下痢原因サイコロステーキ

下痢の原因は様々ですが、下痢は知らず知らずのうちに、食べているものが下痢の原因だったということも数多くあります。例えば、サイコロステーキなどの「成形肉」です。ここで言うサイコロステーキは一枚のステーキ肉を切ったものではなく、形の整えられた肉を指します。

サイコロステーキは腸管出血性大腸菌O-157による食中毒になる危険性があります。
それがきっかけで、慢性的な下痢に移行する可能性もあります。ではなぜそう言えるのでしょうか。ご一緒に考えてみましょう。

下痢になるサイコロステーキとは

ステーキと聞くと少しリッチな気分になります。しかし、サイコロステーキは非常に安いステーキ肉です。一般的に安いのにはそれなりの理由があります。

サイコロステーキは成型肉です。成形肉とは、加工処理して作られた肉全般を指します。安い牛肉の端切れや、骨の周りから削り取ったくず肉(内臓や骨にこびりついている肉)を軟化剤で柔らかくし、さらに結着剤で固めて形を作ったお肉のことです。当然、食用にならない肉なのです。

サイコロステーキはこうした成型肉のなかでもとくに”結着肉”と言われています。また、サイコロステーキは別名で「インジェクション霜降り加工肉」といい、何百本もの注射針がついたインジェクション加工用の機械で、くず肉に牛脂やリン酸塩などの結着剤や軟化剤、化学調味料などの添加物を注入します。

それを混ぜ、冷凍して固めるとサイコロステーキになるのです。ですから、人工的な立方体に仕上がり、不自然なピンク色をしています。

また、成形肉を作る時には、混ぜ物として、大豆や卵白、乳たんぱくや脂肪、油脂などが使われることあります。これらのアレルギーを持っている人が口にした場合は、命にかかわる危険性もでてきます。

成形肉に使用されている「軟化剤」とは、「グリセリン、プロピレングリコール」で、チューインガムの柔らかさを保つためにもつかわれている成分のようです。また、「結着剤」はその名の通り「軟化剤」によって柔らかくなった肉同士をくっつけ、水分を保つ作用があり、かまぼこやなどの練り物、ソーセージやチーズなんかにも含まれている食品添加物です。

こうしたサイコロステーキは値段もステーキと言いながら格安なのです。スーパーなどには格安ステーキと販売されています。ホテルやレストランでの成型肉の使用も問題になっていて、チェーン店でも当たり前のように使われています。

私たち消費者は知らない間に口にしているのです。安いからと言って飛びつかないようにしましょう。食品添加物は腸内にダメージを与えます。弱った腸は下痢にもなりやすくなります。食は命に繋がりますので、質のいいものを出来るだけ食しましょう。

サイコロステーキが下痢になる理由

腸管出血性大腸菌O-157の菌は肉の表面につきます。しかし、サイコロステーキを作る時に、インジェクションや、筋切りなどの加工処理を行うと、菌が肉の中まで入り込んでしまいます。それで、完全に中まで火が通らないと食中毒になってしまう可能性があるのです。食中毒による下痢が発生します。

O-157の菌は75℃で1分間加熱すれば死滅しますが、焼き加減が甘いと食中毒を起こす危険が高いのです。スーパーなど店頭で売られている肉が成形肉の場合は、表示義務があり、「中まで火を通してください」との注意書きがあるようです。

しかし、外食の場合には表示義務がありませんので、各自で焼いて食べる場合は気を付けなければなりません。

腸管出血性大腸菌O-157とは

腸管出血性大腸菌O-157とは、毒力の強いベロ毒素を産生する大腸菌の一種です。抵抗力の弱い乳幼児や小児、高齢者が感染すると、腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性のある溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発するなど重症となる場合もありますので、注意が必要です。

主に初夏から初秋に多く発生しますが、冬でも発生しますので一年を通して注意しなければなりません。

この菌は動物の腸内に生息しており、汚染された食肉やその加工品・飲料水を飲食することで感染します。特に加工された肉では表面だけでなく中まで腸管出血性大腸菌O-157菌が入り込みますので、充分な加熱を必要とします。サイコロステーキを焼く時、中途半端な焼き加減では危険です。

成形肉の危険性

サイコロステーキだけでなく、ステーキやしゃぶしゃぶの肉にも成形肉が使われていることがあります。見た目で見抜くのは難しいようです。なぜなら。今は技術が進んでいて、プロでも見分けるのは難しいのです。

破格のしゃぶしゃぶ食べ放題や激安ステーキなど、常識的に考えてあまりに安すぎる店は警戒して下さい。お店の方に成形肉かどうかを確かめ、食べる時にはしっかり中まで火を通すようにしましょう。

サイコロステーキ、ベーコンやソーセージ、ハムやスパムなどの加工肉には、一概に塩分が多く含まれています。日本人は諸外国に比べて塩分の摂取量が多いとされ、健康な成人が目標とする食塩の摂取量は、男性が8g未満、女性が7g未満ですが、実際は10g以上摂取しています。塩分の摂りすぎは心臓病や脳卒中のリスクを高めます。

サイコロステーキによる食中毒の実際例

事例①・・2009年に、とあるレストランで「成形肉のサイコロステーキ」により、食中毒が発生し問題になった事がありました。「成形肉」は加工の特性上内側の肉も空気に触れてしまっているため、内部に雑菌が繁殖し、また十分な加熱がされていなかったので、食中毒がおきてしまったとされています。

事例②・・2012年11月30日判決によるとペッパーランチを提供する原告は、高温に熱した鉄板の上に生肉等をのせた状態で提供し、顧客が好みの焼き加減でこれを食べるというサービスを提供してきたが、成形結着肉のさいころステーキを提供開始したところ、サイコロステーキにO-157が混入しており、加熱が不十分なまま食した顧客らが食中毒を起こしました。結果、営業上多大な損失を被ったとして、PL法に基づく製造物責任、不法行為責任、保証責任に基づき食肉業者を訴えたということです。

とても安価で美味しい「形成肉のサイコロステーキ」ですが、普通の牛肉同様にレアでも大丈夫と思わずに、しっかりと中まで火が通っていることを確認してから食べることをお勧めします。

どうしても食べたい時は

今や、私たちの生活に必要不可欠な食材の一つになっている加工肉ですが、栄養的には食べる必要はないようです。どうしても食べたい時には、食べ過ぎず、そしてしばらく食べないようにしましょう。「野菜を一緒に食べれば大丈夫」ということはありません。

「タンパク質が必要だから肉も食べなければ」とよく言われます。確かに肉にはタンパク質が多く含まれていますが、タンパク質は大豆や卵にも入っています。魚や野菜を中心とした和食を食べていれば、肉類から摂らなくても栄養が不足することはないようです。

健康リスクが指摘されている食品は、できるだけ避けましょう。最近は、添加物を使わずに作られている加工食品もありますから、より健康にいいものを子供や家族に食べさせたい、自分も食べたいという感覚を忘れないようにしましょう。食に関する正しい知識を摂り入れ、より健康的な生活を送りましょう。

私たちの体は、「食べたものでできている」そんな当たり前のことが大事なのです。

最後にこれまで話した3つをまとめると…

1.「成形肉」とはお肉の加工の段階で出てくる、くず肉や内臓肉をまとめて一つにしたものです。プロでも見分けがつきません。安さにはからくりがあることを忘れないようにしましょう。

2.加工の際に使われている「軟化剤」や「結着剤」は、「成形肉」だけでなく私たちが普段口にする身近な食材にも使われていますので、加工食品は出来るだけ避けましょう。

3.安価で美味しい成形肉ですが、食べる際はしっかりと中まで火が通っていることを確認してから食べましょう。

4.食べたとしても、続けて食べないように。「野菜と一緒に食べれば大丈夫」ではありません。

腸内環境を整えましょう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。私たちは毎日体に良いものを食べていますが、同時に悪いものもたくさん食べています。

有害な物は体から排出する働きも腸内にはありますので安心なのですが、腸内環境が悪くなっていると、その機能が十分に果たせなくなって、体に吸収されてしまいます。

結果、重篤な病気、慢性的な下痢をはじめ様々な体の不調をきたします。ですから腸内環境をしっかり整えておくことが健康の秘訣です。

腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。