下痢体質はある?

同じものを食べても下痢をする人、下痢をしない人がいます。疲れや、いやなことが起こるとすぐ下痢になる人もいます。病院へ行くと、お医者様から「その下痢は体質によるものですよ」と言われたことはありませんか?
それで、自分は下痢体質だからしかたないと、諦めてしまう人もいます。本当に下痢体質はあるのでしょうか。ご一緒に調べてみましょう。

下痢体質は本当にあるの?

下痢になると、腹痛でつらい思いをします。通勤、通学途中でトイレに行きたくなったらどうしようなどと不安になって、会社や学校に行けなくなる人もいます。体質だからしようがないと諦める前に、下痢になってしまう原因と対処法を知っておけば症状の悪化を防げるようになります。

確かに抵抗力や消化吸収の機能には個人差があります。少々傷んだものを食べてもピンピンしている人もいれば、途端に下痢になる人もいます。これはごく自然なことです。また自律神経の働きの弱い人は疲れやストレスによって調子を崩しやすく、結果的に下痢を起こす人もいます。

こうしたことを考えても、本当は「下痢体質」存在しないのです。ではなぜお医者様は「下痢体質」というのでしょうか?

それはおそらくあまり神経質にならにようにとわざと軽く「気にしないでください」という意味を込められたのだと思います。気にしすぎて、神経質に思いつめることで下痢がどんどんひどくなる人もいるからです。

あるいは、膵臓の働きの弱い人や慢性膵炎の人、膵外分泌機能の低下している人、小腸の粘膜の弱い人などはそれ以上によくなることが期待できない場合もあり、なかなか対応が難しいのです。

それで、神経質にならないように「下痢しやすい体質ですよ」と言い方をすることもあるのだと思います。そのほうが本人も納得しやすいこともあるからです。重篤な下痢でない限り、安心させるための対応だと思います。

日常習慣で下痢になるのは体質ではありません

下痢になるのは「体質によるものですね」と言われたら、治らないんだと悲観するよりも、人よりもお腹が敏感な体質なんだと、前向きに受け止め、おなかの調子が崩れないような生活管理を心がけることが大切です。

それには、よく噛む、食べ過ぎない、夜寝る前には食べない、夜更かしはしないなど、基本的な健康生活を心がけることが最も重要です。特別なことではないのです。

また、アルコールの飲みすぎや唐揚げなど油分の多い食事、消化の悪いものばかり食べるなど心がけが悪いために下痢を繰り返すのは、下痢体質ではないのです。

中にはそれを食べたら下痢になるとわかっていても、止められずに食べて、下痢だ、下痢だと大騒ぎする人もいます。生活管理が悪いことを「下痢体質」のせいにしないようにしましょう。

下痢になりにくい腸になるには

体質的にお腹を下しやすいと思う方は、腸をいたわる生活ができているかどうかを振り返ってみましょう。

① 自律神経のバランスを整える

自律神経の不調は、多くの人が抱える悩みの一つで、更年期障害の症状にも当てはまる身近な症状です。一方、健康的な生活習慣を送り上手にコントロールすることで自律神経を整えることもできるのです。

まずは自分の生活習慣を振り返り、乱れる原因を探ってみましょう。そして、生活リズムを整え、ストレスをコントロールするなど、自律神経の整え方を身に付け、健康的な生活を送りましょう。

② 適度な運動をする

下痢になりにくい腸にするには、一般的にもよくいわれていることですが、適度に運動をしたり、充分な睡眠をとったりすることはとても大切なのです。

③ 食事を見直す

ふだんの食事方法も見直してみましょう。暴飲暴食をしたり、冷たい飲み物やアルコール類を飲みすぎたりしていませんか。これらは、腸を過度に刺激するため、下痢の原因となります。なるべくバランスの良い食事をゆっくり摂るようにしましょう。

④ 腸内フローラを整える

腸を整える食事をすすんで摂ることも、下痢になりにくい腸にするために欠かせません。
人間の腸内には、細菌が1,000種類、100兆個も生息しています。腸内環境を整えるには、乳酸菌などの善玉菌を腸内で少しでも多く増やすことが大切です。

乳酸菌を直接摂取できるヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などを毎日食べるようにし、乳酸菌を増やす作用があるオリゴ糖や食物せんいも同時に摂るように心がけましょう。乳酸菌などの善玉菌は腸内に住み着くことがありませんので、毎日摂取しましょう。

下痢にならないために

突然襲ってくる下痢、長引く下痢は体力を消耗するだけではなく、生活にも支障をきたします。
軽い症状であれば市販薬が役に立つこともあるでしょう。しかし、根本的な解決にはなりません。

体質的なものだと諦めずに、バランスの良い食事を摂ったり適切に運動をしたり、乳酸菌や納豆菌など発酵食品を積極的に摂取したりして、下痢になりにくい体作りを始めましょう。

下痢をおこしても、少し安静にしていたり市販薬を飲んだりするとほとんどの場合、数日で治まることが多いですが、下痢と同時に他の症状がみられたら、すぐに病院を受診するようにしましょう。

普段から体質的にお腹を下しやすい人は、下痢の症状がみられたら胃腸を休めるために消化の良い食べ物を食べるようにしましょう。

また、体内の水分が失われていますので、水分を補給してください。スポーツドリンクは失われた電解質を補ってくれるためおすすめです。ただ、腸の粘膜を刺激しないよう、常温のものを少しずつ摂取しましょう。

アンケートでは、下痢になったときの対策として、下痢止めの薬を飲む、安静にする、という回答の他に、お腹に優しい食べ物を口にするという意見があるようです。しかし、むやみに下痢止めを服用しないようにしてください。

下痢は本来悪いものを体に出すという生理現象ですので、下痢止めを飲むことで、症状を悪化させる場合があります。下痢になっても慌てずに、しばらく様子を見るようにしましょう。ひどい場合は病院へ行くことをお勧めします。

腸内環境を整えよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸は私たちが健康を維持するとても重要な器官です。私たちは食べたもので作られたています。

ですから、食べたものが消化され、吸収され、不要なものは排泄されるという基本的なことから、それらを活用して腸内で行われる様々な仕事が行われて初めて健康を維持できるのです。

下痢などは腸内が本来の仕事ができなくなった時に起こります。腸内環境を整えると、腸本来の仕事ができるようになります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。