確な原因が特定できる下痢もありますが、下痢になった心当たりがないまま慢性化する下痢も多くあります。そうした慢性的な下痢の原因は、自分の食生活習慣や生活環境の中に見つかることが多いようです。毎日習慣的に行っていることや、口にしているものに注意が必要です。
ごぼう茶のメリット
ごぼう茶には健康に良いとされる食物せんいのイヌリンや、ポリフェノール類のサポニンが含まれています。
特に食物せんいに関して、水溶性食物せんいと不溶性食物せんいがバランス良く含まれているのが特徴です。これは可食部10gあたりで考えても、レタス5個分、さつまいもの約2.5倍の量と大変優秀です。
食物せんいは腸内環境を良くして、お通じを良くできるという効果があるため、ごぼう茶はダイエット中のお茶としての人気が高いようです。
また、お茶として皮まで利用することで、栄養を余すところなく摂り入れることができます。
ですがその反面、おなかが敏感な状態にある時は、注意しなければなりません。
ごぼう茶に潜む危険性
水溶性食物せんいは便を水分で柔らかくして便秘解消を促進する効果がありますが、過剰摂取してしまうと水分過多で下痢症状が起こる、または下痢症状が悪化することが考えられます。
不溶性の食物せんいは、それだけで腸への刺激になります。これはすでに腸が弱っている場合、過剰な刺激となって腸壁を傷つけてしまう恐れも。
不溶性食物せんいが多く含まれている食べ物の特徴は、口に入れた時にボソボソしていたり、歯ごたえが強く噛みにくいものが多いです。
具体的にはごぼう、たけのこ、とうもろこし、さつまいも、だいこん、きのこ類、カボチャ、いんげん豆、 大豆などが挙げられます。
水溶性食物せんいは、下痢の時に食べても特に問題ありません。不溶性食物せんいとは違い、水に溶けるとゼリー状となり、食べたものを包み込んでくれるため、悪いものの吸収を防いでくれます。腸に刺激となるものを食べてしまっても、刺激を最小限に抑えられます。
また、水溶性食物せんいは大腸で分解され、善玉菌のエサになります。善玉菌が増えることで腸内環境の改善が期待できますので、下痢の時には欠かせません。
キク科によるアレルギーで下痢に
ごぼう茶に限らず、ごぼうそのものに対するものですが、ごぼうはキク科の植物なので、キク科アレルギーを持つ人は注意が必要です。アレルギーは体力や抵抗力が落ちている時、疲れている時などは症状が出やすくなります。
キク科のごぼう
ごぼうは菊科の植物です。菊などにアレルギーがある方は、アレルギー反応(ごぼう茶中毒)が起きる可能性があります。
特に春のスギ花粉、夏から秋にかけて菊科の花粉が飛びやすい時期に花粉症を起こす人は要注意です。カモミールなどは不眠や不安、胃腸の不調などに効果があることからハーブティーなどで親しまれていますが、キク科のハーブですので同じくアレルギーには注意したいハーブになります。
ブタクサ、菊、マリーゴールド
秋に花粉が飛散する植物には、菊以外にも稲やブタクサ、マリーゴールドなどが挙げられます。これらの花粉症を持っている人が、同じ時期に菊科のハーブを摂取すると、相乗効果が生まれて花粉症が悪化する場合もあります。
それでも気づかずにハーブを摂取し続けていると、どんどん症状が悪化、嘔吐や下痢、胃の痛みなどを引き起こすこともあります。
ごぼうに含まれるサポニンで下痢に
ごぼうの皮やアクにはポリフェノールの一種のサポニンが含まれています。ポリフェノールは植物が紫外線から自分を守る抗酸化物質ですが、活性酸素を抑制する働きがあるため、若返りが期待できる成分として人気がありました。
サポニンには、血中コレステロールや脂質を吸着し、排出を促す働きがあります。
サポニンは皮やアクに含まれていますので、丸ごと使用しているごぼう茶には豊富に含まれる成分です。
溶血作用を持つサポニン
一見することいいことだけのようなサポニンですが、過剰に摂取すると赤血球の膜が溶ける溶血作用や吐き気を引き起こすことがあるため注意が必要です。
ごぼう茶の場合、過剰摂取すると水分も大量に摂取することになるため、下痢に陥る危険性はさらに高まります。もし下痢が起こったのであれば、ごぼう茶は続けて飲まない方が無難でしょう。
適度な量のサポニンは、血中のコレステロールを減少させて高脂血症から身を守る、動脈硬化の予防になるということがいえます。
胃腸が弱まっている方が大量にごぼう茶を飲むことにより、腸内環境を正すどころか逆に下痢に悩まされてしまうかもしれませんので、摂取する量には十分気を配らなければなりません。
腸活が健康への第一歩
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。医学が発達していなかった時代に健康を保つためには、やはり胃腸が一番大事だという事が経験からわかっていたようです。医学が発達した現代でもすべての病気は腸内環境が悪くて発生すると言われているほどです。
特にオーガニックティーのようなこだわりの商品を手にされる方は、もともと健康意識の高い方でしょう。せっかく体のことを考えて選んでいるのに、摂り過ぎたり、体に合わなかったりして、健康を損なうようなことがあれば、それは本末転倒でしかありません。どんなにいいものでも、摂り過ぎには十分注意してください。
腸内環境を変化させるのは、食生活や生活習慣ですが、中にはサプリメントによる良い影響もあります。特に納豆菌は、腸内で活発に活動し、乳酸菌をはじめとする善玉菌を増やす働きをします。便秘や下痢といったおなかのトラブルも、納豆菌がおなかに入ることで落ち着いていきます。
サプリメントは価格的に手に取りやすい試供品から始めることもできますので、ぜひ手軽に始めて、不快や不安から解放されてみましょう。