最近は豆乳を好む人が多くなりました。健康やダイエットに効果があるということで人気があるようです。しかし、豆乳の飲み過ぎで下痢になることがあります。
豆乳の健康効果や飲み過ぎると下痢になる理由をご一緒に考えてみましょう。
豆乳とは
豆乳とは、大豆を原料とし、豆腐に固める前の状態で、乳液状のことです。大豆をすりつぶして液体を絞り、汁と“かす”に分けます。汁が豆乳で、かすはおからです。そのため、豆乳には食物せんいはほとんど含まれませんが、吸収されやすい状態になっています。
意外にも豆乳が多くの人に飲まれるようになったのは、戦後のことです。 それまで飲まれていなかった原因は、青臭さとえぐみのある味でした。
現在では、様々な生産工程を経て、色々な味のおいしく飲みやすい豆乳製品が登場し、ヘルシーな豆乳として世界中で注目されています。
豆乳の健康効果
豆乳の健康効果はたくさんあります。その中でも代表的な健康効果を挙げてみます。
①ダイエット効果、肥満防止
大豆には植物性タンパク質が30%程度含まれており、そのほとんどが水溶性のため、豆乳に残っています。吸収率が高く、吸収速度が牛乳タンパク質に比べて遅いのが特徴です。
吸収速度が緩やかな利点としては、結果的に満腹感につなげることができるため減量中の強い味方になってくれます。しかも、タンパク質は動物性食品に比べても低カロリーで基礎代謝を活発にする機能があるため、ダイエットに効果があると期待されています。
更に、豆乳に含まれる成分、サポニンは、石鹸の泡が油脂を溶かして水で洗い流すように、血液中のコレステロールや中性脂肪などの血液中の余分な脂質を洗い流してくれます。つまりコレステロールの低下作用があるのです。他にも、血小板の凝集性の抑制作用など、全身の血流改善に役立つといわれています。
②アンチエイジング効果、老化予防
豆乳はダイエットのサポートになるだけでなく抗酸化作用の働きがあります。動脈硬化や体の酸化、つまり活性酸素を除去・抑制することで、老化を予防してくれます。また、豆乳のビタミンEには、肌や髪のハリやツヤを保ち、アンチエイジング効果も期待できるのです。
③女性ホルモンのはたらきをサポート
豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造をしているため、代替ホルモンとして排卵や月経、乳腺などの機能や、女性らしい体づくりのサポートをしてくれます。
ですから、肌の老化予防や更年期障害の予防・改善など女性に嬉しい効果をもたらします。
大豆イソフラボンは、エストロゲンが足りなければ補い、多すぎるときには減少させようと働くため、乳がんや子宮内膜がんなどのホルモン依存型のがん予防にも効果が期待されています。
また、イソフラボンの代替ホルモンとしての働きは、骨粗鬆症予防にも役立ちます。
④便秘予防
豆乳には乳酸菌のエサとなるオリゴ糖が含まれているので、腸内のビフィズス菌や乳酸菌が増え、腸内環境が整います。腸内環境が整うと免疫力が高まり、腸壁を刺激して排便がスムーズに行われ、便秘の予防になります。
⑤脳の機能維持、脳老化予防
豆乳に含まれるレシチンは体内の細胞が常に不具合をおこさないように細胞膜をきれいにし、次々に新しい細胞が生まれるための働きをしています。レシチンは血管を強くして高血圧を防いだり、神経伝達物質を生成することにより、脳を活性化して認知症の予防にも効果が期待されています。
又、豆乳にはビタミンB群が含まれており、脳の機能を維持する働きをもっています。それらが不足すると、イライラなど神経の不安定、集中力不足になりやすくなります。
⑥ホルモン分泌器調整、カルシウムとの関係性
豆乳に含まれるマグネシウムは心臓や血管、神経やホルモン分泌臓器などの働きを調整します。カルシウムとの関係は深く、共に不足すると水銀や鉛を脳内に取り込みやすくなります。また、アルミニウムも脳内に取り込まれやすくなり、アルツハイマー症の原因となるとの報告もあります。
なお、マグネシウムの一日の摂取量はカルシウム600mgに対し、マグネシウム300mgで2:1の割合が理想的です。
⑦ナトリウム排出・高血圧予防
ミネラルのカリウムは血圧を安定させてくれる働きと、細胞を元気にする働きを持っています。
日本人はナトリウムの摂取が先進国の中で最も多いといわれています。
このナトリウムが血圧を上げる作用をするのに対して、カリウムはナトリウムを排出させ、体内のナトリウムが過剰にならないようにすることで、血圧を正常に保つ働きをします。
豆乳を飲むと下痢になる
美容・健康効果のある豆乳を飲んでいる女性は多いですが、豆乳を飲むと腹痛や下痢、吐き気が起こることがあります。豆乳を飲み過ぎて下痢や腹痛になった原因を考えてみましょう。
①大豆アレルギー
大豆を発酵させた大豆発酵食品である味噌や醤油、納豆は大豆を発酵させているので消化・吸収率が通常の大豆より高くなっています。しかし、同じ大豆が原料でも豆乳は未発酵状態です。
消化・吸収率が大豆発酵食品より悪いため、お腹が弱い人が飲むと負担となってしまう場合があります。このように消化・吸収率が良くない食品を食べて腹痛や下痢を起こす人は「大豆アレルギー」が原因だと考えられます。
美容や健康に良い豆乳ですが、胃が弱い人が豆乳を一気に飲んだり、飲み過ぎると、分解・消化するのに負担がかかり、消化不良となり下痢になります。
少量ずつ飲むことで胃腸への負担が抑えられます。胃腸が弱い人や、タンパク質の多い食品を食べると腹痛や下痢になる人は豆乳を避けた方がいいようです。
②花粉症
豆乳を飲んでもいつもは平気なのに、ある時期だけお腹が痛くなったり、時には下痢になる人がいます。普段は平気な人でも、花粉症などのアレルギーを持っている場合、摂取した豆乳が体内でアレルゲン物質と結びつき、アレルギー反応を起こし、下痢や腹痛になることがあります。
基本的に豆乳を飲んでも平気だけど花粉症などの時期に腹痛や下痢が起きる人は、その時期だけ飲むのを控えましょう。
③豆乳に含まれているマグネシウム
成人が1日に摂取するマグネシウムの目安量は75mg~300mgです。無調整豆乳200mlにはマグネシウムが約55mg含まれています。これだけでしたら問題ないのですが、マグネシウムは他の食品から摂取していること多く、気づかないうちに一日の摂取量をオーバーしていることもあります。
マグネシウムは木綿豆腐や納豆などの大豆製品、ワカメ、ゴマなどに含まれています。
マグネシウムなどは便を柔らかくする作用があり、便秘薬にも用いられている成分です。知らず知らずのうちにマグネシウムを摂り過ぎていることがあり、下痢になったり、腹痛を起こす原因となります。
④冷たいまま飲んでしまう
豆乳を冷たいまま飲むと、さらに胃腸に負担となり消化不良を引き起こして、下痢になることがあります。温めることで胃腸への負担が抑えられ、下痢や腹痛が起こりにくくなります。
また、豆乳には体を冷やす「カリウム」が含まれています。冷たいまま飲むとさらに体温が下がり、腹痛の原因となることもあります。そのためおなかの弱い人は豆乳を温めて飲むのがおすすめです。
豆乳の飲み過ぎで下痢ならないためには
美肌や便秘解消、ダイエット効果など女性にうれしい効果がたくさんある豆乳を飲みたいという女性は多いと思います。下痢にならためには以下のことに注意しましょう。
①必要以上に飲み過ぎない
食品安全委員会によると、大豆イソフラボン(アグリコン)の一日摂取目安量の上限は70~75 mgです。豆乳の大豆イソフラボンの平均は、100gあたり24.8mgとされているので、豆乳の量に換算すると280~300g、コップ一杯半ほどになります。
ただし、大豆イソフラボンの含有量は、製品によって異なります。
普段の食生活で他の大豆製品からどれだけのイソフラボンを摂取しているかによっても変わるので、あくまでも目安としてお考えください。
②飲み方を工夫する
胃腸が弱く腹痛や下痢を起こしやすい人は、「温める」「少しずつ飲む」工夫をして体に負担をかけずに豆乳を飲みましょう。しかし、大豆アレルギーの人はこれらの対処法を行っても下痢や腹痛を起こしてしまいます。大豆アレルギーの人は豆乳を控えた方が良いでしょう。
腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」昔から言われています。豆乳は身体にとてもいい飲み物ですが、飲み過ぎたりすると下痢になる可能性があります。
また、腸内環境が悪いために、豆乳が充分に消化できなることあり、消化不良を起こし下痢になります。大豆アレルギーになるのも、腸内環境の悪化が原因の一つとされています。
まずは、下痢の改善のために腸内環境を改善してみましょう。腸内環境を整えるサプリメントがりますので、上手に利用しましょう。