おいしいスパイス・シナモンで下痢になる?

下痢の原因は思わぬところに存在します。慢性的な下痢の原因は一般的にはストレス、食べ合わせ、食べ過ぎなどですが、お菓子によく利用されているシナモンも下痢の原因になることがあるのです。

シナモンは肉桂や桂皮と呼ばれ漢方にも用いられる植物です。また、カレーやピラフなどの隠し味、アップルパイ、ドーナツなどのお菓子作りにも頻繁に登場する身近なスパイスです。

シナモンには様々な種類があり、日本で主に流通しているのは、セイロンシナモン(スリランカ産)と、カシア(ベトナム産など)の2種類になります。

シナモンは血糖値や中性脂肪、コレステロール値を低下させる働きがあるとして近年注目を浴びていますが、シナモンを原因とした食物アレルギーを発症する方もいるので注意が必要です。

 

食物アレルギーの症状の一つに下痢があります。

シナモンアレルギーは、シナモンを何らかの形で体内に取り入れる事により起こります。症状の出方や具合は人によって異なりますが、疲れていたり寝不足だったり、免疫が低下しているとアレルギー症状が強く出現する事が多いです。

また、シナモンの1日の摂取量は3グラム程度とされており、1日10グラム以上の過剰摂取を長期的に行えば肝機能に影響を与える可能性があるそうです。肝機能に症状が現れなくても遅延型アレルギーとして現れる事も十分考えられるので、摂り過ぎは禁物です。

シナモンに含まれる仮性アレルゲン

シナモンに含まれるサリチル酸、ヒスタミンやフェニルチラミン、セロトニンといった物質を含む食品は、組織に直接作用して、まるでアレルギーが発症したかの様な症状を引き起こす場合があり、仮性アレルゲンと呼ばれています。加熱調理をすると症状が出にくいと言われているので、シナモンは加熱して使用した方がいいかもしれません。

シナモンに含まれるクマリン

シナモンにはクマリンという香り成分があり、これはポリフェノールやフェノール酸系に属している抗酸化物質です。アンチエイジング効果や抗菌効果、また、むくみや血流を改善する効果が期待できます。

しかし、その一方で肝毒性を持っているので、クマリン摂取で健康効果を期待するのは早計と言えるかも知れません。クマリンの肝毒性についても頭の隅に置いておくべきでしょう。ただしシナモンはスパイスとして使われるものなので、一度に摂取するクマリンの量も微量のため過度の心配はいらないようです。

シナモンアレルギーの症状

①経皮の症状

シナモンアレルギーの主な症状は、粘膜系の症状です。じんましんや皮膚の赤み、発疹やかぶれといった皮膚症状の他に、口内の痒みや痛み、くしゃみ・鼻水・目の充血などが挙げられます。

また、シナモンのアロマオイルを使用して皮膚に炎症が起こる方もいますので、シナモンアレルギーの方は注意が必要です。特に高濃度で使用すると皮膚を荒らす危険性があるので、アレルギーの有無に関わらず、パッチテストを行い、必ずキャリアオイルやクリーム、ジェルなどに混ぜて使用する様にしましょう。入浴の際に湯船に入れて使用する場合は3滴以下にした方が良さそうです。

②腹痛や胃痛、下痢などの消化器系の症状

粘膜系の症状の他に、腹痛や胃痛、下痢や嘔吐等の消化器系に影響を与える症状が出現します。

シナモンに敏感な人は、ほんの一口でも体内に含んでしまう事で、拒絶反応が起こり、症状がでます。また、過度な摂取によっても現れる場合があるようです。シナモンは、調味料、ケーキや菓子類にも含まれている場合があるので、シナモンに敏感な方は注意が必要です。

シナモンによるアレルギーの判断

シナモンは、お菓子の風味づけや料理のスパイスなど様々な料理で使用される食材ですので、知らず知らずのうちに口にする可能性が高いものです。

頻繁に湿疹が出たり、慢性的な下痢が続くなど原因の分からない体調不良が続く方は、食物日誌を付けてみましょう。

二週間程度、何をどれだけ食べたか、食べてから体調が変化するまでどのくらいの時間がかかったか、などを記録していきます。

できれば献立に使った調味料、油などもまとめて書いておくと、より的確な判断が出来ます。また、遅延型アレルギーは発症までに食後2時間以降、さらに1~2日を要するケースもあるので、発症時間にとらわれず食事内容を記載しましょう。

下痢の改善は腸内環境の強化から

人は様々な物を美味しく食べることによって、健康を維持することが出来ます。それに加えて、何をどの様に食べるかも、健康を大きく左右しています。

腸内環境が整い、腸内が正常な機能を果たすようになると、解毒、排出などの機能が高まり、下痢の症状は自然と回復にむかうでしょう。

腸内環境を整えるには、体に合った腸内細菌を積極的に摂り入れ、おなかの中で増やしていく必要があります。

腸内細菌の補給源として食事はもちろんですが、最近では良質なサプリメントもたくさん販売されています。賢く利用して、腸内環境を整えていきましょう。