下痢はビタミン過剰摂取

下痢の原因はビタミンの過剰摂取
下痢の原因は様々ですが、急性な下痢でないものは、主に食習慣が下痢の原因となることが多いようです。

特に健康に良いと言って、過剰に一つのものを摂り続けることによる、過剰な栄養で下痢になる事があります。

例えば、最近、巷ではビタミン類、特にビタミンCビタミンDがコロナウイルスの予防になると言って求める方が多くおられます。

しかし、どんなに良いと思っても過剰摂取すると下痢をはじめ他の害を被る事になるのをご存知でしょうか。よかれと思っても危険があるのです。

では、過剰摂取による下痢の原因をビタミンAとビタミンD、ビタミンCの例から見てみましょう。

下痢の原因となる過剰摂取の栄養素

①ビタミンA
ビタミンAは大きく分けるとβカロチンとレチノールがあります。
緑黄色野菜などに含まれるプロビタミンAの「βカロテン」にはホウレン草、かぼちゃ、人参、ブロッコリーなどがあります。

動物性ビタミンA、「レチノール」にはレバー、マーガリン、バター、卵黄、鰻 などがあります。

効 能:眼、皮膚、粘膜の機能保護、癌の予防や抑制作用

欠 乏:夜盲症(とりめ)、肌荒れ・皮膚炎、子供の成長障害

過 剰:レチノール過剰で吐き気、嘔吐、下痢、手足の痛み、睡眠障害など

妊娠している方はビタミンAの摂り方に注意!

ビタミンは、いろいろな代謝を行っている肝臓に蓄えられます。ビタミンA、D、E、Kは親油性のビタミンです。脂肪に溶け込むので、肝臓ばかりだけなくて全身の脂肪細胞に相当量を蓄える事ができます。

親油性ビタミンの中で、妊娠をしている方が注意していただきたいのはビタミンAです。過剰摂取すると、母体には影響は出ませんが、妊娠初期に摂り過ぎると胎児に先天異常が起きやすいと言われています。

これから妊娠を考えている方、妊娠3ヶ月以内の方はレバーなど動物性ビタミンA含有量の多い食品、サプリメント等継続的な大量摂取は避けましょう。

ただし、植物由来のプロビタミンAであるβ-カロテンは、ビタミンAが体内で不足したときのみビタミンAに変換されるため、過剰摂取による健康被害は報告されていません。野菜をしっかり摂り、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

・下痢になる過剰摂取の場合とは

ビタミンAは植物性(β―カロチン)の場合であれば、過剰症は起きません下痢になるなど症状が起きる場合は動物性のものレチノールです。レチノールは、80%以上の吸収率をもったビタミンAで、動物性食品にたくさん含まれています。

脂溶性のため体内に留まる特徴があり、それが肝臓に溜まり、頭痛、吐き気、下痢、肝臓肥大などの副作用を引き起こす可能性があるのです。

特に、コレステロールの数値が上昇してしまいますので注意しなければいけません。一番レチノールを多く含む食材は、鳥レバー、豚レバーと言われています。レバーは栄養が豊富だから、美味しいから、好きだからといって食べ過ぎには注意しましょう。

②ビタミンD
ビタミンDにはD2からD7の6種類ありますが、D4~D7は食品にはほとんど含まれておらず、活性も低いため、一般的には高い生理活性を示すビタミンD2とビタミンD3の2つに大別されます。

ビタミンDは体内にウイルスや細菌が侵入した際などに、必要な免疫機能を活性化したり、過剰な免疫反応を抑えたりして、免疫機能を調節してくれる栄養素です。最近は新型コロナウイルスの大流行でサプリメントとして摂取される方が多くおられます。

ビタミンDは食物からの摂取に加え、体内で作ることもできる栄養素ですが、体内合成のためには皮膚に紫外線をあてる必要があります。そのため、屋外で過ごす時間が短い人や紫外線対策を厳重にしている人は、平均値よりも大きく不足してしまう可能性があります。

春から夏にかけて、紫外線が多い正午頃に30分程、顔や手足を日光にさらすことで、十分なビタミンDが皮膚で生成されます。

植物性ビタミンD2:きのこ類
動物性ビタミンD3:サケ、マグロ、サバなどの脂肪性の魚、魚類肝臓•牛のレバー、バター、チーズ、卵黄など

効 能:骨の成長や骨の再生、細胞増殖、神経筋、免疫機能、クル病・骨軟化症・骨粗しょう症などの予防

欠 乏:呼吸器感染症や呼吸器疾患、自己免疫疾患、各種がん、糖尿病、痴ほう症、うつ病、

過 剰:尿毒症、食欲不振、便秘、嘔吐、下痢

・下痢になる過剰摂取の場合とは

初期のうちは食欲不振、口渇、倦怠感、頭痛など、ついで悪心、嘔吐、下痢が起こります。肺、心臓、皮膚、関節など多くの部位にカルシウムがたまり、いろいろの病気を起こします。特に腎臓にはたまりやすく、尿路結石をつくります。長く続くと尿毒症を起こします。

ビタミンDも脂溶性ビタミンの1つであり、体内に蓄積しやすいため、サプリメントによる過剰摂取に注意しましょう。ビタミンDを過剰摂取した場合、血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎたり、臓器にカルシウムが蓄積してしまうことがあります。

このようなビタミンD過剰症では、一度できたカルシウムの沈着は簡単にはとれませんので、過剰摂取にならないように特に注意が必要です。でも、ビタミンDの副作用は、ごく短期間だけ過剰摂取したとしても、すぐに尿毒症や体調不良が起こるわけではありませんので、安心してください。

ビタミンDが多く含まれる食品のほとんどは魚類なので、毎日よほど大量の魚を食べない限り、副作用の心配はほとんどありません。

これらの副作用が起こるのは、1日あたりの適量の摂取量の10倍以上を、長期間摂取した場合です。サプリメントで大量に摂取しない限り、普通の食事をしていれば、副作用のリスクはほとんど無いといえます。

サプリメントから摂取する場合も、パッケージに表示されている、1日あたりの摂取量を守ってください。もちろん、体質によってはビタミンDを少し多めに摂っただけで、副作用が起こる可能性はあるかもしれません。。

なお、骨粗しょう症の改善には、カルシウムとビタミンDを一緒に摂取すると、効果が高いので、サプリメントを利用する場合には、1日あたりの摂取量を守ってください。両方を同時に過剰摂取すると、ビタミンDだけの過剰摂取よりも、副作用のリスクが高くなるので、ご注意ください。

③ビタミンC
ビタミンCの正式名称は「L-アスコルビン酸」と呼び、果物や野菜に含まれる天然に存在するビタミンCも、人工的に作られた 合成のビタミンCもいずれも「L-アスコルビン酸」に変わりはなく、なんら違いはありません。

例えば、病院で薬として処方されるビタミンCもやはり合成ですが、しっかりとその働きを果たしています。ビタミンCは一度に一定量以上摂取すると、尿中へと排出されます。 ですから特に上限量というのは定められていません。

ビタミンCは、果実類、野菜類、いも及びでん粉類、し好飲料類に多く含まれています。バランスの良い食事を心がけていれば不足の心配はまずありません。

効 能:還元作用で体内の老化や酸化を抑える、動脈硬化予防、抗ストレスホルモンの生成、鉄の吸収促進など

欠 乏:壊血病、イライラ、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難など

過 剰緩下作用で下痢

ビタミンCは、風邪やインフルエンザなどの感染症の時、その必要量が増加します。また、喫煙によってもビタミンCの要求量が高まります。

近年、野菜の摂取量が減少しており、不足しがちなビタミン類を野菜ジュースやサプリメントで補う人もいますが、野菜ジュースやサプリメントから摂取されるビタミンCは、通常の食事で野菜から摂取した場合よりも、排せつまでの時間が非常に短いことが知られています。

ビタミンCは熱に弱く、加熱調理により分解されますが、じゃがいもやさつまいもなどはビタミンCがでんぷんにより保護されているため、調理後にもほとんど分解されずに残ります

下痢になる過剰摂取の場合は
過剰摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加するため健康被害は低いといわれていますが、ビタミンCには緩下作用(便を柔らかくする)があるので、便秘症の人は お通じが良くなったりします。
一度に多量のビタミンCを摂ると、まれに吐き気、下痢、腹痛などが起こる場合もあります。

それはビタミンCが酸として作用することと、ビタミンCの腸内分解によって発生するガスで、腸の動きが高まるためです。一過性のものなので心配はいりませんが、 気になる方はビタミンCを空腹時ではなく食後、 摂る量を少量からはじめてみましょう。食事での過剰摂取の心配はほとんどありません。

単品のビタミン剤はやめよう

ビタミンは本来、食事から摂るべきものです。ビタミンの過剰摂取の背景には、食事に手間と暇をかける事ができない状況なのに、健康指向を目指す現代人の健康不安があります。

特定のビタミンを過剰に摂ると過剰症が起きます。もし、ビタミンを摂るならば単品のビタミン剤は避けて複合型のビタミン剤を摂るようにしましょう。合成のビタミン剤は出来るだけ避けましょう。植物由来の自然のものから出来たビタミン剤を選ぶようにしましょう。

ビタミンA、C、Dは免疫をサポートする栄養素

免疫機能をサポートする栄養素として代表的なものは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンC、ビタミンEと、亜鉛の5つです。野菜やフルーツ、魚介をあまり食べない人はこれらの栄養素が不足しがちになります。

亜鉛とビタミン類が不足すると、免疫機能が正常に反応しなくなり、異物が体内に侵入してきても免疫細胞が機能せず、健康を維持できなくなってしまいます。そのため、不足しがちな栄養を意識して補っていくことが必要なのです。

特に今はコロナ禍、食中毒などの季節ですから免疫力を充分に強化しておくのは大切な事です。野菜や果物をあまり食べない人はサプリメントで補うのをお薦めします。

サプリメントで栄養素を摂る時のポイント

サプリメントで栄養素を摂る際に覚えておきたいのは、栄養素はひとつだけでは十分に効果を発揮しにくい特性があるということ。つまり先ほども述べましたが単品による摂取はしない方がいいということです。

さまざまな栄養素をバランス良く摂ることで、相互に働きあってより有効な働きが得られます。栄養素は、これひとつだけ摂れば安心というものではありません。総合的にバランスよく摂ることで本来のパワーを発揮します。植物由来の総合的な栄養素が入ったサプリメントを選びましょう。

腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。私達は食べることで健康を維持できていますが、腸内環境が悪化すると、食べた物を充分に栄養として有効活用できなくなります。

むしろ、腸内環境が悪いと、食べた事で充分に消化されないで害を被る事もあります。まずは腸内環境を正しく整えましょう。腸内環境が整うと、消化・吸収・排出などの健全な活動が出来ますので、下痢の改善などが早く出来ます。

また、腸管免疫は体全体約7割もありますので、腸内環境を整えることは免疫力を強化することになります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。