食べると下痢になる魚

食べると下痢になる魚

下痢の原因の一つに魚が挙げられる事があります。
日本人は魚が大好きです。これからの季節は魚が美味しく食べられます。


近年は流通が発達し、世界の各地の魚が食べられるようになりました。
そのため、魚の産地によっては下痢の原因となる魚も出てきて、下痢になる人もいるようです。

またその魚を食べると必ず下痢の原因となる魚もいるようです。ではそれらの下痢になる原因を考えてみましょう。

下痢の原因となる魚

魚そのものが汚染されていて、下痢の原因となる様な細菌が付着して、健康な人ならば下痢にならないような細菌が、おなかが弱い人が食べた時には下痢の原因となって、下痢が続くことがあるようです。

あるいは魚そのものが有毒な成分を持っている有毒魚介類による食中毒による下痢もあります。

また、特別に古くもなく、細菌が付着したり、有害物質に汚染されているわけでもないのに、食べると必ず下痢になる魚もいます。
なぜなら、それはその魚の脂肪が絶対に人間は消化することが出来ないからです。

最強の天然毒、パリトキシンを持つ魚がいる

これから冬に向うとウイルス性感染性胃腸炎が流行し始めます。
なかでも海産物を摂取したのちに体調を壊したときくと真っ先にノロウイルス感染症を疑いたくなります。

しかし、海産物をはじめとした自然界には自然毒を有するものがあり、感染症ではないものでも体調を崩すことがあります。
例えば、毒キノコもその一例で、海産物ではフグ毒(トラフグが有名です。


しかし、海産物のなかでフグ毒よりも強い最強の自然毒パリトキシンを持つ魚がいます。

一般的によく知られているフグ毒の主成分であるテトロドトキシンは青酸カリの850倍の毒性を持ちますが、パリトキシンはそれ以上の強力な毒を持ち、およそ青酸カリの数万倍とも言われています。

パリトキシンは腔腸動物のイワスナギンチャクが産生し、食物連鎖により種々の海洋生物に蓄積する強毒性物質です。そのイワスナギンチャクを食べる魚がいるのです。

その毒性は最強のもののひとつであり、解毒剤はなく、対症療法が治療の主体となります。

魚肉摂取で下痢などによる体調を崩した場合以下の原因が考えられます。

①細菌性食中毒(腸炎ビブリオなど):発熱や嘔吐および下痢等の消化器症状が主です。

②ボツリヌス菌中毒:筋力低下、視力障害、舌のもつれなどをきたします。

③テトロドトキシン中毒(フグ毒):嘔吐をきたすことが多く、摂取量が多いと四肢の筋力低下から呼吸筋麻痺が起こるのは有名です。ほとんどが喫食後3時間以内に発症します。

④シガトキシン中毒:熱帯産魚類の摂取でしばしばみられる食後1-6時間で発症し嘔吐や下痢から始まり、筋肉痛や筋力低下をきたすこともありますが、それ以上に感覚異常が高率に出現すると言われています。

⑤パリトキシン中毒:摂取後3~49時間後に突然発生する激烈な筋肉痛を主症状とし、嘔吐や下痢などの症状は通常みられません。パリトキシンは熱に安定で毒性もテ卜ロドトキシンの数十倍とも言われています。

有毒魚による下痢、嘔吐など食中毒になった実際例

①アオブダイのパリトキシンという毒
平成23年10月、都内の飲食店で、従業員4名が、賄い食としてアオブダイの頭部や内臓をカレーにして食べたところ、 食後4時間から筋肉痛、呼吸困難などを起こし、全員が入院しました。

このアオブダイは、都内業者を通じ、「ブダイ」として宮崎県内から飲食店に直送で仕入れられており、調理・喫食した従業員には、有毒な魚であるという認識がありませんでした。

アオブダイは内臓にパリトキシンという毒を持ち、このパリトキシンはフグの持つテトロドトキシンよりも遥かに毒性が強く、加熱処理しても分解されることはありません。

その他ハタを鍋で食べて集団発生した例もあり、死亡例も報告されています。また、クエ、ハコフグ、ウミスズメ、ソウシハギなどの報告があります。
発生場所は鹿児島、宮崎、高知などの九州、四国で発生しています。

いずれにしても知らない魚は食べないほうが無難のようです。鍋にいれても毒性は消えないので要注意です

昼間に活動し夜は岩陰などで眠りますが、眠る際には口から粘液を出し、自分を覆うための透明の寝袋を作ります。
アオブダイなどの魚は、このイワスナギンチャクを餌として食べて肝臓などに毒を蓄積します。イシダイやメジナ釣りの外道として釣り上がることが多い魚です。

パリトキシン中毒は、食べてから数時間~十数時間で発症します。

主な症状は、横紋筋融解に由来する筋肉痛、筋力低下、歩行困難、ミオグロビン尿症(黒褐色の排尿)などで、重症例では呼吸困難、腎障害などの症状を呈し、死に至ることもあります。

②ハコフグの毒、パリトキシンとパフトキシン
平成23年10月、都内の鮮魚店において、ハコフグが、有毒部位である肝臓、皮が取り除かれないまま一般消費者に販売されました。
所管の保健所は、ただちに販売の中止を指示し、都民への注意喚起を行いました。

フグは、フグに関する専門知識を持った「ふぐ調理師」が、有毒部位の除去などの調理加工をしてから販売することになっています。

この鮮魚店には「ふぐ調理師」がいましたが、別の従業員が独自の判断で有毒部位を取り除かずに販売していました。

フグの毒性として有名なのが、テトロドトキシンですが、このテトロドトキシンよりも強い毒性を有する毒が「パフトキシン」「パリトキシン」という毒です。ハコフグはこの両方の毒を持っています。

パフトキシンはハコふぐ系のふぐの皮膚から分泌される毒素です。

そのため、水槽などにハコふぐと違う魚を飼育していると、水槽内の魚が全滅してしまう等の原因になってしまいます。
又、このパフトキシンで、ハコふぐも自身も水槽内では死んでしまうという事です。

パリトキシンは海洋性の毒素の中でも最強クラスで、非ペプチド系の毒素の中でも最強のマイトキシンの次に猛毒とされているのが、パリトキシンです。

上記のような例からもわかるように、魚に対する知識不足と大丈夫という安易な思い込みが一番危険です。

見慣れない魚介類については細心の注意を払うよう心がけましょう。

産地直送で魚を購入する場合は、 魚種を確認し、見慣れない魚については販売者に毒性、食用ができる部位などを問い合わせるようにし、決して素人判断で口にすることがないようにしましょう。

食べると必ず下痢になる魚

①アブラボウズ
食べると必ず下痢になる魚はアブラボウズという深海魚がいます。
アブラボウズは市場でもなかなかお目にかかれないという高級魚です。

全長は1.5メートルを超え、体重も100キロ近くあるという、日本では伊豆大島の深海で獲れるギンダラ科の魚です。

その外観が超高級魚のクエに似ているので、西日本ではこのアブラボウズをクエと偽装するほどですが、味は全く違います。

身を持ってみるとグニャグニャしていて油まみれという感じですが、繊維質はしっかりしています。

アブラボウズを漢字で書くと「油坊主」「脂坊主」となり、非常に多くの油(脂)を含んでいるからなのです。

体の約40%がトリグリセリドと呼ばれる脂質で、いわゆる中性脂肪なのです。

「異常脂質」魚で、脂そのものには何の問題もありませんが、この脂質を分解できない人は脂を消化できず、お腹を壊して下痢を起こすのです。

でも、脂がこってりとしていて甘みがあり、非常に美味しいため食べ過ぎて下痢を起こしてしまうそうです。
そのためか、販売禁止にしてしまっている市場もあります。

②アブラソコムツ
脂そのものが悪くて、しかも脂が多く、食べてはいけない魚にアブラソコムツがありますが、これの脂肪分はワックスエステル(ロウ)、のため、人は消化することができません。当然食べると下痢になります。

このワックスは独特な脂で、人間では消化できないという成分なのです。つまりは、食べることはできますが、脂部分はワックスエステルなので、消化できないという、恐ろしい脂です。食後18~56時間後、下痢、腹痛、皮脂漏症などの症状が現れることがあります。

また、下痢便は、特有の悪臭があり、ひどい場合には脱水症状を起こすことがあります

アブラソコムツは、市場に出回ることも少ない魚です。サイズは1m以上、最大でも150㎝を超えることもあるようです。体色は、黒茶っぽい色が特徴で、名前の通りムツと同じ様な顔立ちです。

世界中の温熱帯の海域の水深数百メートルと深い海に潜んでいる深海魚です。
かなり豪快な動きが特徴で、体に油を有しているところからoilfishとも呼ばれています。

アブラソコムツは、味として美味で上質な肉質の魚、寿司ネタでもある、本マグロの大トロ並みのぷりっぷりの柔らかな触感が格別な魚です。

アブラソコムツを食べて下痢以外の症状

このアブラソコムツを食べると下痢になるのは当たり前ですが、それとは違った害もあるのです。

例えば、ラットの実験ではアブラソコムツを食べさせると下痢の症状はもちろんのこと、皮膚から脂がしみだしてくる皮脂漏症と呼ばれる症状が起きて、なんと一週間程度で命を落としてしまったということです。

現状、人間での死亡の報告例はないとはいえ、無視できない情報です。
下痢も怖いですが、命を落とすことになるのは避けたいはずです。
絶対に摂取量の調整はしておきましょう。

海外のツナ缶が下痢になる

ツナいうと、マグロというイメージですが、特にアメリカでは、ホワイトツナと呼ばれる食品に使われているのが、なんとアブラソコムツであるという情報がでています。

日本人の方は、何も知らずに食べてしまい、下痢につながるような被害をうけることも割と多いようです
購入時にはしっかりと表示を見てからにしましょう。

海外のすし店でもアブラソコムツが使用されている

近年、海外では日本食がブームとなり、さまざまな飲食店が店舗拡大、海外進出を手掛けています。
そんな中、海外の人たちが日本食を売り出そうということで、海外独自の日本食店も増えてきています。

中でもお寿司屋さに、アブラソコムツをマグロと偽って刺身やお寿司で出しているという話は出ています。それも、かなり多くに被害が出ているようなので、是非、海外での食事の際には、ご注意ください。

アブラソコムツと同じ成分を持つ深海魚がいる
ワックスエステルを持つ魚は深海には多いものです。実は、アブラソコムツと同じように、消化できない脂、ワックスエステルを体内に含んでいる深海魚は結構な種類のものがいるようです。その中でも3種類をご紹介させていただきます。

①バラムツ
アブラソコムツと同じようなフォルムのバラムツもワックスエステル、消化できない脂を持つ魚です。
バラムツの特徴は、感じで薔薇鯥と書かれるように、バラのように鋭い棘を持っているのが特徴です。

アブラソコムツと同じような海域に生息し、同じくスポーツフィッシングとして楽しまれるターゲットの1つに相当します。
どちらにせよ下痢など避けるためにも、食べる量は控えましょう。

②オオメマトウダイ
オオメマトウダイと呼ばれる深海魚です。基本的になかなか取れない上に、食べる機会、料理する機会もほぼほぼないようですが、スーパー等で干物として販売されていることの多い魚ですが、ワックスエステルが含まれています。

ワックスエステルは消化されにくいため、生で食べないようにし、網の上でよく焼くなど脂分を取り除くようにしましょう。また、食べ慣れない方は、少量から食べるようにしましょう。

③クジラ(ハクジラなど)
実はクジラにもアブラソコムツと同じく、消化できない脂、ワックスエステルを持っている個体がいます。
クジラには、鯨油とよばれるクジラの肉から採取される脂があるのですが、この成分はクジラによって変わります。

主に言われているのは、イルカやシャチなどを含むハクジラ類に持っているものが多いという情報はでています。
鯨肉は刺身やベーコンなどの食べ方で食べるのもありますが、出回っているものは、少なくともハクジラのものではないので、問題はありません。

下痢にならない工夫

普段食べ慣れていない魚、あるいは滅多にお目にかからない美味しい魚だからといって、飛びつかないようにしましょう。その魚が自分の体にあっているかどうかわからないからです。

食べ慣れない食品は身体に合うかどうかわかりませんので、大量に食べるのは控えましょう。

胃腸も万能ではありません
まして、下痢や腹痛で弱っている時は、普段食べても大丈夫な食品でさえ刺激になり、下痢の原因になってしまうこともあります。

また魚に限らず、南国の果物は基本的に身体を冷やすものが多いので、冷えからくる下痢にお悩みの方は、極力避けたほうがよいでしょう。

また、南国には食べなれない果物がたくさんあります。
その果物が自分の体にあるかどうかわかりません。まずは試食程度にして、確かめてから本格的に頂きましょう。

食べ物の基本は自分が生まれ育った国や地方で、季節のあっている「旬」食べ物が一番いいようです。

腸内環境を整えよう

健康の要は何と言っても腸です。昔から「元気の元は胃腸から」と言われています。
食べたものを消化し、吸収、排出するなど当たり前の事ですが、最も基本的な営みが健康でないと、健康な身体にはなりません。

また腸内では様々な機能が行なわれています。
食べたものが身体にとって良いものか悪いものかを見分ける目を持っているのです。

この機能が衰えると、悪いものまで吸収して、水分調節などの機能が正常に働かなくなり下痢の原因を作り、下痢が続く、下痢が治らないなどの症状に悩まされてしまいます。

慢性的な下痢が続く方は、検査してもどこも異常がないと言われたなら、腸内環境を整えてやることで下痢の改善が一段と早くなるでしょう。

腸内環境を整えるのに最適なサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。