オリゴ糖はその昔、母乳の中にある「ビフィズス菌を増やす因子」として発見された分子量の小さい糖です。
もっと分子量の小さい糖に「果糖」や「ブドウ糖」があるのですが、オリゴ糖はこれらのもっと小さな糖が繋がってできているものです。分子量や分子の構成で言えば、実は砂糖もオリゴ糖の仲間です。
オリゴ糖と言ってもいろいろあり、バナナやはちみつ、たまねぎ、ゴボウ、にんじん、にんにくなどさまざまな食品に含まれています。
商品として売られている「オリゴ糖」は、これらの原料からオリゴ糖と抽出したり、乳糖やショ糖などから工業的に作り出したもので、「お腹の調子を整える」という効果があるとされています。
オリゴ糖は胃や小腸で消化されずに大腸まで届き、ビフィズス菌のえさとなって腸内環境を改善する効果があります。
消化されにくく(難消化性)、低カロリーで血糖値を上げにくいため、ダイエットに活用したり、糖尿病の方の食事に用いられたりしています。
さて、消化されにくいのであれば、下痢を治すどころか下痢になってしまうのでは?と思われるかもしれません。実際、オリゴ糖を食べてお腹がゆるくなる方もいます。
下痢を改善したい場合には、摂取量に気をつけましょう。たくさんの量を一度に食べると、やはりお腹がゆるくなってしまいます。ただし、これは一過性のもので、オリゴ糖と摂取することにより乳酸菌が増えて腸内環境が改善されればなくなることです。
オリゴ糖のように「プロバイオティクス」(生きて腸に届き、人体にとって有益な働きをする微生物)を助ける働きをする物質を、「プレバイオティクス」と言います。
【プロバイオティクス】
生きて腸に届き、人体によい影響を及ぼす微生物。または、それらが入った食品のこと。
胃酸に強い乳酸菌、納豆菌など。
【プレバイオティクス】
プロバイオティクスを助ける物質のこと。消化しにくく、善玉菌のえさとなり、腸内環境を整える。
オリゴ糖や食物繊維など。
【アンティバイオティクス】
抗生物質。菌の活動や増殖を抑えるもの。
私達が食べる食べ物はある意味、微生物の培地として考えることができます。つまり腸の中にいる100種、100兆個の微生物(腸内細菌)のために食べていることになるので
これらの腸内細菌達、特に善玉菌が私達のためにしっかり働いてくれるために必要な食べ物は腸が喜ぶ酸性の食べ物です。酸性の食べ物が豊富にあれば、善玉菌はどんどん増え、悪玉菌が増える場所がなくなり、腸内は善玉菌優勢の良い環境になります。
また、腸内を酸性にし、病原菌をやっつけてくれたり、免疫力を高めてくれます。
食べ物の消化・吸収を促進し、ビタミン合成、腸管運動を促進などの働きをします。
こうした善玉菌の働きで、腸内環境は良くなると排便がスムーズになり下痢が改善されるのです。