下痢が続く原因は様々ですが、慢性的な下痢になると生活に支障がきたすほど辛いものです。
下痢が続く原因は水分出納バランスの異常
下痢は簡単に言えば便の中の水分が多すぎる状態のことです。ではなぜ、便の水分が多くなるのでしょうか。腸内では一日にどのくらいの水分を吸収するのでしょうか。
食べ物や水が口に入ってから出るまでの水分量は約9リットル位になります。つまり1日に9リットルもの水分が胃腸を通ります。そしてそのうち99パーセントは腸で吸収されます。ですから便中の水分は残りのわずか1パーセント(90g)程度です。腸内でこのような水分の出納バランスが少し崩れただけで、簡単に下痢になってしまうのです。
●一日9リットル水分の内訳
口から入る飲み物や食べ物の水分…1日およそ2リットル
消化液(唾液や胃液、胆汁、すい液、腸液など)…1日およそ7リットル
● 腸便中の水分はわずか90gの内訳
99%(8.91リットル)は腸で吸収するので、9-8.91=0.09リットル、残りはわずか0.09リットル(90g)となります。
では、どんなときに消化管の水分出納バランスが崩れるのか、下痢のタイプ別に見てみましょう。
1.浸透圧性下痢
・腸からの水分吸収が妨げられる
浸透圧の高い食べ物を食べると、腸で水分がきちんと吸収されないまま排便されるため、下痢になります。浸透圧の高い食べ物は炭水化物系の食べ物、甘いものなどです。
例えば桜餅、ジャム系、赤飯、」白米ごはん、肉まん、中華めん、小豆、乳酸菌飲料などが挙げられます。また人工甘味料を摂り過ぎたときなどに起こります。牛乳を飲むとおなかを壊す下痢も、これに当てはまります。
2.分泌性下痢
・腸からの水分分泌量が増える
腸は水分を吸収するだけでなく、腸液などの水分の分泌もしています。その分泌量が多いと当然、便の中の水分が多くなり下痢になります。腸の分泌量が多くなる原因としては、腸に入った細菌による毒素やホルモンの影響など、いろいろあります。
3.ぜん動運動性下痢
・腸の通過時間が短くなる
腸は、食べた物を排出するためにぜん動運動を繰り返します。腸が活発すぎると、食べた物が短時間で腸を通過してしまい、水分の吸収が不十分になって下痢をします。過敏性腸症候群のほか、甲状腺の病気(バセドウ病)などが該当します。
4.滲出性下痢
・炎症により滲出液が増える
腸に炎症があると、そこから血液成分や細胞内の液体などが滲み出て、便の水分量を増やします。また、腸からの水分吸収が低下することも関係してきます。クローン病や潰かいよう瘍性大腸炎などが該当します。
がん院生の下痢と内因性下痢
急性下痢と慢性下痢
消化管での水分出納バランスからみると、下痢は上記の四つに大別できますが、これとは別に、原因がからだの外から入ってきた物にあるのか(外因性)、それとも、からだの中で起きたことなのか(内因性)、という分け方もできます。例えば、暴飲暴食による下痢や食中毒による下痢は「外因性の下痢」ですし、過敏性腸症候群などは「内因性の下痢」です。
また、急に始まって短期間で治まる「急性の下痢」と、長く続く「慢性の下痢」という分け方もあります。一般に、急性の下痢は外因性、慢性の下痢は内因性です。いづれにしても腸は健康の要ですので、しっかりメンテナンスしなければなりません。下痢の状態は体が異常のサインを出しているにすぎませんので、重篤な病気になる前にしっかり下痢を改善しましょう。
下痢改善には腸内環境を強化
有害菌は総ての人の腸内に棲息しています。腸内環境のバランスが何らかの原因で崩れた時に、有害菌は発生しやすい環境となります。有害菌が多い環境では腸内での正常な働きが出来なくなるので、健康を損ない下痢をはじめ様々な病気になっていきます。
下痢になっている人、下痢になりやすい人は腸内環境を強化しましょう。下痢の改善は一段と早くなります。
また、食事改善とともに腸内環境を強化するのに必要なサプリメントを上手に利用しましょう。