下痢の原因の一つとして、身体の変化があげられます。
年齢を重ねていくと、身体の回復力が遅くなったと感じたりするものですが、これは自然なことでもあります。
元気だと思っていても、若い頃と同じような体調管理では健康を損ないかねません。 50代は健康の曲がり角で、身体が大きく変化し始める年齢だからです。 50代になる頃から、それまで無縁だった下痢や便秘になったというケースが多く聞かれます。
下痢の原因は加齢に伴う腸の老化
今や時代は人生90年、100年という超高齢社会となりました。 50代からの体のメンテナンスが、後々のシニアライフを左右するといっても過言ではありません。ただ長生きするのではなく、健康で長生きすることが重要ではないでしょうか。 特に、腸の老化は排便に大きく関わってきます。加齢により下痢も便秘もしやすくなりますが、これは誰もが経験しうる道です。過剰に心配する必要はありません。
とはいえ、そのまま放っておいては、健康で長生きすることからはどんどん遠ざかっていきます。
加齢により腸の筋肉も衰えてきますし、内臓を包み吊り上げている膜もたるみ、下垂が起こります。 これにより腸全体がダランとした状態になってきます。それに伴い、腸の動きも鈍くなるのです。
便秘になる場合
大腸は1.5mほどの長さで、曲がり角が5箇所もあることで腸は体内に収まっています。 特に左右の脇腹肋骨下あたりは、ちょうど吊り橋の端と端のような感じです。 端っこだけがしっかり吊られている状態の腸が“ダラン”となることで、間に溜まっている消化物は停滞しやすくなり、曲がり角では空気が溜まりやすくなります。 また腸自体の動きも鈍くなり、便秘になりやすい状況が生まれます。
特に女性は男性よりも腸内が小さく、更に子宮や卵巣もあります。 長い腸を折りたたみ収めるスペースが狭いことになり、男性より曲がり角がきつくなっています。 そのため、下垂によって腸の消化物が停滞しがちです。 ですので、便秘になりやすいのです。
下痢になる場合
腸の中での食物の移動というのは、腸が収縮と弛緩を繰り返すことによって起こる蠕動運動によって行われ、まるで粘土をこねるように便が作られていきます。
ところが老化でこの動きに力が入らなくなり、粘土を上手くこねられなくなります。 腸の動きが鈍くなると腸にある老廃物がうまく運べなくなり、消化不良を起こし、下痢になりやすくなります。 このように腸の動きが悪くなることで、他の要因と複雑に関係しながら、下痢になる人もいれば、便秘になる人も出てくるわけです。
心配し過ぎるのもよくない
老化により腸の動きが悪くなるのは、どうしようもありません。 下痢気味であっても出血がなく、痔に気を配れているようであれば、若い頃のような理想的な排便には、あまりこだわらない方がいいでしょう。 こだわり過ぎると自律神経のバランスが崩れ、ますます腸の不調を招きます。下痢を過度に心配しないようにしましょう。
むしろ、老廃物が体にとどまること、つまり便秘の方が要注意です。 腸閉塞の最大の原因は便秘です。様々な面で体に悪影響を与えます。
寿命まで元気でいるために
日本人の平均寿命は男女ともに八十歳を超えました。ただ晩年を寝たきりで過ごしたり、病院への定期通院がやめられなかったりするなど、病気とは無縁で長寿を全うする方は珍しいのかもしれません。ですが、そんな病気にまみれた最後ではなく、元気で明るく晩年を過ごしたいと誰もが願うはずです。
生活習慣病の9割は腸が原因とされています。 下痢も便秘も腸内環境の悪化から始まります。ですから腸内環境を整えることはとても大切な事なのです。
年齢が重なってくると、食べる量や消化能力が落ちてきます。体力をつけるためにきちんと食事をしようと思っても、食が細くなれば思うように栄養を補給できないことも。そんな時は、積極的にサプリメントで栄養を補うのがおすすめです。栄養成分だけでなく、最近は腸活を目的とした腸内細菌配合のサプリメントも多く販売されています。
メーカーによって、配合されている菌の種類や量が違うため、比較や試供を使ってみた上で、自分のおなかに合った商品を選びたいものです。