下痢の原因はグルテン?

近年下痢になる、下痢が続く人が急に増加してきています。おなかが丈夫でない人にとって、下痢は日常的に起こるものかもしれませんが、病的な下痢でない限りさほど心配はなく、一過性の下痢である場合が殆どです。また、おなかが丈夫な人でも下痢になる可能性は誰もが秘めています。

下痢の原因はグルテン不耐症

人は食べて健康になりますが、すべての食べ物がそうだとは限りません。もしかすると、食べた物が有害だったり、体質に合わなかったりすることもあるでしょう。ですから、下痢の原因となる食べ物は自分で自分の身体の変化をよく観察してみる事が大切です。

人は食べ物をエネルギーに変えるため、消化、吸収、分解、合成など一連の代謝を必要としますが、この代謝を動かすには「酵素」が必要不可欠です。

酵素は食べ物ごとに適応する種類が決まっています。そのため、分解するための酵素が無いか、あるいは不足していると、食べ物の分解がうまくいかず、様々な症状が出てきます。

これを食物不耐と言います。「非アレルギー性食物過敏症」とも言われ、特定の食物を消化することが困難な病気がこれにあたります。

食物不耐症になる食べ物は数多くありますが、その中の一つにグルテン(小麦)があります。今回はこのグルテン不耐症が下痢の原因となる場合について考えてみましょう。

 

下痢の原因、グルテン不耐症とは?

食べ物が体に合わないときくと「アレルギー」なのかな?と思われるかもしれませんが、「不耐症」と「アレルギー」は大きく違います。

この違いは、病気の発症機構の違いです。アレルギーは「自分の免疫が過剰に反応して症状が出る」というもので、花粉症などがその例です。ところが不耐症の場合は免疫に関係がなく、グルテン(小麦)を分解する酵素を持っていないことが原因です。つまりグルテン不耐症とは「グルテンを分解する力がない」ということです。

グルテンとは小麦の中に含まれるたんぱく質の一種です。このグルテンの中に含まれるたんぱく質の「グリアジン」という主要成分に過敏に反応して身体に症状が現れるものです。

グルテン不耐症の人は、小麦を含む製品(パン、パスタ、うどんなど)を食べると体調が悪くなります。この不耐症が原因で慢性疲労、皮膚トラブル、下痢や便秘、PMS(月経前症候群)、うつになっていることもあります。

ですが、アルコールや牛乳と違って小麦の不耐症はあまり聞きませんので、ほとんどの人が不調に気づかず、なんとなく体調が悪いと感じながら日々を過ごしているというのが現状のようです。

 

グルテン不耐症の原因

昔の日本人にとって小麦はそんなに多く摂るものではなかったので、グルテンへの感受性はさほど高くなかったといいます。

ところが、最近は昔に比べると小麦を食べる機会も増えました。また、小麦の品種改良が進んだこともあって、グルテン自体の含有量が昔より多くなっていることから、グルテンによる問題がとても増えているのです。下痢の人の中にも、気づかないうちにグルテン不耐症を発症している人がいる可能性があります。

グルテン不耐症の人は次のような症状が主にみられるようです。

逆流性食道炎、腹痛、腹部痙攣、下痢、貧血、じんましん、吐き気、手足のしびれ、おならが臭くなる・・・など

小麦製品を食べた後にこれらの症状が現れる場合には、グルテン不耐症を疑った方がいいかもしれません。

グルテンアレルギーの場合は、基本的に口の中に入れた瞬間に起こりますが、グルテン不耐症の場合は、もう少し後で反応が起こります。

胃の中で反応を起こす人が4割、腸まで到達したときに反応する人が5割います。遅延型の場合は、腸に到達した後に出てくるので、72時間後に問題が起こることもあります。

 

グルテン不耐症の下痢を治すには

自分がグルテン不耐症だと思ったら、もちろん一番勧められるのは、小麦を除去する食事です。しかし、このグルテンを完全に除去することは大変難しいです。 現在、日本ではグルテンをつなぎに使っている食品が数多くありますので、出来るだけ小麦を材料にする食品だけでも避けてみましょう。

グルテンフリーの食材

最近はインターネットで、グルテンフリーと検索すると、グルテンを含まない食材を手軽に買えるようにもなりました。

豆や玄米で出来たパスタ、米粉で作られたお菓子やパン、おからで作られたクッキーなど、小麦を使わず、しかも美味しい食材が豊富にあります。

グルテン不耐症の方、もしくは疑わしい症状をお持ちの方は、食事をこれらグルテンフリーの食材に変えてみられるのがいいでしょう。

 

消化の最前線・腸を整える

グルテンフリーの食材を試す場合には、少なくとも一週間ほど続けてみて、体調に変化があるかみてみましょう。この時に、あまり疲れなくなった、なんとなく体調がいい、おならや便の臭いが変わった、と感じるようでしたら、グルテン不耐症だった可能性が高くなります。

また、それまで小麦を摂っていた人がグルテンフリーの食材に切り替えると、腸内環境ががらり変わります。この時に、納豆菌や乳酸菌といった善玉菌を一緒に摂り入れてあげると、腸内環境の改善がより促進されますのでおすすめです。

納豆やキムチ、ぬか漬け、ヨーグルトといった発酵食品

を摂るよう心がけましょう。またこうした食材が苦手という方はサプリメントなどで補うのがおすすめです。

最近は、高濃度の善玉菌をバランスよく配合した高品質のサプリメントもたくさんあります。善玉菌にもたくさんの種類がありますので、実際に試してみられて、ご自分のおなかに合う商品を探してみられるとよいでしょう。