下痢の原因は、食習慣に根付いていることが多々あるようです。例えば、豆腐。意外ですよね。豆腐で下痢になる人がいると聞くとびっくりされるでしょうが、豆腐に含まれる成分を考えると頷けます。
豆腐で下痢になる?
豆腐をつくる時に欠かせないのは凝固剤、つまり“にがり”です。これは殆どの方がご存知だと思います。このにがりが実はくせものなのです。
一般的に“にがり”とは、海水から塩を取った後に残った液体のことを言います。この味がニガイので、「苦汁」とも言います。
その主成分は塩化マグネシウムで、一般的には豆腐を固める役割として使用されるほか、煮もの等のアク取りにも使われます。
にがりでダイエットという落とし穴
“にがり”は単独で食べたり飲んだりするものではありませんが、数年前、にがりやマグネシウムに「痩身効果がある」という情報が出回りました。
例えば、「糖の吸収を遅らせる」「脂肪の吸収をブロックする」「糖質代謝を促進する」「エネルギー代謝を促進する」といったものです。いずれについても確実な根拠・文献等はありません。
また、にがりの主成分の塩化マグネシウムは整腸作用があり、便秘に効果があるので、病院で下剤として使われています。マグネシウムイオンのおかげで消化管内の水分が吸収されにくくなり、便の軟化、瀉下作用が出ると考えられているためです。
そのため、食品ではあるものの、直接にがりを多量に飲んだりすれば、下痢やミネラル吸収阻害などを起こして命に関わる場合もあります。
下痢の原因となる意外な食べ物
普段から野菜をしっかり摂ってミネラル(特にマグネシウム)を充分摂っている方の中には豆腐1/8程度でも下痢をする方がいます。豆腐はカロリーが少ないうえ、原料が大豆であるということから、体にいいイメージがあり、健康のために毎日食べているという方も多い食品です。
また、消化にいいからと下痢が続く時などに、優先して食されるものでもあります。ですが、意外と毎日食べることで下痢の原因となりうる食品なのだと、ここでご承知おき頂ければ幸いです。
下痢をしやすい人、特に幼いころからお腹が弱い方の多くは、自分はこういう体質なんだ、と下痢を治すことを諦めているものですが、実は日常生活の中にこそ、気が付かない下痢の原因が潜んでいるということも多いです。
豆腐以外にも下痢の原因になる食べ物はたくさんあります。カロリーゼロの人工甘味料や、お酢、豆乳といった健康ブームとなった食品も、摂り過ぎれば下痢の原因になります。
下痢をしない体質になるには
健康は食べ物から維持できますが、すべての食べ物が健康に良いものではありません。中には体や腸に悪いものも食べています。
しかし腸内が正常な働きをしていれば、腸内で有害な物、有益な物を選り分け、有害な物は排出出来るようになっています。また、優れた消化力を持っていれば、消化不良や胃もたれといった不快な症状とは無縁でいられます。
ところが腸内の環境があまり良くなく腸内が正常な働きが出来ない場合は、有害な物まで吸収したり、腸壁を炎症させたりします。腸壁が炎症すると、下痢だけではなく、炎症性腸疾患の原因にもなります。
消化力が弱いおなかの場合、少しの食べ過ぎで下痢をしたり、特定の食品に反応して下痢になったり、はたまた悪玉菌の増殖を抑えられず腸内環境が悪化したりする原因にもなります。
こうしたおなかのトラブルを避け、下痢をしない体になるには、腸内環境を整えることが必須条件となります。腸内環境改善、腸活といった言葉がメジャーになってきていますが、おなかの中に乳酸菌や納豆菌といった善玉菌を入れてあげることで、腸内環境は少しずつ改善していきます。
特に納豆菌は生命力が強く、悪玉菌ばかりの環境でもしっかり活動して増殖し、腸内環境を善玉菌が住みやすい環境に整えてくれるスーパー細菌です。