下痢の原因・食生活の落し穴

下痢が長く続いたり、病院に行っても下痢の原因が不明の場合、何とかおなかに良いものを食べなければと思っておられる方は多いものです。
下痢で辛い あるいは良いものを食べているのに下痢が続き下痢を改善するにはどうしたらよいのか思案しておられる方もいるようです。
こうした状況の中で、最近、腸活という言葉もきかれるようになり、一般的に「腸内環境を整える」ことに対して、関心が高まっています。 おなかが弱い、下痢しがちといった身体の不調を抱えている場合、一番に見直したいものが腸内環境です。
腸内環境を整えるって一体どういうこと?整えることでどんな良いことが起こるの?

腸内環境を整えるとは

腸内環境を整えるとは、簡単にまとめると私たちの腸内に住んでいる体に良い菌、「善玉菌」を増やし、 様々な病気の原因である「悪玉菌」を減らし、腸内環境をよい状態にすること。
腸内細菌は主に、「善玉菌」と「悪玉菌」、そして普段は中立で、腸内菌の状態により、善玉にも悪玉にも変化する「日和見菌」で構成されており、 一般的に理想とされる腸内細菌の割合は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7とされています。 そして、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることにより、ガンをはじめとして様々生活習慣病を予防できるといわれています。 悪玉菌によるアンモニアや硫化水素(がんの要因にもなる)の生産量が減り、がんリスクを低減、また人間の免疫機能の6~7割を担う腸の免疫細胞を腸内細菌が活性化し、免疫力の強化、アレルギー症状が軽減されるからです。
腸内善玉菌が善玉菌が多い腸内環境にしよう!

その他の腸内細菌の働き

善玉菌が生産するビタミンB群やビタミンKによる疲労回復効果。
善玉菌の生産する有機酸の腸への刺激による便秘の解消。 腸内細菌が生産する脂肪酸のエネルギー代謝に関わる受容体への刺激による肥満の予防・・・など、身近な不調改善から将来的な病気予防まで、様々な効果が期待されています。

お腹に良いとされる食品が下痢の原因に

お腹に良い物と思って食べていたものが実が下痢の原因だった
これ、「おなかに良いよ」の落とし穴…

腸内環境に良いとされる食品を積極的に摂っているのに、一向におなかの調子が良くならない。
下痢が改善されない。こうしたお声は、実はたくさん耳にします。 「腸内環境を整えることで、ガンをはじめとして様々生活習慣病を予防できる」ともいわれていますが、ちょっと待って。 ヨーグルト、ぬか漬け、味噌汁、発酵食品、果物・・・、などなど
腸内環境を整え、ガンの予防にも良いといわれている食品を積極的に摂っていたのに、ガンになった!という人が全くいないわけではありません。 いくら食事に気を使っても、生まれ持った体質には通用しないのでしょうか?
いえいえ、その前に、根本的なことから考え直してみましょう。そもそも、健康に気を使って食べている食品は、 本当に腸内環境を整えているのでしょうか? あなたの腸内の「善玉菌」を元気にするもの VS「悪玉菌」を元気にするもの

善玉菌を元気にするには、善玉菌のエサとなる食品を摂ることが大切。まず、あなたの腸内の善玉菌を元気にし、悪玉菌を減らすために必要とされている食品をみていきます。

下痢を改善・善玉菌or悪玉菌を元気にする食べ物

🔷善玉菌を元気にする食べ物
善玉菌の餌となる食品はヨーグルト、ぬか漬け、味噌汁、キムチ、チーズなどの発酵食品。
これらに含まれるビフィズス菌や乳酸菌のような善玉菌。 実際はそれらの菌は酸に弱く腸に届く前に胃酸で死んでしまいますが、死んでしまった菌も腸内環境を整えるためには有効です。
そして、食物繊維や、善玉菌のエネルギー源となるオリゴ糖も善玉菌の大好物。 善玉菌のエサとなるものを摂取し腸内環境を整えることを「プレバイオティクス」と言い、食物繊維やオリゴ糖を含む代表的なものには以下のようなものがあります。
玉ねぎ・ ゴボウ・ バナナ・ キャベツ・ 大豆・ トウモロコシ・ 果実類・ しいたけ・ 海藻類 🔷悪玉菌」を元気にする食べ物
さて、反対にあなたの腸内の悪玉菌を優性にしてしまうのはどんなことなのでしょうか?食事面からみると、悪玉菌の栄養源は、タンパク質や脂質。 高タンパク、高脂質な、いわゆる欧米化な食生活が腸内環境に悪い食事と言えます。また、野菜や海藻の摂取量が少ないと、悪玉菌やアンモニア、硫化水素といった有害物質の排出が十分に行われず腸内環境に良い影響を与えません。 発酵食品や野菜が少ない外食やコンビニ弁当中心の食生活も同様。そして、女性が大好きな甘いものは悪玉菌も大好き。悪玉菌は砂糖と油分が大好物です。 また、東大の実験では砂糖の摂取で胃腸の働きが鈍くなり、特に白砂糖を取ると著しく腸の蠕動運動が停滞することが分かっています。砂糖がたっぷり入った甘いものは、女性の大敵、便 秘を助長するのです。 食事以外では、腸内の善玉菌は高齢になればなるほど減っていき、抗生物質や合成保存料も、腸内細菌に悪影響を与えると言われています。

腸内の善玉菌に良い食材を積極的に摂っていても、それ以上に、お肉、乳製品といった高たんぱく、高脂質な欧米食、砂糖がたっぷり入った菓子パンやお総菜パンを常食していれば、善玉菌以上に悪玉菌が元気になってしまいます。

🔷偽発酵食品が横行

また、善玉菌に良いと信じて、ヨーグルト、ぬか漬け、味噌汁、チーズ、キムチといった発酵食品を食べていたとしても、ヨーグルトは甘味料が入った甘いタイプだったり、ぬか漬け、味噌、キムチは食品添加物や合成保存料が入っていれば、 発酵食品としての役割どころか、かえって体に負担のかかる食品添加物や合成保存料が含まれるニセ発酵食品を摂っている事に!

🔷本当に腸に良い食事ってどんなもの?

腸の状態を整える食事って、本当はとてもシンプルです。私たちの腸内に住む善玉菌のエサ、発酵食品、食物繊維、オリゴ糖。こうしたことを考えると、やはり、和食が私たち日本人の身体にはぴったりです。 ご飯にお味噌汁(伝統的な方法で作られたもの)、食物繊維をしっかり含む野菜の煮物、青菜のお浸し、漬物(市販の食品添加物が入ったものではなく、自分で作ったものや伝統的な方法で作られたもの) 善玉菌 悪玉菌 日和見菌

たった一日で変化する腸内フローラ

ハーバード大学のターンバウ博士らの研究では、食事を「完全な動物性食品(肉、卵やチーズなど)」から、「完全な植物性食品(穀物、レンズ豆、野菜や果物など)」に変えると、腸内フローラ(腸内環境)は1日で変化することが分かっています。 良いと思って摂取していたはずが、実は下痢の原因になっていたということは、気づいていないだけでよくある話です。
もう一度、自分が日頃頻繁に、もしくは定期的に口にしている食品の成分表示をチェックしてみましょう。思わぬ気付きがあるかもしれません。

腸内環境をしっかり整えよう


「生活習慣による病気の9割は腸で治る」と言われています。それほど腸内環境は重要な器官です。慢性的な下痢をほっておくと重篤な病気なりかねません。まずは腸内環境を正しい方法で整えましょう。 食事で腸内環境を整るのは難しいと思っておられる方は腸内環境をしっかり整えるサプリメントがありますので、上手に利用してみましょう。下痢の改善は一段と早くなります。

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