下痢の原因は野菜不足

下痢が続く原因は様々あります。腸の病気に下痢の原因があって、医師の治療が必要なものもありますし、一時的な腸の働きの低下が下痢の原因となっておこるもの、様子をみてもよいのもあります。

そのため下痢の原因はストレスによるものなのか、睡眠不足、食生活、病気などで下痢になっているのかよく見極める必要があります。

今回は食生活から下痢の原因を見ることにしましょう。

腸内環境を整える食物せんい

食生活の中で野菜摂取は重要です。特に食物せんいが下痢の原因と大いに関係があるようです。食物せんいは野菜の中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない物質です。

整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれています。食物せんいは主に、水に溶けない不溶性食物せんいと水に溶ける水溶性食物せんいに大別できます。

さらに消化されにくい性質を持ったデンプン(難消化性デキストリン)、オリゴ糖などの成分も含まれます。働きとして、便の体積を増やす材料となるとともに、大腸内の環境を改善する腸内細菌の餌になり、これらの菌を増やすことが明らかとなっています。

腸内環境を整えるだけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。食物せんいは、現在ほとんどの日本人が不足していますので、積極的に摂りましょう。

下痢の原因は食物せんい不足

野菜不足になると食物せんいも不足することになってしまいます。 現代はインスタント食品や脂っこい食事を摂り過ぎていることもあって、野菜不足が蔓延しています。

野菜不足は健康な人にとっても良くないことですし、下痢気味の方にも良くないことです。慢性的な下痢の方、あるいはお腹が弱い方は、野菜は食物せんいが怖くて食べられないと言われる方も多いのですが、食べないとビタミン、ミネラル不足になり、栄養不足に陥り結果的に下痢を悪化させことに繋がります。

また、食物せんいも便の形を作る為には重要なものとなりますので、摂らなければいけないものなのです。

水溶性食物せんいと不溶性食物せんいの違い

食物せんいは、食品中の成分のうち、人の消化酵素で消化されにくい成分です。食物せんいには「不溶性食物せんい」、「水溶性食物せんい」の2種類があり、不溶性:水溶性=2:1が理想とされています。それぞれ効能が違うので、体の状態に合わせて、バランスよく摂れるようにしましょう。

水溶性食物せんいを含む食品・特徴

・粘性が高い(イメージはヌルヌル、ネバネバした感じ)
粘着性があるおかげで、胃腸内をゆっくりと移動するため、空腹感が抑えられ、食べ過ぎを予防してくれます。

・糖質の吸収をゆるやかにしてくれる
水に溶けるとゼリー状になるので、糖を包み込んで吸収しにくくし、血糖値の急激な上昇を抑え、ゆっくりと血糖値を上げてくれます。

・吸着性
胆汁酸、コレステロールを吸着して外に出しやすくしてくれるので、コレステロールの低下が期待できます。

・ 水溶性食物繊維を含む食べ物
こんぶ、わかめ、めかぶ、もずくなどの海藻類、果物、抹茶粉末、ピュアココア、こんにゃく、納豆など

・善玉菌を増やす                                     腸内善玉菌の餌となり、ビフィズス菌などの善玉菌を増やして腸内環境を改善する効果もあります。

・おなかの弱い方に適する                                 下痢で悩んでいる方やお腹の弱い方は「水溶性食物せんい」を積極的に摂るように心掛けましょう。

不溶性食物せんいを含む食品・特徴

・せんい状(イメージは水溶性のものよりも固いイメージ)
野菜、穀類、芋類、果実類に含まれ、口あたりがボソボソしたものです。

・食べ過ぎを防止                                     せんい状のため、咀嚼回数が増え、それにより、食べ過ぎを防止し、肥満予防になります。また、咀嚼が増えると顎の発達、脳の活性化にもつながるため、認知症の予防にもなります。

・保水性が高い
胃や腸で水分を吸収すると膨らんで、腸を刺激し、蠕動運動が活発になり、便通をよくしてくれます。

・不溶性食物繊維を含む食べ物
ごぼう、蓮根、玄米、大豆、キャベツ、りんご、みかん、納豆(両方をバランスよく含む)などがあります。

・善玉菌を増やす                                         不溶性食物せんいも、水溶性食物せんいのように腸内の餌となり、善玉菌を増やすことができますが、水溶性のほうがこの効果は高いとされています。

下痢の原因となる現代の野菜の落とし穴

また、近年の野菜は昔の野菜と比較すると、ビタミンやミネラルの含有量が減っており、十分と思われる量を食べても実は栄養成分的に大したことないと言われています。

その野菜不足を補う為に「青汁」を摂られている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 手軽で野菜不足を補うことはとっても良いことなんです。ですが、「青汁」にケールが入っているものは体を冷やしてしまいますので、下痢の方やお腹の弱い方はお勧めしかねるものなのです。

また野菜不足を補うために「野菜ジュース」を飲む人がいますが、殆ど食物せんいが入っていない為、下痢の改善には利用できないかと思われます。

下痢の改善には野菜をたっぷり摂りましょう

私は、野菜はいつも多くとっていますと言われる方も多くいます。でもその殆どが一日の野菜必要量350gに達していないのが現状です。以下の図は厚生労働省の平成26年度国民健康・栄養調査によるグラフです。このグラフからもわかるように一番多く摂っている60歳代から69歳までの方の平均野菜摂取量は322.1gです。

若者から40歳以下の方については平均250g以下です。 いかに野菜不足になっているかが伺われます。野菜に含まれる成分の複合的な作用が、下痢の改善に役立ちます。

野菜は健康を保つために大切だということは着実に浸透してきており、野菜の摂取量は増加傾向にありますが、まだまだ目標量に足りないのが現状です。下痢を改善しいた方は野菜を意識してしっかり摂りましょう。

下痢の改善には腸内環境が良好であること

下痢の方はずばり申し上げると、腸内環境が良好ではありません。腸内環境が良好だと腸内は正常な働きをしてくれます。水分調整、蠕動運動など規則正しく行われます。

野菜を多くとると腸内の善玉菌が増えていきます。野菜不足を補う野菜のサプリメントや腸内善玉菌を増やすサプリメントを同時に摂ると腸内環境は良好になり下痢の改善は一段と早くなり、下痢に悩むことはなくなります。

あまり神経質になりすぎると野菜不足も改善できなくなってしまいますし、下痢も改善されませんので、サプリメントも上手に利用し、普段の食事内容も野菜をたくさん摂り入れたものにするなどしてみましょう。