近年、食事の形態や食材が昔と変わってきています。
そのため下痢の原因となるものも複雑になり、何が下痢の原因となっているのかはっきり分からない状態の人も少なくありません。 重篤な下痢にならなくても、慢性的な下痢で日常生活に支障をきたしている人も増えています。
生活は豊かになっており、医療もどんどん進歩しているにもかかわらず、こうした下痢の原因となるものが増えているのはどうしてなのでしょうか。
こうした下痢の原因の一つとして、食べ物に何かが潜んでいると考えるのも不思議ではありません。
下痢の原因はハンバーグ
例えばスーパーなどによく売られている、焼くだけのハンバーグや家庭で作るハンバーグを例にとってみましょう。こうした美味しいハンバーグが、実は下痢の原因となることがあるのです。
子供から大人からお年寄りまで、ハンバーグの好きな人は多いと思います。しかし、そのハンバーグも下痢の原因という点からすると、危険性が高い食べ物の一つとなります。
ハンバーグで下痢になる原因は脂
美味しいハンバーグは、表面をしっかり焼いて肉汁(脂)を中に閉じ込めます。ハンバーグのジューシーさは、その肉汁の量で決まると言っても過言ではありません。あればあるほど美味しくなる肉汁ですが、それは当然それだけ脂が多い証拠でもあります。 そういった、脂がたくさん入っているハンバーグを食べると、胃腸の弱い人は脂を消化しきれずに消化不良になって下痢になってしまいます。
脂は腸にとって刺激物です。脂っこい食事を食べると、その刺激によって胃、小腸、大腸が活発に働きだします。 胃はいそいで食べ物を小腸に送り、小腸は栄養を吸収するのをやめて、急いで大腸に便を送り、大腸は食べ物を早めに体外に出そうとします。そして、下痢という症状になって便が出てくるというわけです。 ですが、こってりの脂の多いハンバーグを食べた人全員が下痢をするかというとそうではないですね。脂っこい食事をいくらとっても下痢にならない人ももちろんいます。そういう人はきちんと脂肪分が小腸で分解されているのです。
焼き方にも気を付けて
脂以外にも下痢の原因となる要因があります。それが焼き方です。
ハンバーグに使うミンチ肉は表面積が広いため、食中毒などの原因菌が付着しやすくなっています。
さらにミンチ肉を丸めると、中に閉じ込められた菌は生き残ってしまう可能性が充分にあります。
生の食肉や加工食肉製品などには病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ菌などが付着している可能性が少なからずあります。
そのため生焼きであれば、閉じ込められた菌は程よい温度のために増殖し、食中毒の原因となるのです。
過去、実際に起きた食中毒の例としては、某焼肉店にてレア状態の牛肉ハンバーグを客が手元の専用の焼き石プレートで焼き上げて食べる、というスタイルを採用していたところ、焼き方が不十分であったために食中毒が発生した、ということがありました。2009年にも、別のチェーン店にて、同じように生焼けのハンバーグをレアとして提供、腸管出血性大腸菌O157による食中毒が発生しています。
このように美味しさや食べ方を追求するあまり、健康を害してしまっては意味がありません。特にO157による食中毒は、これまでにたくさんの死者が出ており、たかが食中毒と侮ってはいけません。
ハンバーグによる下痢を防ぐには?
ハンバーグは好きなのに、下痢してしまうので食べられない、と思っている人はちょっとした工夫で下痢を回避できます。
まず、しっかりと中まで火を通しましょう。
腸管出血性大腸菌は加熱により死滅します。したがって、腸管出血性大腸菌の食中毒を予防するためには、生肉を使った肉料理を避けることや、肉の中心部まで十分に加熱することが重要です。飲食店などで食べるときには、生肉や肉を生焼けで食べる料理がメニューにあっても、なるべく避けたほうが安全です。
また、焼肉やバーベキュー等、自分で肉を焼きながら食べる場合も十分加熱し、生焼けのまま食べないようにします。ちゃんと焼けたかわからない場合、焼き上がったハンバーグの中央にお箸を刺してみて、透明な肉汁が出れば中まで焼けたという目安になります。
特に、若年者、高齢者、持病などで抵抗力が弱っている方は、少しの量でも重症化することがありますので、生肉や加熱不十分な肉料理を食べないようにしてください。
次に、味付けを変えることです。
にんにくの効いているスパイシーなものではなく、大根おろしをたっぷり添えた和風ハンバーグとして食べることです。 大根には消化酵素が多く含まれているため、ハンバーグの脂の消化を助けてくれます。 大根おろしは、あればあるほど良いですから、意識的に量を多くしてみましょう。
下痢の改善は腸内環境を整えることから
私たちは食べる事で健康を維持することが出来ています。食べ物を消化、吸収、排泄すること、これらが腸の正常な働きのもとで行われていると、健康に過ごすことが出来るのです。 腸内が正常に働いている人は腸内環境も非常に良好です。逆に、下痢など腸のトラブルを抱えている人は腸内環境が非常に悪化しています。
またアレルギーなどの症状を持っている人は、腸内の乳酸菌の量が健康な人に比べると少ないといった報告もあります。
このことから、腸内の善玉菌を増やすことが健康増進のためにも欠かせないということがよくわかります。
腸内善玉菌を増やすには、善玉菌を含む発酵食品を食べる、食物せんいやオリゴ糖といった善玉菌のエサとなるものを食べる、善玉菌配合のサプリメントを摂る、といった方法が考えられます。いずれにせよ、腸内善玉菌は何もしなければ減っていく一方です。自分に合ったやり方で、善玉菌を増やしていくようにしましょう。