薬剤師がおすすめする下痢対策

おなかの弱い方は常日頃、どうしたらおなかの調子が戻るのか、と考えあぐねておられる方も多いでしょう。

今回は、薬剤師の観点から、有効と思われる下痢対策について、いくつかお伝えしたいと思います。

薬を過信しない

薬は基本的には毒です。それが証拠に、だれでも自由に好きなだけ飲んで大丈夫な薬は存在しません。医師や薬剤師が症状をみて個々に判断し、お渡しするものです。使い方を間違えると命の危険が伴うからです。この毒を上手に使うからこそ効果が出ているのです。薬を「効果は最大・リスクは最小」に使うには、受ける側の協力が絶対に必要であると思っています。

各種の下痢止めも、一時的に使うのは問題ありませんが、やはり長期的に使うことはおすすめできません。一日も早く、下痢止めのいらない状態に体を回復させることが肝心です。

身体を温める

身体を冷やしていいことは一つもありません。

身体が冷えると、血管が縮まり、血流が悪くなります

血液の流れが悪くなると、本来全身に運ばれるべき栄養素が十分に運ばれなくなるほか、細胞からでる老廃物の処理も滞るようになります。

すると、体のあちこちで炎症をはじめとする異常があらわれることになります。また、体温が低いと体の中で起こる化学反応もうまくいかなくなり、食べ物の消化吸収にも悪影響を及ぼします。

身体、特におなかは絶対に冷やしてはいけません

氷入りの冷えた飲料水は、できることなら飲まないようにしましょう。

砂糖を摂り過ぎない

砂糖は身体を内側から冷やします。食べ物は陰、陽、中庸にわけられますが、砂糖は陰性の食べ物に区分されます。陰性の食べ物は身体を緩め、体温を下げるといわれています。砂糖は身体を冷やすと心得ましょう。

冷えが万病のもとであることは前述の通りです。

最近では、加糖の乳酸菌飲料が花粉症や不眠にいいとブームになりつつあります。たしかに乳酸菌自体は素晴らしいものですが、同時に多量の糖分を摂取していることを忘れてはいけません。

腹八分を心掛ける

人間の腸は沢山食べれば余分な脂肪を蓄えて、飢餓の時に備えるという原始的な機能をもっています。この蓄える機能にはリミットが無いので、過食を続けると「もういいだろう」と判断できずに溜め込み続けてしまうのです。

必要以上に栄養素があふれかえると、体はすべてを処理しきれないため、栄養であっても使用できない分が、かえって負担になってしまうのです。だから食べ過ぎることが、体にゴミを溜めることになるのです。おなか一杯食べたいと思う方は、ゆっくりよく噛んで食べてみてください。

そうすると脳が「満腹です」というサインを出してくるのを見逃すことはありません。腹八分とし、命ある食事を摂れば、良いものは取り込まれ、不要なものは便と尿と汗から出ていき、体は余分な仕事をしなくていいという好循環が出来上がるのです。

毎食腹八分とすることは、体の中のゴミをこまめに掃除してごみをためない生活をしているのと同じこと。

断食は、たまったゴミの大掃除をするためなのです。

心と体は繋がっている「病は気から」

病は気からといいますが、「気」をコントロールするにはどうすればよいのでしょうか。

心と体の状態をつなげているのは自律神経です。臓器を五行にあてはめると自律神経は「木」です。木は土から養分を吸収して元気になるので、よい土づくりをすることが重要になります。ここでいう「土」は胃腸にあたります。

すなわち自律神経は、食べているものを吸収し、エネルギー源とする器官「胃・腸」の元気に左右されるということです。

自律神経こそが「気」を養い免疫を左右するものですから、「腸」を正すことが重要になってきます。病気になりたいと願っている方はいません。ですが、現実は病む時があります。病んだ時に、薬が効果的に効く体づくりをしておくことが、病気を近づけにくい、そして早く手放せる秘訣なのです。

自分のおなかの菌を増やす

腸内の善玉菌を増やすと免疫力が上がる、ということは今やだれもが知っていることとなりました。世の中にはこれが1番いいのだと様々な種類の乳酸菌が出ています。どれが良いのだろうと迷ってしまいますよね。

ですが、人それぞれお腹の中に住んでいる菌は少しずつ違っているので、善玉菌を外から取り入れるのではなく、自前の腸内細菌(日和見菌)を善玉菌に変えてしまうのが一番お勧めです。

自分のお腹に住んでいる善玉菌を増やすには、腸内細菌達が住みやすい環境を作ってあげる事が大切です。食物繊維ミネラルそして納豆菌などをしっかり摂って、善玉菌を増やし、病気を寄せ付けない体づくりをして下さい。