下痢と便秘に悩まされる場合(2)

下痢と便秘の両方に悩まされている方の原因を考えてみましょう。

下痢と便秘に悩まされる場合(2)

体質や食生活、運動量が関係していると思われる場合は先にこちらの記事「下痢と便秘に悩まされる場合(1)」をお読みください。

◆過敏性腸症候群の可能性

便秘と下痢を同程度繰り返し、いつ下痢になるのかわからない方、お腹に違和感がある、ごろごろするという方は、「過敏性腸症候群」の可能性があります。

ご自身の生活を振り返って、疲れが溜まっている、精神的ストレスが多い、なんとなく気が休まるときがない・・・という方は過敏性腸症候群を疑ってみましょう。

過敏性腸症候群の場合、生活の乱れも原因のひとつではあるのですが、精神的なストレスが原因となっている場合が多いと考えられています。

過敏性腸症候群についての記事を参考に、ご自身はどうであるのか考えてみてください。
「過敏性腸症候群」
「過敏性腸症候群かもしれないと思ったら」

◆胃下垂(機能性胃腸症)の場合

さて、もうひとつ、便秘や下痢になる原因に「胃下垂」があります。胃下垂は胃が正常な位置に収まらず、下に伸びてしまっている状態です。現在では「機能性胃腸症」という病気に分類されています。

「機能性胃腸症」とは、内視鏡検査で胃を検査しても胃炎などの異常は認められないのに、胃もたれや胃の違和感などが続いている状態です。まだ日本ではあまり知名度の高い病名ではありません。

胃下垂は「機能性胃腸症」という考え方がでてくるまでは「病気ではない」と考えられていたものですので、どうしても軽く考えられがちです。

しかし、実際は胃の機能が低下することにより腸も消化不良が起こり、下痢や便秘、胃の不快感、げっぷが増える、食欲不振、太ることができないなどのやっかいな症状が付きまといます。

下腹がぽっこり出ている方、少し食べただけでお腹がいっぱいになってしまう方も胃下垂を疑いましょう。体調不良や急激なダイエットで痩せたことにより胃を支える筋肉や脂肪がなくなって胃下垂になる場合もあります。

胃下垂の場合は規則正しく食事を取ることが非常に重要です。ただし、回数を分けて少量を食べるほうが胃下垂の改善には向いているので、10時、3時の決まった時間に「おやつ」を食べるようにしましょう。よく咀嚼し、ゆっくり食べることを心がけてください。

また、腹筋をつけることで胃の位置が下がるのを防ぐことができます。胃下垂の改善には適度な筋肉と脂肪が必要なのです。

便秘になると食欲不振に繋がりますので、やはり普段から簡単な運動を心がけること、便秘になりにくい腸内環境を維持することが大切です。

*ご注意

胃下垂になると、「胃アトニー」(胃無力症)と呼ばれる胃の消化機能が低下した状態になりやすくなります。現在、この状態も「機能性胃腸症」という病気に分類されています。

胃下垂だからと用意に考えず、医師に相談するようにしましょう。胃アトニーの対処も基本的には同じですが、お薬を処方していただくこともできます。ご自身だけで判断されないようお願いします。

腸内環境を整えよう

「元気の元は胃腸から」と昔から言われています。昔は今ほど添加物はなかった時代に、腸内環境が健康に大きく左右していることが体験してわかっていたのです。
現代では世界中の食材が満ち溢れ、どの食材が日本人の健康に良いのかさえ分からなくなってきています。
一つ一つの食材は確かに栄養豊かであったとしても、日本人の体質に果たしてあっているかどうかは疑問となることが多いものです。
「身土不二」と言う言葉がありますが、身土不二というのは地元の旬の食品や伝統食が身体に良いのでそれを食べましょうという事です。身体に合わないものはそれを早く出そうとして下痢になってしまいます。

何を食べても下痢にならない人がいます。そういう人は腸内環境が非常に整っている人です。腸内環境を強化すると、下痢の改善は早くなります。腸内環境を整えるサプリメントがありますので上手に利用しましょう。