下痢の原因になる果物

下痢の原因は精神的、病的、食べ物、環境など、その人その人によってまちまちです。

人によっては下痢の原因がいくつも重なることがあり、原因が分からずに長年苦しんでおられる方がいらっしゃいます。実は思いもしなかった食べ物が原因だった、ということもあります。

下痢になった、あるいは慢性的に下痢が続くという方は、まず日常生活をよく観察してみることから始めてみてください。どこかに必ず下痢のサインが現れているはずです。

下痢の原因は果物に?

例えば下痢の原因が果物の場合があります。朝食や食後のデザート、間食に食べている人も多いでしょう。しかし、種類によっては下痢を引き起こしやすいものもありますので、お腹が弱い人は気をつける必要があります。

バラ科の果物

少量なら問題ありませんが、バラ科の果物は食べすぎに注意が必要です。バラ科の果物にはソルビトールという糖が含まれています。

ソルビトールにはお腹をゆるくする作用があるため、食べ過ぎると下痢を引き起こす場合があります。

バラ科の果物といえば、桃や梨、さくらんぼなどです。

ただし、桃には整腸作用のあるペクチンも含まれているので、下痢の時に少量食べるのは良いとされています。

代表的なバラ科の果物プルーン

便秘によいとされているプルーンもバラ科の植物です。前述のソルビトールがたくさん含まれているため強力な緩下作用があり、 食物繊維も豊富で便秘解消にはおすすめのフルーツです。逆にお腹の弱い人がプルーンを食べるとお腹がゆるくなりやすいということになります。食べるなら1日に2~3個くらいまでがよいでしょう。

ドライフルーツ

ドライフルーツは生のフルーツよりも食物繊維が多く含まれています。ドライフルーツに多く含まれる不溶性食物繊維腸のぜん動を促進させるはたらきがあるため、食べ過ぎると下痢を起こしてしまう場合があります。 繰り返しになりますが、特にプルーンは気をつけましょう。

スイカ

夏場は水分の補給にもってこいの果物ですが、水分が多いため、食べ過ぎるとお腹が冷えて下痢を起こすことがあります。一度にたくさん食べるのではなく、適量を何回かにわけて食べるように心がけましょう。

クエン酸の多いフルーツ

イチゴ、キウイフルーツ、パイナップルなど、クエン酸の多いフルーツはお腹が弱い人やお腹の調子が気になる時には避けたほうが良いでしょう。クエン酸が腸を刺激して下痢を引き起こしやすくなります。

柑橘系の果汁

柑橘系の果汁は、腸管への刺激が強いので、下痢を悪化させてしまうおそれがあります。みかんを多く食べた後、お腹が緩くなったという経験がある方もいるかと思います。

レモン、みかん、グレープフルーツをはじめとする柑橘系の果物は、美しくハリのある肌に必要で美白効果も期待でき、老化防止にもつながるビタミンCが豊富に含まれています。しかし、ビタミンCを多く摂りすぎると下痢の原因になります。 柑橘類に多く含まれるビタミンCやクエン酸は腸管を刺激して、腸の運動を活発化させます。柑橘系の果汁にもクエン酸などの有機酸も豊富に含まれているので、酸度が高い、つまりpHが低いので空腹時に摂ると胃が荒れる原因にもなります。

下痢に良いと言われるりんごとバナナは?

リンゴはペクチンが豊富に含まれていて便秘にも下痢にも良いとされている果物です。

便秘の時、ペクチンは便に水分を取り込んで、かさを増やし、腸のぜん動運動を促進させると共に、下痢の時には便の余分な水分を吸収して便の硬さを調整する役割もあるからです。 ペクチンは皮と実の間にたくさん含まれているので便秘の時は皮ごと食べるのが良いとされていますが、下痢の時は皮をむいてすりおろしたものを食べるのがお腹にやさしいでしょう。

バナナはお腹にやさしそうなイメージがありますが、不溶性食物繊維が多いためどちらかというと便秘の時に食べたい果物です。 下痢の時に食べるなら良く熟したものを食べるようにします。また、バナナは南国の果物ですので身体を冷やす作用があります。寒い季節には控えた方がよいでしょう。

 果物を食べる時のポイント

何でも食べ過ぎるのは体のために良くないことで、今回取り上げた種類以外のフルーツでも食べ過ぎるとお腹を壊す可能性があるので、食べるならば適量を心がけるようにしてください。 また、生の果物に含まれている酵素は食べた物の消化を助けます。そのため、胃腸の弱い人は日頃から生の果物を食べるようにすると、消化が助けられて消化不良による下痢を予防する効果も期待できるようになります。

その際には食後ではなく食前か食間に食べることをおすすめします。食後に食べるよりも酵素のはたらきが活かされますし、食後に食べると糖が発酵して消化不良を起こし、下痢しやすくなる場合があるからです。 もちろん果物は新鮮なものを食べるようにしてください。熟した果物は傷みやすく、食中毒による下痢を引き起こしてしまう場合もあるので注意しましょう。

何を食べても大丈夫なおなかになるために

食べた物が原因で下痢が続く場合、腸内環境が非常に悪化している時です。腸内が正常ならば腸内は正常な働きをして、多少の有害な物を食べても腸内で処分してくれますので、下痢には至らないことが多いものです。 同じものを食べても下痢になる、ならないの差は、腸内環境の良し悪しと言っても過言ではないでしょう。

下痢が続く方はまず、腸内環境を整えることにチャレンジしてみましょう。腸内環境を整えるのに最適なサプリメントもありますので、上手に賢く利用してみましょう。