下痢の原因はテイクアウト

下痢の原因はテイクアウト

コロナ禍に合って、自粛生活中に増えたテイクアウトですが、下痢の原因となる食中毒を起こすことがあります。お店の味が家で楽しめるのはうれしいのですが、高温多湿の梅雨以降は注意しなければなりません。

一家だんらんのはずが下痢で修羅場と化す前に、危ない“持ち帰り”を考えてみましょう。

下痢になるテイクアウトの危険性

コロナ禍にあって、外食産業の売り上げはダウンしています。減収を補おうと、多くの店が持ち帰りに力を入れるようになりました。 緊急事態宣言が解除されても、すぐにお客さんが元の数に戻るとは限りませんので、今後もテイクアウトを強化するお店は増えてくるでしょう。だからこそ、食中毒が起こりやすい梅雨や夏場に向けて、そのリスクを避ける知識が必要となってきます。


もともと、テイクアウトは注文を受けてから調理して、持ち帰り後はすぐに食べるのが一番良い方法です。また、そうしなければ美味しさも半減します。 ただ現実問題として、コロナ禍で急きょ、テイクアウトを始めた個人経営の居酒屋や定食屋のなかには、衛生面の安全対策がまだ手探りで、危うい状況にある店も見受けられるようです。

現実として、作り置きの弁当や惣菜を、直射日光が当たる暑くなりやすい店先で一定時間陳列したり、おいしさを追求して、加熱が十分でないレアな焼き加減でおかずを提供するお店もあります。 細菌は水分・温度・栄養があるところで繁殖しやすい。とくに30~37度くらいの気温帯は危険ゾーンです。たとえば腸炎ビブリオの場合、わずか2時間ほどで、1つの菌が発症レベルとなる1万個に増殖するといわれています。

店の厨房(ちゅうぼう)と、コンビニなど長時間流通させることに対応する弁当工場では、製造や管理の状況が異なります。同じ料理だとしても、同じに考えないでください。テイクアウトの場合は長時間流通に適してないものが殆どです。 全ての食材に火が通してある弁当でも、盛り付け時に菌が付着することがあります。過去にはピラフやステーキの弁当で食中毒が発生した事例がありますので十分な注意が必要です。

●テイクアウトの問題点
①夏場に増加する食中毒菌
夏場によく下痢の原因となるのは、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌のO157、サルモネラ菌などの細菌です。潜伏期間は数時間から数日で、主な症状は腹痛や下痢、発熱、悪寒、倦怠感などです。 なかには重症化することもあり、O157だと脳障害に発展したり、亡くなる例も報告されています。

食中毒菌は20℃~50℃の温度帯でよく増えます。購入してすぐに食べない時には、冷蔵庫に保管するか、持ち帰り時間が長い時には、再加熱してから食べましょう。原則として、その日に購入した物は必ずその日に食べましょう。

②販売方法
テイクアウトの商品を屋外で販売しているあるいは山積み陳列になっている場合があります。販売する数時間前に商品は出来上がっており、野外での販売では高温にさらされ、とても危険です。
それで、下記の点が守られているお店かどうかかチェックしてみましょう。

●販売する商品は、クーラーボックスや店内の冷蔵庫に保存されているか
調理した食品は速やかに10℃以下まで冷ますか、65℃以上で保管しなければ、食中毒菌が増えていきます。

●注文後に作られているか
注文してから調理されていると、食べるまで時間が短く、安心して食べれます。

●テイクアウト用に適した容器、あるいはメニューになっているか
鮮魚介類など生ものを提供ているものは購入しない様にしましょう。水分を切る、よく煮詰める、浅い容器に小分けするなど傷みにくい工夫がされているか確認しましょう。

●お店の規模や調理能力に合った提供数になっているか
注文を受けてから調理するなど食べられるまでの時間を時間を工夫し、容器詰めは清潔な場所でしょうか。

●加熱が必要な食品は、中心部まで充分に加熱されているか
たくさん弁当などを作ると、揚げ物などは中まで火が通っていない場合があります。確認しましょう。

●速やかに食べる様に、お客さんに知らせているか
一言、親切な声掛けが行なわれているか、信頼のおける目安になります。

●アレルギーのある食材には質問して答えられるか
アレルギーのある人は、食材に気を使っていますので、質問に充分答えられるよう、食材を把握しているお店でしょうか。

●衛生管理の行き届いているお店かどうか(マスク、ゴム手袋など)
食中毒の一因となる黄色ブドウ球菌は手の切り傷やささくれに生息し、食品に付くと毒素を発生させます。こうした菌の付着をビニール手袋で 防げます。 髪の毛が入るのを防ぐメッシュキャップの着用、画びょうやクリップが入らないよう店内の掲示物はテープ留めに変更、と異物混入対策がされているでしょうか。

③危険な盛り付けをしている
弁当の盛り付けは、温かいものと冷たいものを一緒にしないことが大事です。たとえば、焼き肉の下にサニーレタスを敷いたり、ハンバーグに大根おろしをのせたりすると、冷たい生野菜に付着していた菌が温められて、増殖してしまう可能性があります。

また、丼ものに温泉卵がトッピングされているとおいしそうに見えますが、卵にはサルモネラ菌がついていることもあり、持ち帰りの弁当で盛り付けて提供するのは危険です。 見た目の豪華さと安全は比例しません。こうした食材は、それぞれ分けて盛り付けてあるかどどうか、正しい衛生知識の下で販売されているかどうか判断してから購入しましょう。
半熟卵やレアなお肉の商品は避けましょう。

家庭内での注意点
食中毒を予防するため、魚なら中心温度60度で1分、肉なら75度で1分が加熱の目安です。自宅での調理もしっかり火を通すことを意識しましょう。 さまざまな食品に菌を広げないために、まな板の両面を野菜類なら表、肉・魚介類なら裏と使い分けるのもポイントです。また作り置きのおかずはお酢を使ったレシピがおすすめ。 お酢には菌の増殖を抑える効果があります。少しにおいは残りますが、ご飯は2合に対して大さじ1杯のお酢を入れて炊くと長持ちします。

作り置きの料理は、余ったら必ず冷蔵庫で保管しましょう。次に食べる時には火を充分通すなど、再加熱をしましょう。 テイクアウトでも、家での料理でも、正しい知識と小さな意識の積み重ねが家族を守ることにつながります。 家に持って帰る時間がかかる場合は保冷剤や凍らせたペットボトルなど、冷やせるものを持って買いに行くのもいい方法です。

食中毒にならない為のまとめ
テイクアウト・デリバリーをした食品を取り扱うときの注意点として次のことに注意出来ているかどうかチェックしてみましょう。

□持ち帰るときは、暑い車の中に長時間置かない等、温度管理に注意している

□テイクアウトやデリバリーをした食品は、長時間放置せず、できるだけ早く(2時間以内)食べている

□食べる前には、手洗いをしている □食べ残ししない量を考慮して注文し、1回の食事で食べきっている

□食べる際、臭いの異常を感じるかどう観察している □消費期限やアレルギー情報など必要な情報は、購入時に店に聞いている □食品の傷みや食物アレルギーが判断できないので、留守番する子どもだけで食べるのは避けている

テイクアウトや宅配された弁当等により発生した食中毒事例
テイクアウトや宅配された弁当等により発生した食中毒事例を見てみましょう。

①事例1:調理従事者の手指を介した黄色ブドウ球菌食中毒
勉強会で提供された弁当を食べて、3名が食後3時間~9時間で下痢、おう吐等の症状がでました。 下痢の原因は飲食店が調理した弁当でした。弁当は、ご飯の上に若鶏の照焼、錦糸玉子、漬物が盛り付けられ、当該飲食店とは異なる宅配業者で届けられていました。

保健所の検査の結果は黄色ブドウ球菌が原因でした。調理従事者は、素手で鶏肉の照焼や錦糸玉子のカットをしていたため、この時に手指から黄色ブドウ球菌が調理品に汚染されたようです。


さらに、弁当は十分に放冷されずに宅配業者に手渡されたため、宅配業者は保冷剤入りの箱に入れたものの、十分に保冷されなかった可能性がありました。弁当は3時間半後に会場に到着し、患者が喫食するまで2時間半以上常温で保管されました。調理から食べるまで約6時間が経過していたことになります。 この6時間の間に調理の際に食品に付着した菌が、温度管理が不十分であったために増殖しようです。

②事例2:おにぎりの常温保管でセレウス菌食中毒
会合で配布された弁当を食べ、約20名が食後すぐにから食後4時間で吐き気、下痢、おう吐等の症状がでました。 下痢の原因は飲食店が調理したおにぎり、焼き魚、煮物等が盛り付けられた弁当でした。当該飲食店とは異なる宅配業者によって宅配されたものでした。

弁当の調理後、おにぎりは常温に置かれ、おかずは放冷が不十分なまま冷蔵庫に保管されており、食中毒菌が増殖しやすい状態でした。盛付けは、調理場の作業スペースが十分でなかったため客席で行われ、調理から盛付け終了まで7時間以上かかっていたようです。

弁当は保冷剤を入れたダンボール箱で宅配業者により患者らに宅配され、喫食するまでの2時間半そのまま保管されました。調理から飲食まで9時間半もの時間が経っていました。 保健上の検査の結果、おにぎりや複数のおかず、シンクなどの拭き取り検体、患者及び調理従事者のふん便からセレウス菌を検出されました。

当該飲食店は注文があったときだけ弁当の調理を行なっており、弁当の提供数に見合う十分な調理スペースや器具はありませんでした。拭き取り検査で器具や手指から食中毒菌を検出したことから、余裕のない施設規模での調理が長時間の盛付けや常温保管につながり、食中毒菌による汚染、増殖を招いたものでした。

③事例3:作り置きの煮物でウエルシュ菌食中毒
飲食店で調理した弁当を食べた者のうち、約70名が食後4時間から12時間で下痢、腹痛等の症状がでました。飲食店が調理した弁当は鶏肉の煮物、玉子焼き、サラダ、ごはん等が含まれ、飲食店が調理し、テイクアウトの弁当として、店頭で予約客に受け渡されました。 保健所の検査結果、複数のおかず、患者及び調理従事者のふん便からウエルシュ菌を検出されました。

食中毒菌を検出した鶏肉の煮物は、提供2日前に調理し、常温で2時間以上かけて放冷後、冷蔵庫で保冷されました。当日は常温に6時間以上おかれ、再加熱することなく盛り付けられました。

様々なおかずが含まれる弁当を少ない人員で調理し、調理器具の洗浄消毒の不備や調理品の保管状況の不備により、食中毒菌の付着、増殖したものだと考えられました。
また、再加熱しない弁当のおかずを食べるまでに6時間以上経過していたようです。

この三つの事例からわかること
①手洗いを徹底し、盛り付けを行う際は食品に手が直接触れないように手袋を着用しなかったこと
(黄色ブドウ球菌は、鼻の穴などの粘膜、傷口に存在しています。鼻をこすったりすることで手に付着します。手荒れも原因となるので、日頃の手荒れ防止のケアも重要です。)

③一度に大量の米飯やめん類を調理し、作り置きしてたこと
(セレウス菌による食中毒の多くは、米飯やゆでたパスタ等の常温放置が原因)

④調理した食品を放冷し、粗熱をとってから冷蔵庫に入れなかったこと
(熱いままだと庫内温度が上がり、菌が増殖します。)

⑤提供当日は、必ず提供直前に十分な加熱をおこなわなかったこと
(ウエルシュ菌は「芽胞」をつくるため、一度加熱してもゆっくり冷めると再度増殖します。提供前の再加熱がばなかったことが原因)

⑥盛り付けや放冷等も調理の一環ですので厨房内で盛り付けしなかったこと

⑦盛り付けた弁当はしっかりと放冷してからふたをしなかったこと

⑧宅配業者が温度管理を徹底しなかったこと

⑨宅配された弁当を到着後、すぐに食べなかったこと

腸内環境を強化しよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸内は食べた物を消化・吸収・排出するところですので、有害なものを食べたとしても速やかに排出できることが出来ます。 又有害菌が増殖しない様にも守られています。しかし、腸内環境が悪化していると、腸内での正常な働きが出来なくて、有害菌がドンドン増殖してしまいます。結果下痢が発生し、食中毒などが起こります。

又、腸内環境が良好にならなければ、様々な疾患を起こしてしまいます。現代人は特に腸疾患が多く、免疫力の低下に始まり、アトピーから含ガンに至るまで多岐にわたる病気が蔓延しています。 下痢になるなど身体が不調を感じたなら、まずは早急に腸内環境を整えましょう。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。

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