下痢・嘔吐になる仕組み

下痢の原因・下痢・嘔吐になる仕組み
下痢は誰でも一度や二度経験があるものです。 下痢は、腹痛やときには吐き気・嘔吐なども伴い非常に不快です。

早くこうした不快を薬で解決しようと思いますが、安易に薬に頼ることは危険です。 なぜなら、それは下痢になった時、薬を使っても良い下痢と、使ってはいけない下痢があるからです。 ではどんな時があるでしょうか。


目次

下痢が起きる仕組み  下痢とは
☆下痢のメカニズム  1.浸透圧下痢 2.滲出性下痢  3.分泌性下痢  4.過剰な蠕動運動  
蠕動運動低下で下痢  下痢になると吐き気嘔吐の症状も  下痢と嘔吐の症状が出る流れ  
☆下痢は必ずしもウィルス性とは限らない  ①胃の不調  ②逆流性食道炎  ③自律神経失調症  
下痢を改善しよう

下痢が起きる仕組み

下痢を起こしがちな方は、なぜ自分は下痢になってしまったのか、どんなことをすれば下痢の症状をやわらげられるのか、などについて気になります。 下痢とは一体どんな状態なのでしょうか。下痢のメカニズムや原因、治し方などについて、考えてみましょう。

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●下痢とは

下痢は水分を多く含んだ便を指します。下痢になると便の量が増えますが、これは便の水分が増えるからです。 通常の便に含まれる水分の量は100ml前後ですが、下痢になると倍の200ml以上の水分が含まれます。 硬い便の水分量は70%以下、健康的な普通の便は70%前後、軟便70~80%、下痢80%以上、水下痢90%以上となり、水下痢はほぼ水の状態です。 ウイルスや細菌に感染した胃腸炎になると、吐き気とともに水下痢になります。

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●下痢のメカニズム

下痢が起こるメカニズムには、腸での水分吸収が関係しています。 毎日、人間の腸には食べ物や飲み物からの水や唾液、胃液などが流れ込んできます。 その量は、9リットルほどもあります。 この9リットル分の水分を小腸や大腸が吸収して、最終的には0.1リットル程度の水分が便に含まれて排出されるのです。 下痢には下記のような理由で水分吸収が妨げられ、下痢が起こるとされています。
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①浸透圧性下痢:腸からの水分吸収が妨げられる

浸透圧性下痢とは、食物中のある糖類が血液中に吸収されないで残り、浸透圧を上昇させるため、体は腸内の浸透圧を低下させようとして、腸管壁から水分を引き出し、水分の含有量が多くなる場合の下痢です。 一般的に牛乳を飲むと下痢になると言う人がいますね。 この現象が浸透圧性下痢なのです。 また、一部の果物や豆類、そしてダイエット食品やキャンデーなどで糖の代わりに使われているソルビトール、マンニトールなどの糖類なども浸透圧性下痢を起こします。 浸透圧性下痢の場合は、下痢を起こす物質を食べたり飲んだりするのを止めるだけで、下痢はすぐに治まります。
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②滲出性下痢:腸に炎症が起きて腸管内に体液が滲み出てくる

滲出性下痢は、腸粘膜の障害による腸管壁の透過性の亢進や吸収の障害により生じる下痢です。 つまり腸に炎症が起ると、腸管壁の透過性が高まった状態になり、そこからタンパク質、血液、粘液、その他の細胞内の液体などが滲み出て、便の水分量を増やします。 また、腸からの水分吸収が低下することも関係してきます。 急性下痢としては細菌性腸炎、ウイルス性腸炎、抗生物質性起因性腸炎、食事アレルギー性腸炎、虚血性腸炎などがあります。 慢性下痢を来すものとしては悪性腫瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、放射線照射性胃腸炎などが挙げられます。 炎症を起こした直腸は,膨張に対してより敏感であるため,直腸粘膜が侵されると便意切迫および排便回数が増加します。 特徴として、下痢は食事によってひどくなり、絶食しても完全には治まりません。 急性の下痢が続いた時には水分補給をしっかりしましょう。 水分補給には番茶か湯ざましに梅干か食塩を少し加えて飲ませて下さい。 食中毒による下痢は家庭での応急処置として、殺菌消毒の意味でクレオソート(正露丸)を使うくらいで、間違っても下痢止めを使わないで下さい。
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③分泌性下痢:腸が出している腸液の分泌量が増える

分泌性下痢は消化管粘膜からの分泌が異常に亢進する、つまり小腸と大腸が塩類(特に塩化ナトリウム)と水分を便中に分泌するときに起こります。 原因としてコレラ菌や、ある種のウイルスに感染したときに産生される毒素によって、分泌性下痢が生じます。 急性なものとしてはブドウ球菌、コレラ菌、赤痢菌などのエンテロトキシン(毒素)によって起きる腸炎があります。 その他、O-157、アメーバ赤痢、ノロウイルス、ロタウイルスなどがります。 慢性下痢としてはまれですが、消化管ホルモン産生腫瘍によることもあります。 また、ある種の細菌(たとえばカンピロバクター属)による感染症や、クリプトスポリジウム属などの寄生虫に よる感染症も水分の分泌を促進します。 この下痢は大量の水様性下痢を特徴とし、絶食しても治まりません。 コレラでは1時間に約1リットル以上の便を排泄します。塩類や水分の分泌を起こします。 1時間以内に大量の便が出た場合など、ちょっと異常だな? と思った場合は非常に注意が必要となりますのですぐに病院へ行き、医師に診察してもうらようにしてください。
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④過剰な蠕動運動:消化物の通るスピードが早すぎて水分吸収が追いつかない

過剰な蠕動運動腸による下痢は腸の蠕動運動が異常になって起る下痢です。 蠕動運動が異常に高まると、腸の内容物が急速に通過するため、水分の吸収が充分に行われなくなります。そのため軟便や下痢便となります。 排便後も腸の蠕動運動が残ると腹部の不快感や腹痛があります。 代表的な病気として過敏性腸症候群としてよく知られています。 日本人の10~15%にこの症状がみられます。検査を行っても炎症や潰瘍など目に見える異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こります。 以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていましたが、最近では、大腸だけではなく小腸にも関係している事がわかり「過敏性腸症候群」と呼ばれています。 最近は過敏腸症候群の原因はストレスだけでなく、腸内そのものに原因があります。 それはズバリ、”腸内細菌”にあるということでした。腸内細菌(悪玉菌)の異常繁殖によるとも言われています。 というのも、ストレスが長く続くと、体内で非常にミネラルを消費します。 ミネラルは体内で作る事が出来ませんので、常に食事から補わなければなりません。 ミネラルが不足すると腸内細菌善玉菌が増えなくなり、悪玉菌が異常に増え、 腸内細菌特に悪玉菌が異常増殖して、小腸にまで広がり、この細菌を異物とみなし、蠕動運動を活発化させて食物を未消化のまま大腸へどんどん送り出してしまいます。 その結果、下痢となってしまうのだそうです。
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☆蠕動運動が低下で下痢になる場合

逆に蠕動運動が低下する事が原因で下痢が起こる場合もあります。 透析患者の下痢では糖尿病性神経障害に伴う腸蠕動運動が低下すると、腸内の内容物の通過速度が遅くなり、小腸内に細菌が増殖して、脂肪や水の吸収障害が起こり下痢となります。 また、糖尿病の合併症のひとつに、自律神経の障害があります。 下痢の原因は、自律神経の障害により腸の運動機能が低下し、小腸の上部を中心に腸内細菌(特に悪玉菌)が異常に増殖して腸内で発酵したガスが、腸を刺激するためと考えられています。 このような症状は、長い間、高血糖の状態が続き、消化管の働きを調整している自律神経の障害や細小血管の障害が元となって初めて発症します。 そのため、長期間血糖のコントロールが上手くいかないという自律神経障害の強い人に、下痢が続くという症状が現れるようです。 しかも下痢は昼夜を問わず発生します。 糖尿病が原因の下痢は、ふつうの下痢止めでは効かないことが多く、かなり強い薬を用います。 しばしばトイレに間に合わなく便失禁をしてしまうこともあり、日常生活に支障をきたす事があります。ですから、糖尿病の方は、食生活でしっかりと血糖コントロールを良くしておくことがとても大切になります。 上で述べたような①~④のメカニズムが絡み合って、便中の水分が増えて下痢が起きます。
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●下痢になると吐き気や嘔吐の症状も出るのはなぜ?

下痢になると、気持ち悪くなって吐きそうになったり、実際に嘔吐してしまうことがあります。 このように、下痢と嘔吐の症状が同時に出る状態を「嘔吐下痢症」といいます。
嘔吐下痢症は、胃腸の風邪とも呼ばれます。 感染性胃腸炎や急性胃腸炎と症状は同じで、単に呼び方が違うだけです。 嘔吐下痢症になると、下痢や吐き気の症状が出ます。 なぜ下痢と一緒に吐き気の症状が出るかというと、体に入った悪いものを体の外に出すという同じ目的の働きだからです。
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☆嘔吐と下痢の症状が出る流れ

食べたものが腐っていたり、細菌に感染していたりすると、体は体外に出そうとします。 それが下痢や嘔吐です。症状が出る順序は、まず気持ちが悪くなって吐き気がし、実際に戻します。次に下痢になります。 嘔吐→下痢が一般的です。 私達は腐ったものを食べると変な味がして、思わずペッと口から吐き出します。 それが飲み込んで胃に入った場合、突然の吐き気、嘔吐の症状が出るのです。 腸まで運ばれると、下痢として出そうとするのです。 ただし、便秘などで便が詰まっている場合、吐き気や嘔吐の症状が続きます。 実際、食べ物が傷んでいる場合、食べた時点で臭いが変だな、変な味がする、見た目が変、カビが生えているなど、何かしらの変化に気が付き、食べてもすぐに気付いて吐き出します。 そこで、気付かずに飲み込んでしまうと、突然の吐き気や突然の嘔吐が起こります。なんとなく気持ち悪いな・・・。 と思ったら我慢できないほどの吐き気が来て、その場で吐いてしまいます。 意識して吐き出そうともします。 腸にも影響が出ると、下痢になります。 腸まで原因菌が運ばれていた場合、吐くよりも下痢の方が早く排出できるからです。 しかし、この時に肛門付近で便が詰まっていたり、何かしらの原因で便が出せないとなると、上から出そうと体は反応し吐き気や嘔吐の症状が起こりるのです。 ですから、通常は嘔吐→下痢ですが、人によっては、下痢→嘔吐という順番で症状が起こる場合もあります。 どちらか一方の症状しか出ないこともあります。 食べてすぐに吐いた場合、嘔吐だけで症状が収まることもあります。 嘔吐下痢症とは言いますが、下痢になる前に悪いものを全て出してしまえば、下痢にならず嘔吐だけで終わることもあるのです。 また、嘔吐せずに下痢だけの場合もあります。 その場合でも嘔吐下痢症や感染性 胃腸炎、急性胃腸炎などと呼ばれまれます。 ウイルスや細菌にはいろいろな種類があり、季節で増えやすいのがノロウイルスやロタウイルスですが、このようなウイルスに感染したとしても、免疫力が高いと症状が少ししか出ないこともあります。 例えば、ロタウイルスの場合、ひどい下痢と嘔吐、発熱、白い下痢などの症状が出ますが、必ずしもそのような症状が出るとは限りません。 下痢だけだったり、嘔吐だけだったり、便の色が白くなるだけだったりと、個人差があります。
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☆下痢は必ずしもウイルスや細菌が原因とは限らない

普通、下痢と吐き気の症状が出たら、食べ物が腐っていたとか、ウイルスに感染したとか、風邪を引いたなどを疑いますが、必ずしもそのような原因であるとは限りません。 下痢と吐き気という症状は、消化不良でも起こります。お腹が冷えた状態で消化しにくいもの(肉や乳製品など)を摂取すると、下痢と共に吐き気や嘔吐が起こります。 お腹が冷えて消化器系の働きが低下すると、食べ物がスムーズに運ばれなかったり、消化されないため、食べたものが体内で腐敗して下痢を起こします。 その他にも、頭痛や胃もたれ、胃が張るなどの症状も同時に現れることが多いです。 ☆過敏性腸症候群で下痢や吐き気は起こる
過敏性腸症候群でも吐き気の症状が出る場合があります。 その理由として挙げられるのが以下の三つです。
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①胃腸の不調

胃腸の働きが悪くなって腐敗したガスが体内に溜まり、圧迫されたことによる腹部の不快感が吐き気に繋がります。 吐き気と共に、ゲップやおならなどの症状を伴うことが多いです。
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②逆流性食道炎

逆流性食道炎はストレスで起こりやすく、過敏性腸症候群と併発しやすい病気です。 胃酸の逆流や腹部の膨張感で、吐き気が起こります。 普段からゲップしやすかったり、苦い水が口の中に戻ってくるという場合は、逆流性食道炎を併発している可能性が高いです。
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③自律神経失調症

自律神経はストレスによって乱れるため、過敏性腸症候群の人に非常に多いです。 漠然とした不安やイライラ、下痢によるストレスなどが原因で、吐き気に繋がります。 このように、過敏性腸症候群はストレス性の他の病気を併発していることが多いため、下痢や便秘以外の症状を伴うことがあります。 ただし、毎日のように吐き気や下痢が続くという場合、重大な病気が隠れている可能性もあります。 ストレスによるものであれば自分でも改善できますが、まずは医師の診断を受けるようにしましょう。
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腸内環境を良好にして下痢を改善する

慢性的な下痢の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れによって起きた腸内バランスの悪化です。 下痢を改善するには、腸内環境の改善が欠かせません。 乳酸菌は善玉菌のエサになり、悪玉菌を抑制します。 普段からストレスを感じていたり、通勤や通学途中でゴロゴロ、トイレを探すのが日課になっているという人は、腸内改善を始めてみましょう。 腸内環境を良くする発酵食品や食物せんいなど毎日摂りましょう。 発酵食品(納豆、ヨーグルトなど)を買ってもすぐに食べ忘れてしまったり、買い忘れてしまう人はサプリメントがおすすめです。 腸内環境を良くするサプリメントがありますので上手に利用しましょう。

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