下痢になったらどうする?

下痢の原因・下痢になったらどうすればいい?
急に下痢になると何かと慌てるものです。 不安になり、すぐ薬を飲んだりしてしまいます。 しかし、慌てずに落ち着いて、下痢の原因を考えてみることが大事です。

その下痢は薬が本当に必要なのか、薬で治まる下痢なのか、それとも薬を飲んではいけない下痢なのか。 それぞれ下痢の原因に対する理由があるからです。


目次

①突然嘔吐と下痢が一緒にやってきた時   ②細菌性の感染症下痢   ③ウイルスと細菌の違い  ④細菌性の下痢はうつらない?  ⑤ウイルス性、細菌性下痢の治療法の違い  ⑥下痢になると吐き気や嘔吐の症状も出るのはなぜ?  ⑦嘔吐下痢の症状が激しい時  ⑧他に移らないようにするには  ⑨下痢になっても自己判断で薬は飲んではいけない  ⑩下痢の予防方法等はあるのでしょうか?  ⑪家庭での下痢時の注意点  ⑫注意しないといけない下痢  ●下痢の改善は腸内環境から


下痢になったら、どうしたらいい?

下痢に対処するには、その原因を知らないといけません。 まずは落ち着いて下痢の状態、回数、思い当たる下痢の原因を考えてみましょう。

①突然嘔吐と下痢が一緒にやってきた時

そのような場合、原因の殆どは「感染症胃腸炎」だと考えられます。 急に起こった下痢の90%以上が感染症と考えられており、ウイルスや細菌が原因である事が多いと考えられています。
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②細菌性の下痢とウイルス性の下痢も感染症下痢

感染性胃腸炎はウイルスや細菌に感染して起こる下痢や嘔吐などの症状が主です。 感染した菌の詳細が分かっている場合には細菌性胃腸炎やウイルス性胃腸炎などと呼ばれることもありますが、特徴的な症状が出ないかぎり、菌の特定を行わないため、ほとんどの場合、同じ「感染性胃腸炎」として扱われます。

同じ名前「感染症胃腸炎」として呼ばれるだけあって、どちらの胃腸炎も症状はほとんど変わりません。 下痢や嘔吐、熱などの症状が一般的です。 感染したウイルスや細菌の種類によっては特徴的な症状が出る場合があります。
例えば、
ロタウイルスに感染すると、便に色を付ける胆汁が分泌されにくくなるため、白い水下痢が大量に出ます。 これは1回では収まらず、何度も繰り返します。 O157等の病原性大腸菌(出血性大腸菌)に感染すると、血便が多く見られます。 胃腸炎で血便が出る事自体が稀なので、血便が出た時点で出血性大腸菌を強く疑います。 大腸でO157等の菌が繁殖すると、腸の粘膜を破壊します。(ベロ毒素という毒を発生させるため。) その結果、腸から出血して血便になってしまうのです。
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③下痢の原因となるウイルスと細菌の違いとは?

そもそも、ウイルスと細菌は根本的に違います。細菌は生きていて、自分自身で増殖することができます。 しかし、ウイルスは自分自身では増殖できず、生きた細胞を乗っ取ることで増殖します。まるでコピー機のように自分を複製し増殖します。 下痢の原因となるウイルスは、ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルス・アストロウイルス・コロナウイルス・コクサッキーウイルスなど多岐に渡ります。

細菌は、自分自身で繁殖するため、食べ物などに付着して栄養を吸い取り、どんどん増殖していくのです。 また、その性質の違いから、薬の効果にも違いがあります。これが最もわかりやすく大きな違いです。 薬の代表である「抗生物質」は、細胞のしくみを利用して効くものなのでウイルスには効きません。 風邪やインフルエンザで抗生物質が処方されないのもこのためです。 「細菌」は細胞を持った微生物です。細胞分裂によって増えます。 「菌」の仲間として、きのこやカビなどを考えるとわかりやすいでしょう。 「大腸菌O-157」は細菌で、非常に恐ろしい毒素を発生します。

細菌性胃腸炎の場合、抗生物質を使って菌を殺すことができますが、有害な細菌を殺すと同時に腸内の乳酸菌などの善玉菌も死んでしまうため、下痢の症状は続きます。
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④細菌性の下痢はうつらない?

ウイルスも細菌性の下痢であっても同じように人にうつります。 ですが、細菌性の下痢はウイルスに比べると人から人への感染はかなりしにくいので、基本的には感染しないと考えられています。

ウイルスの場合、飛沫感染や接触感染の危険があります。 吐瀉物や便にはウイルスが混じっていますので、十分に手を洗わないと、感染してしまいます。

細菌の場合、やはり食べ物を介した感染になります。 菌が大量に繁殖したものを色々な人が食べ、一斉に感染します。 小学校の給食で集団感染するのもこのためです。 ですが、O157の場合、発症菌数がとても少ないため、食べ物以外からでも感染してしまうので注意が必要です。 ウイルスと同じように、ドアノブや電車の吊革などを触って手を洗わないまま飲食すると、感染する可能性があります。
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⑤ウイルス性下痢、細菌性下痢の治療法に違いは?

ウイルス性胃腸炎の場合も細菌性胃腸炎の場合も、薬を使って下痢を止めたりはせず、十分な水分補給と絶食、そして休息が基本です。自然治癒を待ちます。 細菌性の場合は抗生物質が有効ですが、症状の診断だけで原因が細菌かウイルスかを特定するのは難しく、抗生物質には副作用があるため、よほど症状が重症じゃないかぎりは、あまり処方されません。 抗生物質を使うと腸内の善玉菌まで殺してしまい、腸内環境のバランスが崩れます。

そのため、下痢がさらに悪化してしまうのです。 ですから、薬はあまり処方せず、とにかく水分を補給して自然治癒に任せることになります。 他にも、解熱剤や制吐剤を用いることも有りますが、熱や嘔吐というのは原因菌を殺したり、体外に排出するための防衛反応ですので、できるだけ服用しないのが良いとされています。
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⑥下痢になると吐き気や嘔吐の症状も出るのはなぜ?

感染症性胃腸炎は、胃腸に侵入したウイルスや細菌が胃腸の働きを悪化させることで、急な嘔吐や下痢などの症状が現れます。腸の動きや炎症が改善されると悪心・嘔吐は軽快していきます。
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⑦嘔吐下痢の症状が激しい時

嘔吐と下痢があまりにも激しいと病院にも行けませんので、ある程度嘔吐と下痢が治まったら動くようにしましょう。 しかし、子供の場合は脱水になりやすいので、嘔吐が頻繁に続く、熱が出る場合は、脱水を起こしている可能性がありますので、すぐに病院に連れて行ってください。

場合によっては点滴などで水分と栄養分を補給する必要もあるからです。 下痢が激しい時は脱水が進行しないように心がけることがとても大切です。 また、大人でも熱が高い、嘔吐や下痢がなかなか治まらない、けいれんやしびれがあるなど普段の下痢と違う点がある場合、個人での判断は大変危険です。 必ず病院にかかるようにしてください。
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⑧他に移らないようにするには

ウイルス性の場合、周りに感染しないよう注意しなければなりません。 接触感染、嘔吐物や便からの感染が考えられますので、それらの処理には気をつけましょう。 嘔吐物や便が乾燥するとウイルスが空気中を飛び、空気感染する可能性もあります。 具体的には、徹底した手洗い、次亜塩素酸ナトリウムによる環境の消毒、嘔吐物や排泄物の処理の際のゴム手袋着用、食事の充分な加熱などを予防策の例として挙げることができます。 小さいお子さんの場合は衛生概念が乏しく感染が拡大することも少なくありません。 また、脱水症状を来しやすい側面もあります。予防策としてできることをおこないながら、病気を発症した際には少しずつでも水分を摂取できるよう促すことがとても大切です。
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⑨下痢になっても自己判断で薬は飲んではいけない

また、自己判断で下痢止めを飲んではいけません。 嘔吐や下痢はウイルスや細菌が胃や腸で炎症を起こさせているために発生してしまうのですが、それらを体の外に出すために必要だからです。 薬を飲む時にはお医者様の指示通りにして下さい。
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⑩下痢の予防方法等はあるのでしょうか?

ウィルスや細菌が体内に入って来ても腸内で増殖しない様に、あるいは素早く排出することができるように、普段から腸内環境を整えることが必要です。 整腸剤は、腸の調子を整え、善玉菌を増やします。主な成分が乳酸菌ですので、服用しても問題ありません。 むしろ、乳酸菌は感染性胃腸炎の原因菌を排出するのに有効とされています。 感染症によって下痢が起こると、腸内の善玉菌が著しく減るため、下痢症状だけ長引くこともあります。 乳酸菌を摂取することで感染症を防ぐことはできませんが、感染してしまった時に役立つので、日頃から乳酸菌など腸内善玉菌を摂取しておくのはとても良いことです。
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⑪家庭での下痢時の注意点

●水分補給
水分補給は下痢の治療の最重要事項です。 下痢に嘔吐が伴う場合は、一度に大量の液体を飲むのではなく、少量を頻繁に飲むことを心がけましょう。 湯冷まし、野菜スープ、鶏肉や牛肉からとったコンソメスープ、味つきミネラルウォーター、電解質を補う水分補給用飲料などで補給することが大切です。
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下痢が非常に激しい場合には1~2日間絶食しましょう。 下痢の最中は水分と共に体が必要とするビタミンやミネラルが失われます。 消化の良い物を摂りましょう。

湯冷まし、番茶などを十分とるとともに、重湯、くず湯、うす味のみそ汁、野菜スープ、酸味の少ない果汁などの流動食から、さらに順次、粥食へと移行していきましょう。 食事は吐き気が治まったら、あるいは最初から吐き気がない場合はバナナ、お粥、すりおろしリンゴなど消化の良い食事をしましょう。 これらの食品は刺激が少なく、どれも食物繊維が少なく、便を硬くするなど、これ以上お腹の調子を悪くすることがない食品です。 バナナは下痢により体から失われたカリウムを補給します。
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水分補給に適した液体にはカフェインを含まない飲料が最も効果的です。 カフェインには多少の利尿作用があります。下痢の時にはそれ以上体から水分を失わない飲料を選びましょう。 下記はカフェインを含む飲み物150ml中の成分です。
・玉露180㎎ ・コーヒー(ドリップ)100㎎ ・コーヒー(インスタント)75㎎ ・栄養ドリンク75㎎
・抹茶45㎎ ・ココア45㎎ ・緑茶 30㎎ ・紅茶30 ㎎ ・ウーロン茶30㎎ ・ほうじ茶30㎎
・コーラ15㎎
目次へ ●いつもより睡眠をたっぷりとる
治療というよりは当たり前なのですが、下痢を治すためには十分な睡眠が必要です。 下痢は病気に伴う症状ですから、下痢になるということは体がウィルス等と闘おうとしていることを示しています。 免疫機能を高めるためには十分な睡眠や休息を取ることが大事です。 細菌やウィルスに対する抵抗力(免疫力)は、睡眠中に維持・強化されています。

そのため、睡眠時間が減ったり、細切れにしか眠れなかったりする状態が続くと、身体の免疫力が落ちて、下痢の回復が遅くなったり、又風邪やインフルエンザにかかりやすく、かつ治りにくくなってしまいます。 風邪やインフルエンザになると眠くなるのも、免疫のはたらきに関係しています。ウィルスに感染した細胞やウィルスを退治しようとする細胞は、「サイトカイン」という物質を出します。 サイトカインは熱に弱いウィルスを殺そうと、体温を上げます。 一方で、他の活動を止めてウィルスとの戦いに専念するため、身体を休ませようとして眠気を強くするのです。 ですから、免疫力を高めて下痢の改善を早めるには、充分な睡眠が必要なのです。 下痢が長びくときには、激しい運動や仕事、とくにストレスの原因になるようなことは避け、精神的に安静を保つことが必要です。
目次へ ●体を冷やさないようにする
下痢が持続すると、体液の喪失と頻繁な排便行動によって体力の消耗が増します。 消化管の炎症性疾患ではない場合の下痢では、腹部の保温(腹巻・温罨法)を行い交感神経に働きかけ、蠕動運動を抑制するよう心がけましょう。 また、全身の循環を促す入浴は温浴刺激を与える有効な手段です。 下痢によってアルカリ性の腸液の刺激を受け、肛門周囲の粘膜や皮膚のびらんを生じやすいので、入浴すると肛門の清潔が保たれます。

又ゆっくり風呂に入る事で血液循環を促します。
目次へ ●手洗い
下痢の中には人に感染する病気もありますので、排便のあとは、よく手を洗う習慣を身につけましょう。 洗い残しのない手洗いをしましょう。頻繁に石鹸で洗う必要はありません。
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⑫注意しないといけない下痢は

多くは感染症による下痢で、自然に治るのですが、下痢がずっと慢性的に続く場合には 感染症以外の下痢の可能性もあります。 その中でも注意が必要なのが ①大腸癌 ②潰瘍性大腸炎やクローン病 ③過敏性腸症候群 があります。 これらの診断は、消化器専門の先生にかかって、大腸検査をして診断されます。 下痢が続く場合は、一度近くの専門の先生にかかる事をお勧めします。
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下痢の改善は腸内環境から

健康は何といっても腸が元気であれば、つまり腸内環境が正常であれば、たとえ腸内に悪いものが入ってきたとしても、腸内で増殖しない様に、あるいは素早く排出することができます。 下痢にならい、もしくは軽くて済み早く治ります。 そのためには普段から腸内環境をしっかり整える事が大切です。 腸内環境を整えるのに必要なサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。

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