下痢の原因はサラダ? 安全に楽しむために知っておきたいこと

「生野菜で下痢になるなんて」と思う方もいるかもしれません。

しかし、サラダや生野菜には食中毒のリスクが潜んでいます。特に夏場や体力の落ちている方、高齢者や子どもは注意が必要です。ここでは、生野菜が原因で起こる下痢や食中毒、そして予防のための工夫をまとめます。

生野菜に潜む食中毒菌

①カンピロバクター

鶏肉や牛肉、野菜に付着しやすく、冷凍や冷蔵でも長く生き残ります。感染すると2~3日後に頭痛・発熱・腹痛・激しい下痢が出現。重症化すると「ギラン・バレー症候群」を起こすこともあります。

 

②病原性大腸菌

代表的なのが「O-157」。わずか10個ほどでも感染し、強力な毒素で血便や腹痛を引き起こします。重症化すれば腎障害を伴うHUS(溶血性尿毒症症候群)になる可能性もあります。

 

③エルシニア

聞きなれない細菌かもしれませんが、4℃程度の低温でも発育することができ、豚肉や野菜に付着していることが多い菌です。腹痛・下痢・発熱を起こします。

 

④リステリア

低温塩分にも強く、保存食の中や冷蔵庫内でも増殖してしまう細菌です。健康な人は無症状でも、妊婦や高齢者は流産や髄膜炎を引き起こす危険性があります。

 

生野菜を安全に食べる工夫とは

1、しっかり洗浄・消毒する

流水で丁寧に洗い、調理器具などもきちんと洗浄されたものを使用します。特に包丁やまな板など、肉類と同じものを使用しないようにするか、調理の順番を工夫して肉類についている可能性が高い食中毒菌が生野菜につかないようにしましょう。

 

2、保存容器の衛生管理

煮沸消毒した容器に入れ、清潔な状態で保存します。作り置きはなるべく早く食べきるようにします。

 

3、新鮮な食材を選ぶ

傷みや変色のない野菜を選び、肉や魚と接触しないよう袋を分けて持ち帰るようにしましょう。

 

4、持ち運び時の工夫

暑い時期は保冷剤保冷バッグを活用します。異臭や変色を感じたら、思い切って廃棄する勇気も必要です。

食生活と腸内環境は密接な関係

下痢の改善には、食事の選び方も重要です。

カット野菜や加工食品は簡単に食べることができて時間がない時は便利ですが、代わりに保存料などの添加物が気になるところ。農薬不使用の野菜や無添加の食材を選ぶことが理想ではありますが、自分の生活環境、生活リズムに合わせて、できることをやっていきましょう。

すべてを完璧にする必要はありません。商品ラベルを確認し、原材料に注意する習慣をつけるだけでも違います。

さらに大切なのが 腸内環境の改善です。あのヒポクラテスも「すべての病気は腸から始まる」と言っています。腸には免疫細胞の大部分が集まっており、腸内環境が整えば下痢や感染症にも強くなるからです。

発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)は善玉菌を増やす助けになりますが、十分な量を毎日摂るのは難しいものです。その場合は高濃度の善玉菌サプリメントを生活に取り入れるのも賢い選択です。

食べ物と腸の健康は毎日の生活の土台。少しの工夫で、未来の健康を守ることができます。