ミンティアで下痢・腹痛になるのはなぜ?食べ過ぎとの関係と対処法

執筆・監修:箕浦雅子(薬剤師)|株式会社健将 代表取締役

「ミンティアを食べるとお腹がゆるくなる」

「続けて食べていたら急にお腹が痛くなった」

「食べ過ぎると下痢になるって本当?」

そんな経験があると、ミンティアそのものがお腹に悪いのではないかと心配になるかもしれません。

結論からいうと、ミンティアを食べた人すべてに下痢や腹痛が起こるわけではありません。

一方で、タブレット菓子やシュガーレス食品などに使われることのある糖アルコールには、摂取量や体質によってお腹がゆるくなるものがあります。

代表的なものの一つがソルビトールです。

厚生労働省も、D-ソルビトールについて、摂取量が多くなると緩下作用、つまり便をゆるくする作用が起こり得ることを示しています。[2]

ただし、ここで大切なのは、

「ミンティアを○粒食べると下痢になる」

と一律に決めることはできない、という点です。

ミンティアには複数の商品があり、商品ごとに原材料や設計が異なります。[3]

この記事では、ミンティアを食べたあとに下痢や腹痛が起きたとき、どのようなことが考えられるのか、食べ過ぎとの関係、確認したいポイント、対処法、受診の目安について解説します。

ミンティアを食べると下痢になることはある?

可能性はあります。

ただし、

「ミンティアという商品だから下痢になる」

と考えるのではなく、

  • 食べた商品の原材料
  • 一度に食べた量
  • 食べる頻度
  • 本人の体質
  • その日の体調
  • 一緒に食べたもの

などを分けて考える必要があります。

ミンティアは、アサヒグループ食品の公式情報によると、1996年にポーラフーズ株式会社から発売されたタブレット菓子ブランドです。その後、2003年にアサヒフードアンドヘルスケア株式会社へ継承されています。[3]

同じ「ミンティア」という名前でも、商品によって風味や原材料の構成は同じではありません。

そのため、ある商品を食べたあとに症状が出たとしても、すべてのミンティアで同じ反応が起こるとは限りません。

ミンティアを食べたあとにお腹がゆるくなる原因として考えられること

糖アルコールによる浸透圧性の下痢

糖アルコールは、砂糖とは異なる性質を持つ糖質の一種で、食品や医薬品などに使われています。

その一つがソルビトールです。

ソルビトールは、小腸ですべてが吸収されるわけではありません。

吸収されずに腸管内に残った場合、その浸透圧によって腸の中へ水分を引き込み、便をやわらかくすることがあります。

このような仕組みで起こる下痢は、浸透圧性下痢の一つとして説明されます。

Johnstonらは、ソルビトールを含む液体医薬品について調査し、浸透圧性を持つ添加物による消化器症状が下痢の一因になり得ることを報告しています。[1]

ただし、この研究はミンティアを対象にした研究ではありません。

ここは非常に重要です。

この研究から言えるのは、

「ソルビトールには、摂取状況によって下痢に関係する性質がある」

ということであって、

「ミンティアを食べると下痢になる」ことを証明した研究ではありません。

摂取量が多いと、お腹がゆるくなることがある

ソルビトールによる緩下作用は、摂取量と関係します。

厚生労働省は2003年、「D-ソルビトール」を多量に添加した食品について通知を出し、その参考資料の中で、ソルビトール摂取量と緩下作用との関係を整理しています。[2]

この資料では、緩下作用を示す量に加え、体重当たりの最大無作用量に関する研究値も紹介されています。[2]

ただし、これらは特定の研究条件や当該食品について整理された数値です。

したがって、

「この数値からミンティアなら○粒まで安全と計算する」

ことはできません。

また、商品中の各成分量が公開されていない場合には、粒数に換算すること自体が適切ではありません。

そのため、本記事では「○粒までなら安全」という基準は設けません。

同じ量でも症状には個人差がある

同じ食品を同じ量食べても、

  • 何も起こらない人
  • お腹が張る人
  • ガスが増える人
  • 軟便になる人
  • 腹痛や下痢になる人

がいます。

糖アルコールの吸収や腸の反応には個人差があるためです。

また、同じ人でも、

  • 空腹時
  • 疲れているとき
  • 睡眠不足のとき
  • もともと下痢気味のとき
  • 別の食品を一緒に食べたとき

など、条件によって症状の出方が変わる可能性があります。

そのため、

「前は平気だったから今回も大丈夫」

とも、

「一度下痢をしたから今後必ず下痢になる」

とも言い切れません。

ミントの刺激だけを原因と決めつけない

ミンティアには、清涼感の強いミント系の商品もあります。

アサヒグループ食品の公式情報では、ミンティアの一部商品にミント香料や小粒カプセルが使われていることが説明されています。[3]

また、過去にはメントールの量を増やした刺激の強い商品も発売されています。[4]

ただし、

「メントールがミンティアを食べた際の下痢の主な原因である」

とする十分な根拠は、今回確認した資料からは示せません。

したがって、清涼感の強い商品を食べたあとに腹痛が起こった場合でも、

「ミントが強かったからだ」

と一つの成分だけで決めつけないことが大切です。

ミンティアを食べてすぐ下痢になった場合は?

「ミンティアを食べて10分ほどしたら、急にトイレへ行きたくなった」

という場合、

今食べたミンティアそのものが10分で便になって出てきたわけではありません。

食べ物や飲み物が胃に入ることをきっかけに、大腸の動きが活発になることがあります。

この反応は胃結腸反射と呼ばれます。

もともと腸が敏感な人や、すでに腸内に便がたまっている場合には、何かを食べたり飲んだりしたことをきっかけに便意が起こることがあります。

そのため、

「食べてすぐ下痢になった=その食品だけが原因」

とは限りません。

ミンティアを食べるたびにお腹が痛くなる場合は?

一度だけ症状が出た場合は、その日の食事や体調など、別の要因が重なっていた可能性もあります。

一方、

「毎回同じ商品を食べるとお腹が痛くなる」

「多く食べた日ほど下痢になる」

「別のシュガーレス菓子でも同じ症状が出る」

という場合は、条件を整理してみると原因を考えやすくなります。

多く食べたときだけ症状が出る

まずは食べた量との関係を確認します。

一度に何粒も続けて食べている場合には、量を減らしたときに症状がどう変わるかが手掛かりになります。

他のシュガーレス食品でもお腹がゆるくなる

原材料表示を比較してみましょう。

ソルビトール以外にも糖アルコールには複数の種類があります。

共通する成分がないか確認することが、原因を考える手掛かりになります。

特定の商品だけ症状が出る

ミンティアには複数の商品があるため、商品ごとの原材料の違いを確認します。[3]

ミンティアを食べていない日にも下痢になる

この場合は、ミンティア以外の原因も考える必要があります。

ミンティアは何粒までなら大丈夫?

気になる方が多いところですが、

医学的に「○粒までなら大丈夫」と一律に決めることはできません。

以前の記事では具体的な粒数を示していましたが、改めて文献や公的資料を確認すると、そのような数字を医学的根拠のある安全基準として示すことは適切ではありません。

理由は、

  • 商品によって原材料が異なる
  • 各成分の配合量を粒数に換算できない場合がある
  • 体重や体質によって反応が異なる
  • 同じ人でも体調によって変わる

ためです。

厚生労働省資料にもソルビトールの緩下作用に関する数値はありますが、それはミンティアの摂取上限を示したものではありません。[2]

したがって、メーカーの商品表示や注意事項を確認し、短時間に大量に食べ続けることは避けましょう。

実際に腹痛や下痢が起きた場合は、それ以上食べ続けないことが基本です。

ミンティアを食べて下痢になったときの対処法

まず食べるのをやめる

症状が出た場合は、いったん原因として疑われる食品の摂取を中止します。

「本当にこれが原因か」を確かめるために、再び大量に食べる必要はありません。

水分をきちんと補給する

下痢では、水分だけでなく電解質も失われます。

「下痢だから水分を控える」という対応は適切ではありません。

少量ずつでも水分を取り、下痢が多い場合は水分と電解質の補給を意識します。

食べたものと症状を記録する

症状を繰り返す場合は、

  • 商品名
  • 食べた量
  • 食べた時刻
  • 症状が出た時刻
  • 一緒に食べたもの
  • その日の体調

を簡単に記録しておくと、原因を整理しやすくなります。

ミンティア以外の原因も考える

下痢や腹痛にはさまざまな原因があります。

例えば、

  • ウイルスや細菌による胃腸炎
  • 食中毒
  • 食品不耐症
  • 過敏性腸症候群
  • 薬の副作用
  • その他の消化器疾患

などです。

ミンティアを食べた直後に症状が起きたとしても、必ずしもミンティアだけが原因とは限りません。

特に、ミンティアを食べていないときにも下痢を繰り返している場合は、別の原因を考える必要があります。

こんな症状がある場合は医療機関へ

一度軟便になったものの、その後症状が落ち着き、体調も普段どおりであれば、経過をみられることもあります。

一方で、次のような症状がある場合は医療機関へ相談してください。

  • 血便がある
  • 黒い便が出る
  • 強い腹痛がある
  • 高熱がある
  • 嘔吐を繰り返す
  • 水分が十分に取れない
  • 尿が極端に少ないなど脱水が疑われる
  • 下痢が続いている
  • 体重が減っている
  • ミンティアをやめても症状が続く

特に強い症状や脱水が疑われる場合には、長く様子をみないことが大切です。

まとめ|「ミンティアだから下痢」と決めつけず、量・成分・体調を確認する

ミンティアを食べたあとに腹痛や下痢が起こることはあります。

しかし、

「ミンティアそのものがお腹に悪い」

と一括りにすることはできません。

考えられるのは、

  • 食品に使用される糖アルコールなどの成分
  • 食べた量
  • 本人の体質
  • 商品ごとの原材料の違い
  • その日の体調
  • もともとの腸の状態
  • ミンティア以外の原因

などです。

ソルビトールには、摂取量によって緩下作用を示すことが知られています。[1][2]

一方で、その情報をもとに、

「ミンティアは○粒以上食べると下痢になる」

とすることはできません。

症状を繰り返す場合は、商品名や食べた量、症状が出るまでの時間などを確認し、原因を一つずつ切り分けていきましょう。

そして、ミンティアをやめても下痢が続く場合や、血便・黒い便・強い腹痛・高熱などがある場合は、別の原因も考えて医療機関へ相談してください。

参考文献・参考情報

[1] Johnston KR, Govel LA, Andritz MH.
Gastrointestinal effects of sorbitol as an additive in liquid medications.
The American Journal of Medicine. 1994;97(2):185-191.
DOI:10.1016/0002-9343(94)90029-9
PMID:8059785
PubMedで確認する

[2] 厚生労働省 医薬食品局食品安全部監視安全課長
「D-ソルビトール」を多量に添加した食品について
食安監発第0826002号、平成15年8月26日(2003年8月26日)
ソルビトール摂取量と緩下作用との関係、最大無作用量に関する参考資料を掲載。
厚生労働省の原文を確認する

[3] アサヒグループ食品株式会社
「ミンティアの部屋」
1996年にポーラフーズ株式会社から発売されたこと、2003年のブランド継承、ブランド沿革、原料・製法に関するメーカー公開情報の確認に使用。
メーカー公式情報を確認する

[4] アサヒグループ食品株式会社
「『ミンティア 鬼辛ミント』『ミンティア 鬼すっぱレモン』」
2022年8月22日。
一部商品のメントール配合等についてメーカー公開情報として参照。
メーカーのニュースリリースを確認する

執筆・監修

箕浦雅子(薬剤師)
株式会社健将 代表取締役。

薬剤師としての専門知識を基盤に、長年にわたり健康・食品分野に携わり、腸内環境や納豆菌をはじめとする健康情報の発信を行っています。

株式会社健将は健康食品の企画・開発・販売も行っています。本サイトでは、健康や身体に関する一般的な情報について、公的機関・学会・医学論文などを確認しながら、できる限り正確で分かりやすい情報提供に努めています。

利益相反(COI)について

執筆者は株式会社健将の代表取締役であり、同社は健康食品の企画・開発・販売を行っています。

本記事は、特定商品の販売・批判・推奨を目的としたものではなく、公的機関、医学論文、メーカーが公開している情報などをもとに、一般的な健康情報を提供することを目的としています。

「MINTIA(ミンティア)」はアサヒグループ食品株式会社が展開するブランドです。株式会社健将および本サイトは、同社およびMINTIAブランドとは関係ありません。

また、本記事はミンティアおよびアサヒグループ食品株式会社を批判・誹謗する目的で作成したものではありません。

※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。症状が続く場合や気になる症状がある場合は、医療機関へご相談ください。