下痢の原因は、本人でも気づかない日常の中に多くあります。身体に合わない食べ物を気づかず食べていたり、食べ合わせの悪いメニューだったり、万全の体調の時には平気でも、身体が冷えていたりすると下痢のリスクが増えるなど、その時の体調によっても違います。そのため、下痢の原因は実に様々だといえます。
ブドウと下痢の意外な関係
例えば、秋はブドウの季節です。秋を代表する味覚のひとつであり、旬の果物はむしろ栄養豊富で体に良い食材といえます。
さらにブドウというのは果物の中でも最も高い糖を蓄積する食物として知られています。そのためブドウの食べすぎは糖の過剰摂取に繋がる恐れがあることは覚えておきましょう。また、肥満の原因になる可能性も十分あります。
こうした、一見体に良いと思われるブドウでも、人によっては食べた後お腹が痛くなるということがあります。消化が良いとされるブドウも、食べる量やタイミングを間違うと下痢の原因になってしまうからです。その理由として、次のようなことが考えられます。
ブドウも今は品種改良が進み、種のないもの、そして皮ごと食べられるものなど、一昔前と比べると格段に食べやすく美味しいものが増えました。そのため、人によってはついつい食べ過ぎて摂取過多となり、その結果水分も過剰摂取となってしまうことがあるようです。
ブドウは通常、比較的消化が早いのですが、胃腸が弱っている時には注意が必要です。 果物というのは独自の消化酵素を持っているため、食後30分程度で胃を通過するといわれています。しかし、他の食べ物と果物を一緒に食べると、胃を通過せずに留まってしまうことになります。すると果物がもつ糖が発酵を始め、他の食べ物の消化を阻害することになるのです。
その影響でゲップが出たり、消化不良を起こし下痢になったりすることがあります。そうならない為にも、果物は食前か、食後数時間たった後、もしくは胃が空っぽになっている朝などが適しているといえます。
また、ブドウを食べすぎた後に牛乳を飲むのはおすすめできません。胃酸と反応して下痢を起こす可能性があり、まれに嘔吐する人もいます。
上記以外にも、ブドウが含んでいる水分で下痢になることもあるようです。食後は4時間ほど空けてからブドウを食べるようにしましょう。
与えすぎにも注意
赤ちゃんもブドウを食べ過ぎたりすることで下痢や腹痛を起こすことがあります。
ブドウは本来、消化のいい果物とされていますが、やはり食べ過ぎは禁物。特に赤ちゃんは身体が小さく、多くの食べ物に慣れていないため注意が必要です。
離乳食を始めてすぐは1粒からスタートし、1歳でも1日5粒程度にしておくのが良いと言われています。甘く食べやすいので赤ちゃんが欲しがることもあると思いますが、お皿に数粒しか出さないようにするなどして、赤ちゃんが食べ過ぎないように注意してあげてください。
下痢を防止するブドウの食べ方
空腹時に15粒程度をめやすに食べましょう。
ブドウは食べすぎると消化不良をおこし、下痢をおこしてしまうため食べ過ぎには注意が必要です。家族で食べる、多い分は冷凍するなどして一度にたくさんの量を食べ過ぎないようにしましょう。
干しブドウは80g程度をめやすに
ドライフルーツの中でもかなりメジャーなのがレーズン(干しブドウ)です。同じブドウでもレーズンには緩下作用といって、便通を促す作用がありますので、食べすぎると下痢を誘発してしまいます。
レーズンは一般的に1日に80g~84g程度なら、下痢の心配をせず食べても大丈夫とされています。 皮ごと乾燥したものがほとんどですので、ブドウの皮に豊富に含まれているポリフェノールを効果的に摂取でき、鉄分、ビタミン、ミネラルも豊富なので女性にはうれしい食べ物です。量に注意して楽しみたいですね。
ブドウジュースも飲みすぎは禁物
ブドウはジュースになったとしても、飲みすぎには注意が必要です。冷たいジュースで内臓を冷やしてしまうことも原因のひとつですが、フルーツに含まれる「果糖」がジュースになることによって、さらに濃縮され、摂取しやすくなってしまいます。
果糖は多く摂取しすぎると、全てを体内で吸収できず大腸内に残ることになります。その結果、果糖が大腸内で消化されにくい成分となり、腸内に水分がたまって下痢を引き起こすことがあるのです。
また空腹時に多量に飲むことで、小さいお子さまなど腸管の吸収能力が低い方は、下痢を誘発することもあります。やはりブドウジュースも少量を数回にわけて飲むなど、一度に摂りすぎないことが下痢を防ぐためには必要となってきます。
おなかの中から始める健康
胃腸が弱いと些細なことで下痢になるなど、様々な症状を引き起こします。ですが、昔から「元気の元は胃腸から」と言われているように、胃腸を丈夫にしておくことこそが、健康の要であり、健やかな生活の第一歩なのです。
また、ブドウに限らず食べた物が原因で下痢が続く場合、腸内環境が非常に悪化している証拠です。腸内が正常ならば腸内は正常な働きをして、多少の有害な物を食べても腸内で処分してくれますので、下痢には至らないことが多いものです。 同じものを食べても下痢になる、ならないの差は、腸内環境の良し悪しと言っても過言ではないでしょう。
下痢が続く方はまず、腸内環境を整えることにチャレンジしてみましょう。腸内環境を整えるのに最適なサプリメントもありますので、上手に賢く利用してみましょう。