下痢の原因は薬に?

下痢の原因は薬の副作用

下痢とは通常よりも水分が多い便や、形のない便が、頻回に排出される状態をいいます。下痢はさまざまな原因によって起こりますが、薬が原因となって起こる場合もあります。

出来れば、下痢の原因となっている薬剤を中止し、症状に見合った治療を行うことが大切です。今回、下痢を起こしやすい主な薬剤をまとめてみました。

薬による下痢の原因とは

薬剤性の下痢とは、治療のために用いた薬によって腸の粘膜が炎症を起こす、粘膜に傷がつく、腸管の動きが激しくなる、腸内細菌のバランスを著しく変化させることなどが原因になって引き起こされる下痢を言います。 急性下痢症の 90%以上は感染症が原因ですが、感染症でない場合の原因のうち最も多いのは薬の副作用によるものです。一方、慢性下痢症の原因のほとんどは非感染性であり、さまざまな原因の中には薬が誘引になっている場合があります

薬による下痢は、服用後すぐに起こる急性的な下痢と、服用後1~2ケ月経過してから起こる遅発性の下痢がありますが、一般には薬を使用し始めて1~2週間以内に起こることが多いようです。 さまざまな薬が予期しない下痢を起こすことがありますが、一時的なものがある一方で、放置すると重症化するものもあります。なかでも、抗がん剤、抗菌薬、免疫抑制薬や一部の消化器用薬は重度の下痢を引き起こすこともありますので、注意が必要です。

下痢を起こしやすい主な薬剤(某医院採用薬一例)

①抗生物質
・リンコマイシン系(ダラシン注)
・経口合成ペニシリン系
(ビクシリン注・スルバシリン注、サワシリン細粒・カプセル・オーグメンチン錠)
・第三世代セファロスポリン系
(セフォタックス注、スルペラゾン注、セフトリアキソン注、モダシン注、フルマリン注、フロモックス細粒・錠、メイアクト細粒・錠)などの抗生物質 正常な腸内細菌のバランスが崩れ、ある種の菌が異常に増え、その菌の産生する毒素により、腸管粘液を傷害されることで下痢になります。抗生物質投与後、5日~10日後に下痢が始まることが多いようです。 抗がん剤
・代謝拮抗剤(5-FU注、メソトレキセート注・錠、キロサイド注)
・植物アルカロイド(カンプト注、エトポシド注) 消化管粘膜が傷害されるために起こります。数日から2週間後に発生します。複数の抗がん剤の組み合わせ方によっては、重度の下痢が起こりやすくなる場合があります。 ③抗炎症剤、解熱鎮痛剤
・非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs(ロビオン注、ロキソニン細粒・錠、ボルタレン錠・カプセル、ボンタールシロップ、セレコック錠) 消化管粘膜の細胞保護作用を破錠させて障害を起こし、下痢になります。 ④消化管機能調整薬
・プリペラン錠、ナウゼリン錠
腸管の運動を亢進し、下痢を起こします。 ⑤プロスタグランディン製剤
サイトテック錠、プロスタグランジンE2錠、プロスタルモンF注 腸管の運動を亢進し、下痢を起こします。プロスタグランジンE2錠は腸液の分泌を亢進させ水様性の下痢を起こします。プロスタグランジンの中には、普通の状態でも消化管の粘膜や腎臓に存在し、その生理機能を正常に保つ有益な働きをしているものがありますが、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は、このような正常な組織・臓器のプロスタグランジンの産出も抑えてしまうため、消化管障害や腎障害といった副作用が引き起こしてしまいます。 何らかの薬を服用していて、次のような症状が継続して起こる場合、または指示された「下痢止め」を服用しても症状が改善せず、放置せずに、ただちに医師又は薬剤師に連絡しましょう。受診する際には、使用中の薬(内服、わかる場合は注射も)の種類と量、使用し始めてからの期間、症状の種類や程度と持続期間などを医師に知らせましょう。 ①便が泥状か、完全に水のようになっている
②便意切迫またはしぶり腹がある、さしこむような激しい腹痛がある
③トイレから離れられないほど頻回に下痢をする
④便に粘液状のものが混じっている
⑤便に血液が混じっている 下痢が継続すると脱水症状を起こします。水分を多めにとるようにしてください。重度の下痢を放置しておくと、危険です。特に高齢者や乳幼児・小児では危険です。すみやかに受診する必要があります。

腸内環境を強化しよう

生活習慣病の9割は腸で決まると言われています。ですから、腸内環境を整えて、腸内が正常な働きをする様に整えれば生活習慣病は改善できます。様々な生活習慣による病気も下痢も改善されるのです。腸内環境を整えるサプリメントがありますので、上手に利用しましょう。

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