下痢の原因はセロトニン症候群
下痢の原因は千差万別です。一過性の下痢から慢性的な下痢、あるいは特定な病気による下痢、薬の副作用など、下痢は腸から身体に知らせる異常なサインの一つです。下痢の原因の一つとしてセロトニン症候群があります。
下痢の原因となるセロトニン症候群とは
セロトニン症候群とは、抗うつ薬など、脳内のセロトニン濃度を調整する薬を飲んだ時に起こる副作用のひとつで、セロトニン中毒とも呼ばれます。一般に、薬の飲み始めや服用量を増やしたときにおこりやすくなります。
また、抗うつ薬の服用量が多すぎる場合にも起こりやすくなります。セロトニン症候群になると、体内の3つの神経系に影響が出てきます。それぞれの症状について考えてみましょう。
①自律神経症状
これは無意識のうちに血圧や心拍数などをコントロールしてくれる神経です。セロトニンが過剰になると、高血圧、心拍数の増加、冷や汗、体温の上昇、吐き気、下痢などが起こります。これといって特別な理由がないのに緊張している感覚があります。
②神経・筋肉症状
手や膝の震え、緊張と緩和の繰り返し(あご、歯をがちがちさせる、など)、筋肉が硬直する、ミオクローヌス、筋強剛、振戦、反射亢進、自分の意思とは無関係に体が動いてしまう、といった症状が見られます。
③精神症状
セロトニン症候群では混乱、錯乱、興奮、頭痛などが現れることがあります。考えがまとまらない、集中力がない、映画の意味が理解できない、などといった症状が現れたなら、セロトニン症候群かもしれません。
また、セロトニン症候群では昏睡状態になることがあります。熟睡と昏睡の違いは、熟睡なら外部の刺激で目覚めることがあるのに対し、昏睡では目が覚めることがないという点です。セロトニン症候群の症状が重い場合は死に至ることもあるので注意が必要です。
セロトニン症候群の対処法
興奮や混乱など、精神的な症状についてはうつ病とも関連があるため、セロトニン症候群の症状として自覚するのは難しいかもしれませんが、手足の震えや心拍数の増加、冷や汗、体温の上昇など、身体的な症状が現れるようになったならすぐに医師に相談しましょう。
一般的には薬の服用をやめると1日で症状が消えるといわれています。ただし、薬の服用量を減らすときや断薬するときには注意深さが必要です。自己判断で調節せずに必ず医師に相談しましょう。
セロトニン症候群はサプリメントを飲みすぎたときにも起こる
脳内のセロトニン濃度が高くなりすぎると、「セロトニン症候群」と呼ばれる症状が発生します。発熱や吐き気、嘔吐などさまざまな症状が現れますが、最悪の場合では死に至ることもあります。
セロトニン症候群は、特定の薬を服用したときに発生することが知られています。
たとえば、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に代表される抗うつ剤です。しかし、そういった薬を使っていなくても、セロトニン症候群が起きる可能性があります。それは特定のサプリメントを過剰に摂取したときです。
セロトニン症候群に関係するサプリメント
① セントジョーンズワート
セントジョーンズワートは、軽度~中度のうつ症状に対して使われることがあるサプリメントです。日本ではサプリメント扱いですが、ドイツやオーストラリアなどでは、処方箋が必要な医薬品として使用されています。
セントジョーンズワートが人体にどういう作用をおよぼすのか、完全には明らかになっていませんが、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と似たような働きをすると推測されています。そのため、サプリメントの中ではセロトニン症候群が一番発生しやすいと言えます。
② トリプトファン
トリプトファンはセロトニンの原料になる物質です。トリプトファンはアミノ酸の一種なので、一般的な食べ物に含まれています。たとえば肉類や魚介類などは、トリプトファンを豊富に含んでいる食材です。
日々の食事から摂れるトリプトファンの量なら、セロトニン症候群が発生することはありません。
しかし、サプリメントを大量に飲んだり、セロトニン系の薬物(SSRIなど)と併用したりするとリスクが高まります。
③ 5-HTP(ヒドロキシトリプトファン)
トリプトファンと同じく、5-HTPもセロトニンの原料になる物質です。トリプトファンと異なる点は、「5-HTPとセロトニンは化学的な距離がとても近い」ということです。そのぶんだけセロトニンを増やす効果が期待できますが、裏を返せばセロトニン症候群の原因になりやすいとも言えます。
5-HTPは一般的な食べ物の中には含まれていませんが、サプリメントの形で摂取することができます。海外では、5-HTPはセロトニンを増やすサプリとして人気があります(日本では薬事法の関係で売られていません)。
サプリや医薬品の飲み合わせにも注意!
上記で述べた3つのサプリメントは、過剰に摂取するのは厳禁です。そして、過剰摂取よりも危険なのが医薬品と並用することです。サプリメントと医薬品は同じではありませんが、似たような作用を持つ場合も多いです(たとえばセントジョーンズワートとSSRI)。そのため、併用すると予想外の作用増強が起きる危険があります。
抗うつ剤以外でも、サプリメントとの同時使用が問題になる場合があります。たとえば「炭酸リチウム」は反復性過眠症の治療に使われますが、この薬はセロトニン症候群を引きおこすことがあります。
当然、先に述べたセントジョーンズワートなどのサプリメントと一緒に使うのは危険です。持病の治療のために何らかの薬を服用している人は、サプリメントとの飲み合わせでセロトニン症候群になる可能性があるかどうか、医師に確認をとるようにしましょう。
なお、先に挙げた3つのサプリメント同士を並用することも、基本的には避けたほうが無難です。医薬品の場合と同じく、想定よりも作用が増強されるかもしれないからです。
腸内環境を強化しよう
「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。腸が元気で丈夫であれば、生活習慣からくる病気の殆どは回避できます。慢性的な下痢などは腸内環境をしっかり整える事により、改善は一段と早くなります。
現代のストレス社会では、より多くのビタミンやミネラルが必要となります。これらが不足することで精神的な疾患などを起こすこともあります。栄養バランスを整え腸内の改善をしてみましょう。腸内改善をするのに適切なサプリメントがありますので上手に利用してみましょう。