病原体として細菌・ウイルス・寄生虫・毒素などによる下痢が挙げられます。
渡航者下痢・・・病原体による下痢の場合
その時の体の調子による抵抗力の低下が引き金になり、下痢を起こします。細菌による食中毒、腸炎ビブリオ、ナグビブリオ菌、サルモネラ菌、ウェルシュ菌、クリプトスポリジウム、キャンピロバクターなどの事例が多く見られます。
この他、病原性大腸菌、セレウス菌、A型肝炎、アメーバ赤痢、赤痢、腸チフス、コレラ、貝毒などによる症例もあります。
伝染病に該当する場合は現地の医療機関で診察・治療を受け、帰国後は検疫所で申告しなければなりません。
対策:
下痢で危険なのは、水分と電解質の損失による脱水症状なので、コレラなどの重大な感染症でも適切な水分補給で脱水症状を防げば、高い確率で重症化を回避することが出来ます。
下痢の治療のための水分補給では、単なる水では効果が期待できず、糖分と塩類濃度の溶液を摂る必要があります。その水分補給として粉末タイプのスポーツドリンクを2倍に薄く作ったものが最も好適で、その他ヤシ果汁や適当な菓子類を塩水で溶いたもの、あるいは薄めた海水等が利用可能です。
ただし、水分を補いながら半日程度安静にしていても回復しなければ、または患者が小児だったり、ひどい腹痛や高熱を伴う、排泄物に多量の血液が見られる、などの場合は早急に予定を変更し、医療機関にいきましょう。
もし帰国後も下痢の症状が続くようなら、早急に医師の診察を受けましょう。
その他、渡航中の下痢の原因
病原体以外にも、旅行中にはひどい下痢になる場合があります。
ただ単に俗にいう外国の水や食物が「あわなかったから下痢になったのよ」という人もいますが、この事は渡航者が外国の細菌や微生物への耐性や免疫力が低かったり、外国特有の食材・物質・成分の処理能力が備わっていないということになります。
つまり胃腸の働きが弱くなっていたと言う事もあります。また、外国ならでは多量な使用量や、成分濃度にたいして体が処理しきれないこともあります。
食事の時に手洗いをしなかったなど、接触による細菌感染の場合もありますので、手洗いを十分心がけましょう。
下痢改善には腸内環境を強化
有害菌は総ての人の腸内に棲息しています。腸内環境のバランスが何らかの原因で崩れた時に、有害菌は発生しやすい環境となります。
また、有害菌が多い環境では外から入ってきたO-157等の有害な菌も増えやすい環境になり、食中毒なども起こしやすくなります。
また、常に腸内環境が悪いと、腸内での正常な働きが出来なくなるので、健康を損ないひどい下痢が続いたり、様々な病気の原因になっていきます。
下痢になっている人、下痢になりやすい人は腸内環境を強化しましょう。下痢の改善は一段と早くなります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に賢く利用しましょう。