下痢の臭いからわかる病気

下痢の原因・下痢便の臭い・色からわかる病気
下痢の原因は様々ですが、下痢にも色や形、臭い、回数などによって下痢の原因が分かります。

単なる自然と治る下痢なのか、あるいは下痢の背後に病気が隠れて、病院で診察を受けた方がよい下痢なのかを判断する基準がある程度わかります。 日頃から便の様子を観察する習慣をつけていきましょう。 では下痢の様子から、見てみましょう。


目次
①酸っぱいにおいの下痢便  ②焦げ臭い下痢便  ③生臭いコールタール状の下痢便  ④腐った臭いの下痢便  下痢便の臭いや形 腸内環境を強化しよう 

下痢便から特殊な臭いがする時の病気①鼻をツンと刺激する様な、酸っぱいにおいがする時の下痢便

腸内異常発酵つまり発酵性消化不良を起こしている恐れがあります。 この場合は黄色っぽい下痢便が出ますので、色・匂い共に注意しておかなければなりません。 腸内細菌異常増殖症候群とは、小腸の内容物の動きが悪いために、ある種の腸内常在細菌が過剰に増殖し、下痢や栄養素の吸収不良を起こす病気です。 小腸内の細菌を適切なバランスに保つためには、小腸の内容物が正常に着実に動く(ぜん動)ことが重要です。 腸の内容物の動きが遅くなったり、1カ所にたまる状態が生じると、細菌が過剰に増殖します。

このような状態になる例として、胃や腸、またはその両方に対する特定の手術、あるいは糖尿病、全身性硬化症、アミロイドーシスなどの病気でも、ぜん動が緩慢になり、細菌の過剰増殖を引き起こすことがあります。 小腸内で増えすぎた細菌が炭水化物やビタミンB12などの栄養素を消費するため、摂取カロリーの減少やビタミンB12欠乏症が生じます。 また細菌は、消化を助けるために肝臓が分泌する胆汁酸塩も分解します。 胆汁酸塩が失われると、脂肪が吸収しにくくなり、下痢や栄養不良が生じます。 症状
特に頻度の高い症状は、腹部不快感、下痢、腹部膨満、過剰な鼓腸です。 症状がほとんどない人や、体重減少や栄養欠乏しかみられない人もいます。 他に重度の下痢や脂肪便(明るい色で、柔らかく、量の多い、脂ぎった便で、異常な悪臭を放つ)がみられる人もいます。
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②焦げ臭い下痢便

小腸機能の低下による消化不良を起こしている疑いがあります。 小腸で消化・吸収が障害されると各種の栄養素の欠乏が起こります。 そして、下痢、脂肪便、体重減少、るいそう、貧血、倦怠感、腹部膨満、浮腫などのさまざまな症状が出現します。

これらの疾患群を吸収不良症候群と言いますが、消化・吸収過程が障害されて発生するこの病態は、 栄養素の吸収部位である小腸疾患以外にも、膵・肝胆道系疾患や胃・十二指腸疾患、さらには全身性疾患でも発症する可能性があります。
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③生臭いコールタール状の下痢便

強烈な生臭いコールタール状の便は、消化管のどこかの部分で、相当な量の出血がある事を示しています。 タール便は光沢があって、海苔の佃煮の様にべとべとしています。また、めまい、ふらつきなどの貧血の症状が見られます。 口から肛門までの消化管のいずれの部分でも、出血が起こることがあります。 出血は肉眼で容易に見える場合(顕性)もあれば、量が少なすぎて見えない場合(潜在性)もあります。 潜在性の出血(潜血)は、便サンプルの化学的検査でのみ検出されます。 血液は直腸からも排泄されることがあり、黒いタール状の便(黒色便)または鮮紅色の便(血便)として出たり、1日当たりの出血量が小さじ数杯未満であれば正常な便に見えたりします。

黒色便は、出血部位が食道、胃、小腸の場合に多くみられます。 黒色便の色が黒っぽいのは、出血した血液が数時間、胃酸や酵素、大腸に生息している正常な細菌にさらされたためです。 黒色便は、出血が止まった後も数日間続くことがあります。 血便は、大腸から出血した場合に多くみられますが、上部消化管で非常に急速に出血が起きたときにもみられます。 下痢の原因は出血部位と患者の年齢によって異なるため、最も一般的な原因を具体的に挙げることは困難です。 一般的には、上部消化管出血の最も一般的な下痢の原因は以下のものです。 ●食道、胃、十二指腸の潰瘍またはびらん ●食道にある静脈の拡張(食道静脈瘤) ●嘔吐後の食道粘膜の裂傷(マロリー-ワイス症候群) 下部消化管出血の最も一般的な原因は以下のものです。
●大腸ポリープ ●憩室(けいしつ)性疾患 ●痔核 ●炎症性腸疾患 ●結腸がん 下部消化管出血の他の下痢の原因には、結腸にある血管の異常、肛門の皮膚の裂傷(裂肛)、虚血性大腸炎、放射線または血液供給不足による大腸の炎症などがあります。
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④魚や肉の腐った臭いの下痢便

特に水状、泥状の下痢便から肉や魚の腐ったようないやな匂いがしたら血液や粘膜が腸から大量にでて分解されていると考えていいでしょう。 当然脱力感があります。
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下痢便の臭い、色、形をよく観察しましょう

下痢便の変化によって病気の早期発見につながることもあります。 「便の観察」は健康のバロメーターとも言われています。下痢便を観察はとても重要です。 便観察のポイントは3つ・便の形状・便の色・便の臭いです。この基本的な3つの観察は食べた物によって変化します。 例えば、便の臭いの原因となっているのは、インドールやスカトールなどのたんぱく質が腸内細菌などにより分解されたものです。 だから、たんぱく質を多く含む食べ物を食べる人の便は腐敗が進んで臭くなります。 肉を食べ過ぎたとき、臭いが強烈というのはそのせいです。 臭いの、汚いのと文句ばかり言われる便ですが、世界一いい香りの便を出す動物がいます。 それはコアラです。コアラが常食とするユーカリの葉には強い香りがあり、それがうんちにそのまま含まれ、月桂樹のような芳香となって出ると言われているようです。 ちなみに、ニラやニンニクを食べたとき、その食べ物特有の臭気が出てきます。 ですから便の臭いと食べた物には相関関係があるのです。栄養剤などの薬を服用した時も、その臭いが便に残ります。 このように単に「便が臭い」と言っても、その微妙な違いによっていろいろなケースが考えられます。 食生活が洋風化し、高たんぱく、高脂肪の食品を多く摂取するようになってきた日本人は、その便まで洋風化し、ますます強烈に臭くなってくるのではと言われます。 ですから、慢性的な下痢の方は何を食べたか便日記をつけることで下痢の改善にも役立ちます。 うんちは「汚いもの」「くさいもの」なのでさっと流してしまう方が多いかもしれませんが、形や色、においによって、あなたの健康状態や腸内環境を知らせてくれる大切なものですから、ゆっくり、じっくりと観察しましょう。 トイレに芳香剤などを置かない方が臭いの変化がわかりやすいです。
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腸内環境を整えて下痢を改善

腸内環境を整えるためには、まず腸内の働きを再認識してみましょう。 腸では食べ物の吸収・排泄だけではなくなく主に7つの働きをします。 1.消化:食べ物をブドウ糖やアミノ酸に分解 2.吸収:小腸の粘膜から栄養素のほとんどを体に吸収 3.合成:腸内細菌と協力してたくさんのビタミンやホルモン、酵素をつくる 4.免疫:体内の免疫細胞の60~70%が小腸に存在、腸内細菌と協力して町の免疫細胞が病原菌やウイルスから体を守る 5.浄血:善玉菌が多く、元気であれば腸内腐敗を防ぎキレイな血液をつくる 6.解毒:腸の粘膜組織や腸内細菌が有害物質を分解して解毒をサポート 7.排泄:小腸で栄養が吸収されると大腸で栄養分を取り除いた後の残りかすを便として形成し排出 腸内にはこのような重要な働きがありますので、何をどう食べるかで終わるのではなく、食べた後にどう体内へ吸収されるかが重要なのです。 ですから腸のコンディッションが整っていくと下痢や他の病気を改善しようと体は必死に働きます。 様々な病気を寄せ付けない身体、今や世界的な脅威をふるっている新型コロナウイルスなども腸内で予防できるのです。 腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。

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