身体の免疫の最前線が腸である以上、多くの病気の発生場所は消化管にあるといっても過言ではありません。「病は腸」からという考え方です。
そのため、下痢をはじめとするおなかのトラブルの多くは、腸内環境の良し悪しに左右されているのです。
現代人は何かと腸内の善玉菌を減らし、下痢の原因となる悪玉菌の数を増やす傾向の食べ物を多く摂っています。つまり腸内環境を悪くするような食べ物です。例えばアイスクリームです。夏の嗜好品の代表格ですが、冬に暖房の効いた部屋で食べるアイスクリームは、また夏とは違ったおいしさがあるものです。
こうした嗜好品も過ぎれば下痢の原因となり、腸内環境を悪化させるとご存じでしょうか。
アイスクリームは身体を過剰に冷やす
アイスクリームはそれ自体が冷たい食べ物である上に、大量の糖分を含んでいます。少し乱暴な言い方ですが、アイスクリームは砂糖の固まりといっても過言ではありません。砂糖の一日の摂取目安は、約20gぐらいとされています。カップ入りのアイスクリームなどを1個食べてしまえば、20gを軽く越えてしまいます。
白砂糖は冷えからくる下痢の原因に
糖分をとりすぎてしまうと、ビタミンB1が不足します。これを避けるためには、ビタミンB1を多く含む大豆や枝豆、ニラ、ほうれん草、豚肉、レバー、いわしなどを食べるのがおすすめです。
また、砂糖はそれ自体が体を冷やす性質を持っています。アイスには多くの水分も含まれていますので、他の冷たい食べ物よりも下痢になる確率は格段に高いと知っておきましょう。特に小さい子やお腹が弱い人は注意が必要です。
アイスの一日の摂取目安ですが、150~200カロリー程度に留めておくのが良いでしょう。それ以上食べると、体を冷やしすぎますし、それ以上の量を毎日のように食べれば、それだけ脂肪を体内に貯め込むことになります。肥満のリスク、糖尿病のリスクが上昇し、健康を害する可能性がとても高まります。
またアイスクリームの原料である牛乳ですが、これにはもちろん乳糖が含まれています。乳糖(ラクトース)は、牛乳などに含まれ、分解酵素が不十分だと下痢を起こすことがあります。牛乳を飲むとおなかを壊す人たちの多くは、こうした乳糖を分解する酵素をもたない「乳糖不耐症」であることが考えられます。
アイスクリームの種類に注意!
おいしいアイスクリームを食べるなら、添加物や着色料の入っていない純アイスクリームがおすすめです。乳固形分、乳脂肪分の割合によってアイスクリームはその呼称が変わってきますが、乳脂肪がないラクトアイスは、アイスクリームのようなコクを出すために、植物油が多く使われるなど、添加物の量が気になります。これら油分や添加物もまた、下痢の原因となる成分です。
あまりに安い価格のアイスクリームを食べる場合は、成分表記を必ずチェックするようにしましょう。アイスクリーム以外の商品でも、特に加工品を手に取る際には、原材料をチェックする習慣をもちたいものです。
下痢の原因を解消する腸内環境
全ての添加物を避けた食生活を送るというのは、現代ではほとんど不可能なことです。できることがあるとすれば、食品の裏などに記載されている成分表示を見て、出来るだけ添加物が少ない食品を選ぶのは、賢いやり方かもしれません。
冒頭でも述べましたが、「病は腸から」裏を返せば「元気の始まりも腸から」という事になります。
腸内環境を良好に保てば、下痢をはじめ、ほとんどの病気は解決できるそうです。
腸は免疫の最前線であるため、体内で最も疲弊する器官の一つです。しかし、最も回復しやすいのもまた「腸」なのです。
下痢の改善も腸の元気なくしては実現しません。腸を元気にして、腸内環境を整えることからがスタートです。腸内環境を整える、いわゆる腸活には腸内善玉菌の存在が欠かせません。
腸活が盛んな昨今、実に様々な種類の菌が食品やサプリメントという形で、各社から販売されています。腸内環境は人によって千差万別です。菌によって体に合う合わないも、もちろんあります。色々種類を試してみて、自分に一番合う腸内細菌を手に入れましょう。下痢の改善だけでなく、おなかを整えることで全身の健康増進が期待できます。