下痢が続く原因はペット?

下痢の原因は非常に様々です。急性のものから慢性的な下痢になるものまで、日常生活の中で下痢の原因は数多く見られます。

下痢が続く原因・・・ペットによる下痢が原因

近年ストレス社会と言われ、ストレスが原因で下痢が続くなどが多く、ストレスを自分なりに解消して下痢を治そうという人も見られます。また、病院の薬に頼ったり、しかし一向に下痢が続く症状が改善されずに悩んでおられる方が多いものです。

中でもペットを飼い始めてストレスがなくなったという人はいますが、逆にストレスは軽減されたものの、下痢が続くようになったという人もおられます。

実はペットには下痢を誘発するクリプトスポリジウムをいう原虫を持っている事があり、激しい下痢や腹痛が起こる原因となる場合もあるのです。

まさか?と思われるでしょうがペットの糞が原因で下痢になるという事なのです。生物の種が違うと、病原体は感染しないといわれてきましたが、種を超えてうつる病原体があることがわかり、最近は人獣共通感染症と呼ばれています。これには多くの病気がありますが、ここではペットの糞から下痢の原因になる事についてお話いたします。

下痢の原因となるクリプトスポリジウムとは?

クリプトスポリジウム(Cryptosporidium )はウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管寄生原虫として知られてきたものですが、ヒトでの感染は1976年にはじめて報告されました。

1980年代に入ってからは後天性免疫不全症候群(AIDS)で死に至る下痢の病原体として注目され、そ の後ほどなく、健常者においても水下痢のような激しい下痢が続く原因となることが明らかとなった。

下痢が続く原因はペットとのキスに?

狂犬病以外の病気は病原体を口から入れることでおこる病気です。糞は適切に処理されていると思いますが、ペットは肛門を含め自分のからだの各所や、屋内外のあらゆるところをなめます。

したがって飼っている犬の病原体の状況と室内外の状況によっては、犬の口に病原体がついている可能性があります。また、飼い主の周囲にも病原体が付着していることがあります。

ペットの糞にでてくるクリプトスポリジウムという原虫は、免疫の弱い人に慢性で消耗性の下痢をおこします。犬の糞にこの原虫が発見されていますので、注意が必要です。

クリプトスポリジウムは世界中に広く分布しており、種々の動物の消化管に寄生し、ヒトを含めた一部の動物で下痢症の原因となっています。

免疫不全者では重篤な下痢症を引き起こし、この原虫に対する有効な治療法がないために時としてしんでしまう事もあります。

下痢が続く原因はクリプトスポリジウムのオーシスト

クリプトスポリジウムのオーシストは宿主体内で成熟が完了しており、糞便と共に排出された時点で感染能を持っている。

さらに本原虫のオーシストは強い塩素耐性を示すために、しばしば水道を介した集団下痢症を引き起こしています。

こうしたことから、クリプトスポリジウムは臨床上あるいは公衆衛生学的に現在最も注目される原虫となっているのです。

近年、クリプトスポリジウムの研究にも遺伝学的手法が盛んに取り入れられ、DNAレベルでの解析が行われており、すでに全ゲノムの塩基配列も明らかにされています。

こうした技術や情報が普及することで、各種遺伝子の塩基配列の相違と生物学的特徴に基づいてクリプトスポリジウム属の種の同定や型別を比較的容易に行うことができるようになってきています。

クリプトスポリジウムによる下痢の発生実例

実際、平成14年(2002年)の春先、クリプトスポリジウム症の集団感染が北海道で続けて2例発生しました。

1例目は、兵庫県洲本市内のA高校の生徒・教職員212名がスキー研修を目的とした修学旅行でニセコ、室蘭などを訪れ、帰宅後、129名が腹痛、下痢、発熱等の症状を呈し、31名が医療機関を受診しました。

2例目は、札幌市内の専門学校が室蘭のある宿泊施設で行なった新入生オリエンテーションで、参加者300名中170名が帰宅後、腹痛、下痢等の症状を呈し、37名が医療機関を受診しました。

室蘭保健所の検査によると、1例目と同様に食中毒の原因とされる細菌やウイルスは検出されず、患者の便13検体中6検体からクリプトスポリジウム原虫が分離されました。

さらに、2004年8月には長野県の合宿施設の埼玉県と千葉県の利用者200人あまりが下痢になった事例が発生しました。千葉県では発症者が利用したプールを介して2次感染も起きています。

激しい下痢等が続くだけでない

ヒトのクリプトスポリジウム症の症状と治療法
 一般論として、クリプトスポリジウムは種々の動物に寄生しますが、原虫種や遺伝子型に、また宿主側の種や年齢、免疫など身体の状態により臨床症状が異なります。

どの宿主でも下痢を主体とした症状を表わすというものではないようです。むしろ、症状が見られない動物のほうが多いようで、その中で人は症状がみられるグループに分類されます。さらに、患者の免疫状態により臨床経過は甚だしく異なります。

ヒトのクリプトスポリジウム症の潜伏期は4~10日程度で、主な症状は下痢(主として水様性)、腹痛、39℃を超えない発熱、悪心、嘔吐、倦怠感などで、下痢は軽度のものから1日に20回以上の激しいものまでみられます。

通常、症状は1~2週間程度で治まります。成人よりも小児のほうが、また初感染のほうが再感染よりも症状が重いです。HIV/AIDS患者などの免疫不全者では慢性、消耗性の下痢を表わし、時として致死的となります。通常は小腸のみに感染するが、HIV/AIDS患者では呼吸器や胆道系での感染も報告されている。
 

クリプトスポリジウム症の症状には患者の免疫状態による差はありませんが、症状が持続する期間と転帰は異なり、HIV/AIDS患者やその他の免疫不全患者では症状が長期に持続し、時に死に至ることがあります。

これまでにクリプトスポリジウム症の治療に関する多くの研究が行われてきたが、それにもかかわらず効果を示す薬剤が見出されていないため、治療は対症療法となります。

下痢の原因となる人のクリプトスポリジウム症の疫学

人のクリプトスポリジウム症の主な原因原虫は、ヒト型とウシ型です。ヒト型はヒト-ヒト間の感染環を有し、ほぼヒトの間でのみ伝播します。

ウシ型はヒト-動物間の感染環により、ヒトと動物の間で感染が成立します。下痢の原因となった原虫の遺伝子型を解析することで、感染源あるいは汚染源をある程度推測することができます。

クリプトスポリジウムによる下痢感染経路

クリプトスポリジウムはオーシストを経口的に摂取する糞-口感染ですが、感染経路として直接的に患者(患畜)との接触による感染と、飲食物を介した経路が知られています。

直接感染が原因の下痢:

家族内感染、託児所、デイケイアーなどでの集団感染、病院内感染、広義の性感染症、感染動物との接触(ペットや家畜、実験動物、牧場訪問)などの事例が報告されています。

飲食物感染が原因の下痢:

野菜、アップルサイダー(プレスしたリンゴの実入りジュース)や牛乳などを介したものや、水道水汚染による集団発生、河川や湖、プールでの水泳などを介した感染があり、特に水道水やプールを介した感染が問題になっています。

クリプトスポリジウムのオーシストは塩素耐性を示し、そのため、水道水に混入した場合でも不活化されることはありません。水道水を介した下痢症の集団発生が1983年から世界中で毎年のように報告されており、国内でも複数の事例があります。

水道水を介した事例ではどちらかの遺伝子型に偏るということはなく、ヒト型あるいはウシ型が検出されています。

旅行感染が原因の下痢:

クリプトスポリジウム症は輸入感染症としても重要です。海外において、衛生状態の悪い国や地域のみならず、多くの患者が発生している先進国もあります。

そのため、海外旅行中に感染し、旅行中あるいは帰国後に発症する例があります。英国ではクリプトスポリジウム症患者が年に3,000~6,000例に及び、患者の発生には春と晩夏から秋にかけての2つのピークがあります。

このうち晩夏から秋のピークは夏季休暇を過ごした海外で感染したことによるものと推測されています。

この時期の患者から分離される原虫はヒト型が多い傾向がある一方、春のピークは感染に対する感受性の高い子ウシの多い時期にあたり、ヒトが原虫に接触する機会が増えると推測されています。そのため、この時期はウシ型が優勢となる。

わが国ではクリプトスポリジウム症は感染症法の平成15年の改正により5類感染症(全数把握)に規定され、患者を診察した医療機関は保健所への報告が義務付けられています。

ペットを飼っておられる方で下痢の原因がわからない場合、まず犬が病原体に感染しているかどうかを獣医に検査してもらいましょう。次には犬が外界との接触で病原体をもらわないように配慮しましょう。飼い主は自分の手などをよく洗い、病原体を口に入れないようにすることが大切です。
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下痢の改善は腸内環境から

健康は何といっても腸が元気であれば、つまり腸内環境が正常であれば、たとえ腸内に悪いものが入ってきたとしても、腸内で増殖しない様に、あるいは素早く排出することができます。下痢にならなくて済みます。

下痢の改善には腸内環境をしっかり整える事が大切です。腸内環境を整えるのに必要なサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。