下痢の原因は冬の寒さからの冷え
下痢の原因として挙げられるのが、おなかの冷えです。寒くなると体内温度が上がらず体が冷え、結果下痢など身体の不調を訴える人が多いものです。
冷えから来る胃の調子が悪くなると、日々の食事だけでなく、友達や同僚との楽しい席も満喫できず、ツライものです。また、下痢になると、いつトイレに行きたくなるか不安で、仕事や外出がままならないことも…。このような胃の不調や下痢はどのように冷えと関係しているのでしょうか。
下痢の原因は寒さや冷えに
寒くなると、下痢、胃が痛い、体調も悪くなる
激しい寒暖の差は、自律神経への負荷となるからです。また、寒さや冷えそのものも、ストレスになります。
冷える環境にいたり、緊張やストレスを感じたりすると、血流が滞り、胃の働きが低下します。
一般的には、冷えると自律神経が乱れて腸の異常収縮が起こり、下痢になると言われています。
冷えからくるもう一つの下痢の原因
私達の身体は、自分で自身の生命を守るために働きます。「お腹を下す」ことは「お腹が冷える」という状況から生命を守るため身体が反応した結果である、と考えることが出来ます。
下痢という現象は、「大腸を経由した水分の体外排出」として考えてみましょう。下痢により排出される水分は血液からもたらされます。そして血液から水分を排出した結果、「末梢(手先、足先)への体熱の移動を抑制して体幹部の熱を逃がしにくく」かつ「熱容量を下げて体温を素早く上げられるように」なります。
つまり、急激な冷えに接した緊急事態においては熱を逃がしてしまう手や足への血の巡りを敢えてストップしてしまい、お腹周りの最も大事な部分だけを確実に温めようとしていると考えることが出来ます。
冷えるとおしっこが近くなるのも、水分の体外排出という同じ理由によるものと思われます。
実際、下痢した時に手先足先が冷えていること感じている方もおられるようです。体内から水を捨て、血の巡りを“あえて”抑制することで熱が逃げてしまうことを防ぐ。そうした見立てと末端の冷えの感覚は合致します。
下痢は薬缶(やかん)の水を捨てることと同じ
例えば、いっぱいに入った薬缶の水は中々沸きません。湧くのに時間がかかります。急ぐ時には困ります。火力を上げて沸かしてみても時間がかかります。そんな時薬缶の水を捨て、必要最小限だけを沸かすとどうでしょうか。早く沸騰しますね。下痢は、ここで選択した薬缶の中の水を捨てるという行為、これがまさしく冷えに際して下痢をしてしまうという状況の例えになるのです。
早く沸かすためには、必要最低限の水だけを残して後は捨ててしまうのが最も効率的だということです。
また、お腹の痛みは「火力アップ」と考えることもできます。
なお汗による水分の排泄には「体熱を奪って身体を冷やす」という大きな効果ですので、この場合とは異なります。
冷えを感じたら体を温めよう
冷えを感じ、不調を感じたら、まずは、お腹を温めると、血行がよくなり、胃の不快感がやわらぐ場合があります。また、冷たさそのものが腸への刺激になるおそれもあるので、できるだけ温かい食べ物や飲み物を選んでください。寒い季節や職場の冷えが気になるときは、使い捨てカイロなどでお腹を温めると、ほっと安らげます。
胃腸をいたわりたいときのために、冷え対策以外にも、消化の良い食べ物、食べ過ぎないなど食べ方やメニューなどを考えましょう。
冷えてお腹を下した時には下痢止めの薬を服用しないで、体幹部や首回り、あるいは吐く息から熱が逃げないように衣服や腹巻、ネックウォーマーなどを重ね着したり鼻呼吸を心掛けたりしてみましょう。
寒くなり、冷えるとトイレに行きたくなる
「いつトイレに行きたくなるかが心配で落ち着かない」「旅行や外出のときはトイレに行く回数を減らしたい」など寒さとトイレは切っても切れない関係があります。
冷えや寒さが切迫した尿意のきっかけになる場合があります。冷えや寒さに膀胱が過敏に反応して収縮すると、尿意を覚えるからです。旅行などで屋外に出るからトイレが不安という人は、腹巻や使い捨てカイロなどで下腹部を温めておきましょう。おなかが弱い方も同じです。
女性は特に冷えやすいので、運動で筋肉量をアップして下痢を改善しよう
さまざまな不調のきっかけや原因となりがちな冷えですが、特に女性は男性以上に注意する必要があります。その理由は「筋肉量の違い」。冷えを防ぐためには、日常的に体を動かすことも大切です。
筋肉には、熱をつくる働きや、血液を送り出すポンプのような働きがあります。ところが、女性は男性に比べて血管が細く、筋肉量も少なめ。
そのため、男性よりも冷えやすく、血めぐりも悪くなりがちです。筋肉量は加齢によっても減少するので、運動する習慣を身につけて、筋肉量の維持・増加をめざしましょう。
腸内環境を整えよう
腸内環境が悪くなると、おなかの不調が現れてきます。腸内細菌のバランスがよい時、小腸では食べたものから栄養素や水分をしっかり吸収し、残りカスが大腸へと送られ、やがて便となり排出されます。しかし、悪玉菌が優勢な時は下痢や便秘になりやすくなります。
下痢は便秘とは逆に蠕動運動が活発になりすぎることで起こります。悪玉菌が作り出す大量の有害物質を早く排出しようとするのがその一因で、大腸で水分が十分に吸収されず、便が柔らかくなります。体にとって悪いものは、早く出した方がよいのですが、このような状態が長く続くと、有害物質だけではなく善玉菌まで流され、腸内環境はさらに悪化してしまいます。
腸はまた、私たちの身体を敵(病原菌やウイルス)から守る、免疫の一大基地です。この基地には「腸管免疫(ちょうかんめんえき)」という免疫システムが備わっており、私たちが健康な毎日を送れるよう、病原体の発見や情報伝達、病原体そのものへの攻撃などの役割をはたしています。
腸管免疫は腸内環境が悪くなると機能が弱まってしまい、病原菌が体内で増殖を始めます。腸内環境の悪化は、病気にかかりやすい体になってしまうことにつながります。腸内環境を整える方法で重要なポイントは、腸内での善玉菌の割合を多く保つことです。腸の状態がよくなると悪玉菌は棲みづらくなり、反対に善玉菌は快適に働けるようになります。
善玉菌を増やして、腸内環境を改善していくサプリメントがありますので上手に利用しましょう。