食中毒・食あたり

下痢が起こる原因は様々ですが、なんだか別の症状を示すようですが、実は同じものです。

下痢の原因は食中毒と食あたり

「食あたり」のほうが日常的に使われていて、軽い症状のように感じますね。「食中毒」は医学的な用語で、「食あたり」は医学用語として認められていないもの、それだけの違いです。

「食あたりでお腹を壊した」というようなことはよく耳にしますが、それはしっかり食中毒にかかっているということです。
食中毒も、下痢で済んでしまう軽いものから、入院が必要になるほど重症なものまで、症状に幅があるということですね。

さて、食中毒の原因は、食べ物に含まれる毒となる成分です。

1 魚、きのこ類などの自然毒

ふぐのテトロドトキシンや毒キノコが知られていますが、例えばじゃがいもの芽にもポテトグリコアルカロイドという毒が含まれており、身近なところにも危険はあります。カビや寄生虫による食中毒もあります。

下痢の原因は細菌感染

2 危険な下痢とそうでない下痢

食中毒菌による下痢では一般的にノロウイルスやロタウイルスが知られています。

【ノロウイルス】が原因の下痢

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、特に冬季に流行しますが、一年を通しても発生しています。 ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。

感染力が強いので、人から人にどんどん移り、集団生活の場で蔓延することがあります。こどもや老人など、体力・抵抗力のない人の場合は非常に注意が必要です。

【ロタウイルス】が原因の下痢

ロタウイルス感染症は、乳幼児をはじめ子どもに多い急性胃腸炎を引き起こす感染症です。やはり冬場の発生が多いです。他のウイルス性胃腸炎にくらべて下痢や嘔吐の症状がはげしいことが多く、入院が必要となる小児 急性胃腸炎の原因のうち50%を占めるとされています。

原因ウイルスであるロタウイルスは、10-100個程度でも体内に入れば感染するので、非常に感染力が強く、生後6ヶ月〜2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までには大半の子どもがかかります。

乳幼児の下痢を引き起こすものが良く知られていますが、タイプによっては成人でも強い下痢になる場合があります。

3 食品の中の細菌

多くの食中毒の原因は、細菌によるものだと言われています。原因となる細菌の種類もたくさんあります。

【黄色ブドウ球菌】が下痢の原因になる場合

人間の皮膚にいる菌です。おにぎりやすしなどを作る際に食品に移り、増殖して毒素を作ります。おにぎりはラップなどを使って握り、できるだけ低い温度の場所で保存するようにしましょう。

黄色ブドウ球菌が食品中で増殖する時、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強い「エンテロトキシン」という毒素をつくります。毒素は加熱では破壊できないため、残った調理済食品の再加熱利用は避けましょう。

【ボツリヌス菌】が下痢の原因になる場合

真空の場所にいると毒素を発生する菌です。真空パックの食品は安全に感じますが、ボツリヌス菌にとっては生活しやすい場所に過ぎません。潜伏期間が長いので、半日から一日以上経ってから症状が出る場合があります。

【サルモネラ菌】が下痢の原因になる場合

卵や鶏肉にいます。夏場の卵料理には注意しましょう。卵の殻にも付いている場合があることをお忘れなく・・・。

生卵(卵がけご飯が多い)が原因のサルモネラによる食中毒で子どもが死亡した事例があります。賞味期限を過ぎた卵は生で食べないこと!また、乳幼児や高齢者、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方などはしっかり加熱調理しましょう。

【カンビロバクター】が下痢の原因になる場合

牛、豚、鶏など、家畜の体内に必ず存在する菌です。生肉を食べる場合に注意する必要があります。潜伏期間は2日~11日といわれています。肉を加熱する場合にも、中までしっかり火が通ったかを確認してから食べましょう。

【病原性大腸菌】が下痢の原因になる場合

生肉の感染から重大な病状を引き起こしたことでも知られるのが大腸菌です。加熱処理が非常に重要となります。O111やO157は牛の腸内に存在しています。

腸管出血性大腸菌O157による感染症が疑われるときは、必ず医師の診察を受けましょう。また、下痢止め薬や痛み止め薬の中には、毒素が体外に排出されにくくするものもあるため、薬は自分の判断で服用しないで下さい。

一般的には下痢の治療として、安静、水分補給、消化しやすい食事の摂取などです。抗菌剤を使って治療することも有効ですが、医師とよく相談して対応を決めましょう。

4 科学物質

本来食べ物には含まれておらず、加工の際に加えられた添加物によって食中毒が引き起こされる場合もあります。

現在、食中毒の原因になり得る有害食品添加物は、法律によって使用を規制されています。

また、ヒ素、銅、カドミウム、スズなどの有害な金属が土壌から井戸水、河川に流れ出し、飲用することによって重大な食中毒を引き起こす可能性もあります。

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身近なところでは、「加熱が十分でなかった」「食品が古くなっていた」「十分に保冷されていなかった」などが食中毒に繋がるものが多いと考えられます。ウイルスや細菌が原因の食中毒のですね。


食中毒を十分に意識して、食品を調理・保存するようにすれば、食中毒を防ぐことができます。手をきちんと洗うこと、食品を素手で扱わないことも大切です。

体は毒となるものを排出しようとする機能が働くため、食中毒にかかった場合の下痢は「必要なもの」と考えられます。
ただし、体力や水分はどんどん奪われていきますので、医師の指示に従いながらの治療が必要です。特に十分な水分補給は忘れないようにしましょう。

下痢を改善する腸内細菌

下痢の改善は腸内環境を良くすること

同じものを食べても下痢になる方、下痢にならない方がおられます。その違いはどこでしょうか?という質問をよく聞くことがあります。

その違いはズバリ!と言って腸内環境の違いです。腸内環境が良好な方は腸内活動が正常に働いています。おなかも丈夫です。

一方、腸内環境が非常に悪い人は、風邪をひきやすい、体調がすぐれないなどの症状が何かしらあるものです。腸内活動、つまり消化、吸収、解毒、免疫など様々な活動が弱くなっています。

ですので、何か体に悪い物が入った時に十分な消化や排出が出来なくて下痢がいつまでも続いたり、下痢が悪化したり、最悪の場合には重篤な病気へと移行してしまう恐れがあります。

下痢の改善のためには腸内環境を良好にし、腸内環境をしっかり整えておくことがとても大切です。腸内環境を整えるサプリメントなどを利用すると下痢の改善は速くなります。