下痢原因は酸性化した便

近年は生活習慣による病気が非常に多くなっています。生活習慣病は、生活習慣の改善で予防が可能だと言われます。しかし、医学は飛躍的に進歩しているにもかかわらず、今も増え続けています。下痢もその一つです。

どんな生活習慣が下痢を引き起こすのでしょうか。ご一緒に考えてみましょう。

生活習慣病が下痢になる理由

予防医学を研究されている横田良助医学博士は自らの臨床成績や実験データと関連するさまざまな医学研究データとを照合・検討し、多くの生活習慣病の元は「酸性腐敗便の産出・吸収」であると言われました。

腸内で発生する酸性腐敗便の酸性とは、酸性・アルカリ性の酸性のことです。そして腐敗便とは文字通り腐敗した糞便のことです。

正確には酸性腐敗便とは、腸内が強く酸性化した状態において腐敗した不消化残渣のことです。
つまり、ウンチが酸性で、そのウンチには消化しきれなかった食べ物のカスが多いということです。こうしたウンチを出すのに下痢になるのです。

慢性的な病気、つまり生活習慣病は次から次へと積もり重なった食生活の誤りであると分かっているのに、未だに増え続けているのは、酸性腐敗便の恐ろしさを知らない方が多いからだと言われています。

酸性腐敗便が出来る過程

食事の質、量、食べ方や、消化器官の状態や能力等によって消化が十分に行えないと、腸内では食べ物が腐敗して醗酵します。この時に腐敗分解産物が腸内にたくさん発生します。

腐敗の程度が高くなると、硫化水素や硫酸塩、有機酸類などの悪臭を放つ強酸性物質が産生され、腸内が強く酸性化(健康な腸内は中性)するのです。

このように、腸内(特に大腸内)が強い酸性状態(pH2.5~5.5)になると、タンパク質の分解物であるアミノ酸類が腸内悪玉菌の持つ酵素の脱炭酸作用によって、強力な毒素「タンパク性アミン」に変化します。

これが、酸性腐敗便の害の正体です。

「アミン」には様々な種類のものがありますが、酸性腐敗便の正体はタンパク質由来のアミン類であり、このタンパク性アミン類は「交感神経類似作用」と呼ばれる激烈な血管収縮・けいれん作用や組織傷害作用を持ち、「交感神経類似アミン類」とも呼ばれています。

腸内腐敗がもたらす「タンパク性アミン」の強い毒性は危険

タンパク性アミンは脳内にもごく超微量存在しています。神経伝達物質として働くのではないかと言われています。

しかし、直腸付近から血液中へ吸収されるタンパク性アミン類の量は、脳内に常在するタンパク性アミン類の量に比べると、はるかに桁違いの量なのです。

このタンパク性アミンが腸内で一度に大量に産出されて、体内に吸収されるので、心筋梗塞や脳梗塞などの発作を起こしてしまうのです。突然死を招きます。

腸内が強い酸性状態酸で、糞便を腐敗させることこそがタンパク性アミン類を産生する化学反応を起こす鍵を握るのです。

また、ガンや老化、多くの生活習慣病は軽度の消化不良によって産生される少量のタンパク性アミンによって傷害が繰り返され、次から次へ重なり積もることが原因のようです。

酸性腐敗便は悪臭を放つ下痢便

酸性腐敗便は下痢便とほとんど同じものなのです。そもそも下痢は身体に悪い物を出そうとする自己防衛のために、もともと体に備わっている防御機能の一つです。

体の機能が正常であれば、大量の腐敗産物が出来た時、健康や生命が守られるように下痢が自然と起こります。つまり逆から言えば、下痢で酸性腐敗便をすみやかに体外排出できない時に健康や生命が損なわれてしまうのです。

例えば、便秘が続いているところに、高度消化不良を招く原因が加わった場合や、きわめて多量に酸性腐敗便が出来る様な状況になった場合には、腐敗便(酸性腐敗便)の体外排出は非常に難しくなります。結果、重大な結果を招くことになります。

時には命を損なうことがあります。心筋梗塞やの脳梗塞などの両発作はトイレ中や便意を催してトイレヘ行こうと立ち上がった途端に起こることが多いことがわかっています。

また、タンパク性アミンが肛門付近の腸壁から吸収された場合は、一部は解毒器官である肝臓を通らず、皮下静脈を介して直接心臓へ行くので、なおさら有害なのです。

心臓発作や脳卒中の方は、発作時の患者さんのお腹の中に強烈な悪臭、魚のアラが腐ったような悪臭と酸っぱい刺激臭が混ざり合った、嗅ぐだけで吐き気を催すほどの強烈な臭いの糞便が滞っているのです。

浣腸などで排便を促すと、酸性腐敗便の腸内滞留の時間が長いほど排便が困難だということが分かります。そうした状態の方は糞便中に有害腐敗産物がたくさん体内に吸収され、重篤な症状になることが分かっています。

強烈な臭いの下痢便の時には酸性腐敗便だと認識して食生活の改善に努めましょう。酸性腐敗便の下痢があなたの命を守ったと思ってもいいでしょう。

酸性腐敗便の予防と除去

これまでに述べたように、酸性腐敗便は、何らかの原因で食べた食物の消化をうまく行えない場合に、腸内(小腸から大腸にかけて)で腐敗・醗酵が起きることから始まります。ですから食生活のあり方で酸性腐敗便が発生するのを予防することができます。

酸性腐敗便の発生を防ぐ食生活は、低タンパク質・低カロリー(低脂肪・低砂糖)の伝統的な日本型食生活が望ましいことが分かります。

中でも問題になるのはタンパク質の過剰摂取です。タンパク質は生命現象に最も深く関わる重要な栄養素である一方で、酸性腐敗便の主成分であるタンパク性アミン類の原料物質でもあるのです。

欧米食を好む現代人はタンパク質を過剰に摂る傾向があります。唐揚げ、焼肉、ハンバーグなど大好きな方は要注意です。さらに加えて日本人は腸が長い分、食物の腸内での滞留時間が長く、肉食や飽食による害を受ける度合いは欧米人以上だと考えられます。

酸性腐敗便の危険がある際には、野菜精進食を徹底すべきです。また水分が欠乏すると、酸性腐敗便中の水分の吸収が強く起こり、その際に水溶性物質であるタンパク性アミン類もより吸収されやすくなるので、水分の補給は十分に行う必要があります。

栄養バランスを整えよう

栄養は多すぎても少なすぎても、健康の保持や増進には好ましくありません。桶に水を溜める場合、どんなに水を入れても一番短い板のところまでしか水は溜まらず、それ以上は溢れてしまいます。

これと同じ原理で、何か一つ足りない栄養素があると健康レベルもその水準になり、体の不調が生じてきます。

しかし、栄養バランスが整うと体は正常に機能するようになります。それぞれの機能が発揮でき体を健康に保つ様にコントロールできます。
生活習慣病はこうした日々の栄養バランスの欠如から起きてしまいますので、上手に対処しましょう。

腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内環境が良好であれば、たとえ有害な物が体内に入ってきたり、体内で有害な物質が産生されてもスムーズに排出できます。

自然と健康を守る事が出来るような機能が備わっているのです。栄養バランスと共に、腸内環境も整えなければなりません。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、下痢の改善が一段と早くなります。