下痢の原因・・便秘薬(下剤)から下痢に
下痢の原因は様々です。生活環境や食習慣などで下痢の原因となることが多々あります。ストレスの多い環境では過敏性腸症候群で下痢に悩まされるなど、日常生活に支障をきたしています。
また最近では、若い人たち特に女性に多い便秘悩む人たちが、便秘に効くからと食しているうちに慢性的な下痢に、あるいは下剤を使っているうちに慢性的な下痢になってしまい、下剤が慢性的な下痢の原因になったという声も聴きます。
便秘薬にはいくつかの種類があり、それぞれ効果を発揮するメカニズムが異なります。市販されている便秘薬をいくつかのタイプに分けてみました。
刺激性下剤
腸に刺激を与えることで便秘を解消する便秘薬です。市販薬ではコーラックやセンナの製剤が有名で、効き目が強いことで知られていますが、腹痛や下痢が最も起こりやすい便秘薬でもあります。
膨張性下剤
機械性下剤の一つです。腸に刺激を与える成分にプラスして、食物繊維も配合されている便秘薬です。水と食物繊維が便の量を増やすことで、排便を促します。市販薬ではウィズワンやスルーラックデトファイバーなどが有名です。
塩類下剤
機械性下剤の一つです。酸化マグネシウムをはじめとした「マグネシウム」を主成分とした便秘薬です。こうした塩類による働きが、腸内に水分を集めて排便を促します。市販薬では、スラーリアやミルマグが有名です。
便秘薬(下剤)で腹痛や下痢が起こる原因
便秘薬の働きが腹痛や下痢を招く原因は、いくつかあります。
①腸の活動が活発
便を排出するための腸の運動(ぜんどう運動)が活発になり過ぎると、下痢や腹痛の原因となります。特に刺激性下剤の便秘薬に多い副作用です。
便意を我慢する人がかかりやすい直腸性便秘や、ストレスによって腸が痙攣する痙攣性便秘の人は特に気を付けるべき副作用とされています。
②腸内に水分が増えた
便を出すためには、便を柔らかくするのに腸内の水分を増やすことが欠かせません。しかし水分が増えすぎたり、吸収が追い付かなくなると下痢や腹痛の原因となります。
刺激性下剤は腸を刺激することで便と水分を強制的に排出します。そのため、腸が水分を吸収する前に排便が促され、こうした副作用が起こります。
比較的副作用が少ないとされる機械性下剤でも、腸内の水分が増えすぎるとこうした副作用が起こるので、注意しましょう。
過敏性腸症候群(IBS)による便秘から
過敏性腸症候群(IBS)とは、お腹の調子が悪いからと病院で検査を受けても、原因が見つからない体調不良です。
「人前でお腹が鳴ったら恥ずかしい」、「ガスが出てしまったらどうしよう」といったお腹に関するデリケートな悩みを抱えやすい若い世代に特に多いとされています。
過敏性腸症候群(IBS)の人の腸は便秘薬の刺激に非常に敏感です。そのため便秘と下痢を交互に繰り返す体質となる可能性があります。
ポイント
便秘薬で腹痛や下痢が起こる原因は、腸への過剰な刺激や水分過多にあり!このほか過敏性腸症候群が原因で便秘になっている人は、下剤の刺激が腸に悪い影響を与えることもあります。
腸内環境が悪化したため腸内での正常な水分調整が出来なくて慢性的な下痢に移行する場合がありますので注意しましょう。
便秘薬(下剤)による腹痛や下痢のリスクを減らす3つの対処法
便秘薬を飲む以上、完全に腹痛や下痢といった副作用を回避することは難しいでしょう。
そうはいっても外出先で突然、こうした痛みに襲われるのは避けたいところですよね。ここでは便秘薬による腹痛や下痢のリスクを少しでも減らすための対処法をご紹介します。
① 少量から試す
便秘になって初めて薬を飲むときは、少量から試しましょう。錠剤タイプは用量が3~6錠など幅広く定められているので最も少ない量から始めるとよいでしょう。
また、薬に含まれる有効成分の量が少ないものを選んで買うこともおすすめです。
このほか市販の便秘薬で有名な「コーラック」では、初めて使用する人用の「コーラックファースト」や効き目を調整できる「コーラックⅡ」など、さまざまな悩みに対応した便秘薬が販売されています。
薬剤師に相談しながら、便秘の重度に合わせて自分に適した便秘薬を選ぶのもおすすめの対処法です。
② 刺激性下剤の使用をできるだけ控える
便秘薬には依存性があるため、同じものを飲み続けていると定められた用量では効果を得られなくなる可能性があります。
特に効果も副作用も強い刺激性下剤に依存してしまうと、腹痛や下痢だけでなく、腸閉塞をはじめとした重篤な副作用を招く恐れがあります。
刺激性下剤の使用は、腸内で硬くなった古い便を出すための初回~数回程度にとどめましょう。その後は副作用が少ない機械性下剤に変えると良いでしょう。
しかし、機械性下剤もまったく副作用がないわけではなく、長期の使用は禁物です。
便秘を根本的に改善するためには、便意を感じたらすぐにトイレに行く習慣や、食生活・運動などの見直しも行いましょう。
③ 腸内環境を整える
便秘薬による副作用を避ける対処だけでなく、便秘薬の使用頻度を減らすための対処も大切です。
便秘がちの人の腸は腸内環境が悪く、善玉菌に対して悪玉菌が多すぎる傾向にあります。
悪玉菌はガスを発生させるので、便秘だけでなく、お腹の張りや腹痛なども招きます。オリゴ糖やビフィズス菌、乳酸菌を含む食べ物を積極的に摂ることで善玉菌を増やしましょう。
また腸内環境を整えるサプリメントなど利用するのも手っ取り早い方法です。上手に利用しましょう。