爽やかな飲み口だけど……炭酸水と下痢の話

下痢は便器の汚れや匂いなど、ただでさえ不快な思いをします。また、それだけではなく、いつ催すかわからない恐怖心、出かけることに対する不安感など、ともすれば生活に支障をきたす可能性も孕んでいるのが下痢の怖さです。

一刻も早く下痢の原因を解明し、改善したいものですよね。下痢の原因と一口に言っても実に様々なものがあります。

このページでは、身近な食品である炭酸水が下痢の原因になる可能性をみていきたいと思います。

 

炭酸飲料が下痢の原因

炭酸と聞くと炭酸飲料であるジュースを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。そのほか、ダイエット目的で炭酸水を常飲しているという方もいらっしゃるかもしれません。

コーラやサイダーに代表されるような炭酸飲料の多くはさっぱりとした飲み口ですが、その実たくさんの糖類が入っており、果汁はほとんど入っていません。加えて着色料香料も入っています。甘味料を始めとする食品添加物も下痢の原因としては有力候補ですので、お腹の弱い方は、炭酸飲料は避けた方が無難といえるでしょう。

無糖の炭酸水でも下痢の原因に

しかし、ジュースではなく水に炭酸を溶かしただけの炭酸水でも下痢の原因になります。炭酸水自体が腸を過剰に刺激してしまうため、排便が促され、トイレの回数が増えてしまうのです。

そうしたことから便秘の場合には、炭酸水が良いと言われる場合があります。実際、積極的に炭酸水を摂られる方も多いようです。便秘気味の方や、お腹が強い方が炭酸水を摂るのは効果があるかもしれませんが、胃腸に自信のない方にはお勧めはできません。なにより、炭酸水は飲む量を間違えると、健康どころか健康から遠ざかってしまいます。

 

一定量を超えることが下痢の原因

炭酸水や炭酸飲料を飲むと、ゲップが出やすくなります。これは、気体を飲み込んでいますので当然ともいえます。ゲップにならず、お腹の中で炭酸ガスとなったものは腸に送られて「おなら」になります。

これらの炭酸ガスが、すんなり「おなら」となって外に出てしまえばいいのですが、胃腸の調子がよくない方は、いつまでも腸にガスが溜まり、お腹が張った状態が続いて苦しくなってしまうことも考えられます。

また、炭酸水に限らず、どんなものでも許容範囲を超えて摂取すると体に何らかの悪い影響が出てしまいます。pHと言って水溶液中の水素濃度を示す数値があり、私たちの体は中性に近い弱アルカリ性に保たれていますが、炭酸水は酸性です。飲みすぎると体がアルカリ性から酸性に傾きます。それ以外にも、次のような不調が現れると言われています。

 

1.貧血

炭酸水には二酸化炭素が含まれていますが、胃の中に入るとアルカリ性に傾きます。胃の中が酸性からアルカリ性になると鉄が吸収されにくくなります。その結果、貧血を起こしやすくなると言われています。

2.むくみ

炭酸水には血管を広げて血のめぐりを良くし、老廃物をスムーズに排出させる働きがあるため、むくみ対策に効果が期待できます。しかしわずかに塩分が含まれるものもあるため、飲み過ぎると逆にむくみの原因となることもあります。

3.イライラする

炭酸飲料の多くには酸味料としてリン酸が使われています。このリン酸を含む炭酸飲料を飲みすぎた場合、リン酸によって骨からカルシウムが流れ出るため、イライラしやすくなると言われています。また、骨も脆くなりますので注意が必要です。

 

軟水か硬水かにも着目して

炭酸水にもミネラルウォーターと同様に硬水、軟水と種類があります。こうした水の種類によっても下痢は引き起こされます。

特に硬水には軟水とは比較にならないほど多量のミネラルが含まれています。ミネラルは新陳代謝を活発にしてくれたり、血行を良くしてくれたり、デトックスの効果があるとも言われています。

しかし、硬水はミネラルの中でも特に、便に水分を呼び柔らかくするマグネシウムが多く含まれているため、もともとお腹の弱い方は症状が悪化するということがあります。

日本人は軟水で生活をしている為、硬水を口にすると大体の方は硬水とわかり、中には飲みづらさを感じる人もいます。ですが、炭酸水になることで飲みづらさが緩和され逆に飲みすぎてしまうことがあるようです。

炭酸はあのシュワシュワとしたのど越しがある為、気分をリフレッシュしたい時などにはおすすめです。しかし量だけは摂り過ぎず、ほどほどの量に抑えるよう気を付けましょう

 

健康を底上げするには

腸は臓器の中で最も盛んに活動しているところの一つです。また免疫の最前線でもあり、腸と脳は直結しているといわれていますので、感情の変化にも敏感に反応してしまいます。悩みやストレスがあると胃や腸に不具合が生じるのもそのためです。

健康のために炭酸水を飲むのもよいですが、腸内環境を整えることでも、その効果をさらに向上させることができます。腸内環境が整うと、消化力や吸収力があがり、すべてが効率よく動くようになっていくのです。

腸内環境を変化させるのは、食生活や生活習慣ですが、最近では腸活がキーワードのサプリメントや食品も多く売られています。中でも納豆菌は、腸内で活発に活動し、乳酸菌をはじめとする善玉菌を増やす働きをしてくれる優れた腸内細菌です。また納豆は、日本人の生活に大昔から寄り添ってきた食べ物でもあります。長年にわたって食べ続けられていることからも、日本人のお腹納豆菌の相性の良さがうかがえると言えるでしょう。

便秘や下痢といったおなかのトラブルも、納豆菌がおなかに入ることで腸内環境が整い、少しずつ改善していくことが期待できます。良質なサプリメントも多くありますので、まずは気軽に試供品から始めてみてはいかがでしょう。下痢改善の一歩になるかもしれません。